こうしてまた……
「……ふっ……」
ケイゴは、鼻で笑う。
「……もう……疲れたよ……」
ケイゴは、肩を落とし下を向く。
「…………」
……門番ちゃんは、レンさんに……
……受付嬢ちゃんは、ブレイクさんに……
……俺を優しく接してくれる女性は、みんな相手がいて、俺は……チョロいから……優しくされたらさ?
……特別な女性になっちゃうんだよ……俺にも優しい美しい心を持った女性って……
……金目当てだったり、腹黒い可能性が高いって言うのにな?
「……これだから俺は……女性が苦手なんだ……」
ケイゴは、呟くように言う。
「……さぁ……異世界楽しもうぜぇ?」
元気のない声でケイゴは、いつもの道を進む。
「……ロデーブさん?」
「……えっ?」
可愛らしい女の子の声が聞こえ、立ち止まって前を向くと、スリちゃんがこちらをジッと見て立っていた。
「……あ、ロデーブさんだ、おはようございます!」
スリちゃんが、ロデーブと気づいたのか、探るような顔をしていたが、パァ〜と笑顔になった……可愛いなぁおい!
「お、おはようございます……」
俺は、瞬時に自分の声を低い声に変更した。
「……どうしたんですか? なんか、声が……」
スリちゃんは、俺が、声を変えた瞬間を怪しむ。
「あ、いや、ちょっとね?」
良い言い訳が思いつかん……だって俺だぜ?
「そうですか? ロデーブさんは今からどこに行くんですか?」
「あ、あぁ……これを……」
俺は、思い出したので、バックから串焼きを取り出した。
「えっ? 串焼き……もしかして……」
スリちゃんは、串焼きと俺を交互に見る。
「……今日も、一緒に……どうかな?」
……もう、君にも会いに行くことをやめようと思う……大丈夫そうだから、これを最後に……
「…………」
スリちゃんは、串焼きをジッと見て、俺を見ると。
「はい!」
元気のいい笑顔で、返事をしてくれた……
……やべ……ロリコンになっちゃう〜
……おじさん、嬉しいっすわ♪
こうして、またロリコンが増えて行く……だって俺だぜ?
ロデーブとスリちゃんは、路地に移動して、また一人分の空白を開け座る。
「はい」
ロデーブは、串焼きの持っている左手を伸ばしてスリちゃんに渡す。
「ありがとうございます……パク……」
スリちゃんは、串焼きを取ると、その小さなお口で一口食べるとこちらを見て、目を細めた……いい……
「……もぐもぐ……ロデーブさん」
「……ん?」
「……私、薬ソウネを選別できるようになって来たんです♪」
スリちゃんは、こちらを向き嬉しそうに話す。
「へぇ〜それは凄いね?」
……まじかよ……あれ全然見分け付かねーぞ? 受付嬢ちゃんとしているときは、受付嬢ちゃんの反応を見てやってたところある……なんか顔で分かった……違うところに置こうとすると顔しかめたりしてたしな……はぁ……
「ロデーブさんも選別できるんですか?」
「いや、全然出来ないよ」
「最初全然わかんなかったです……でも、先生が教えてくれたようにしたら、自然と見分けられるようになったんです! ロデーブさんも授業受けて見ませんか?」
スリちゃんの声は、なんともワクワク感が溢れる感じで自分までもがワクワクが止まらない……
「う〜ん……俺はいいかな……誘ってくれてありがとう……」
……受付嬢ちゃんのに出ないのに、他の人の授業にだって出る訳には行かないからな……
「……いいえ……あ、授業に行く途中なんでした……ロデーブさん、串焼き、ご馳走様でした」
「いいよ別に、一緒に食べてくれてありがとう……それと、君の名前を聞いてもいいかな?」
……これが最後だからな、名前だけでも聞いときたい……
「…………」
スリちゃんは、こちらをジッと見つめ……
「……ごめんなさい……ロデーブさん……
……名前は、教えられません……」
スリちゃんは、そう言った。
「そう……ですか……」
「ごめんなさい……本当に信頼出来る人にしか、名前は教えちゃいけないんです……」
「気にしないで? ……授業に遅れちゃうよ?」
「あ、そうでした、ロデーブさん、また」
スリちゃんは、手を小さく振る。
「…………」
ロデーブも手を振り、スリちゃんを送り出した。
「…………」
スリちゃんがいなくなった後も、しばらく手を振っていたロデーブは、ゆっくりと手を下ろした。
「……信頼……か……確かにな……俺、怪しいもんな……」
ケイゴはバックを背負うと、歩き出す
「……だって俺だぜ……」
ケイゴの顔は、暗く悲しそうだった。
ケイゴのここ最近が……辛すぎだぁろ……




