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カーんスト99なら強いよね?  作者: チョロォーク
第一章 俺は強いよね?
123/335

うん……うん……

「…………」


「…………」


ケイゴと受付嬢ちゃんは、対面に座って黙っていた。




なぜこんな事になったか……それは昨日と今朝、受付嬢ちゃんの行動にあった……





「…………」


受付嬢ちゃんは、仕事が無事に終わり帰路についていた。


「…………」


(……あの子は、どんどん吸収していきますね♪)


受付嬢ちゃんの頭の中で、元気よく手を挙げるマフラーちゃんの姿が映る。


「……はぁ……」


受付嬢ちゃんは、溜息を漏らす。


(……約束した日からケイゴさんは、ずっと来ない……あの子はもう、ほとんど薬ソウネの選別が出来るようになったのに……)


受付嬢ちゃんは、徒歩を速める。


「…………」


そして、ボロい協会……受付嬢ちゃんの家に着いた。


「「「「「「おかえりー」」」」」」


「ただいま〜♪」


(やっぱり皆んながいる家が一番落ち着く)


「……最近遅いね、お姉さん」


ミンちゃんが、受付嬢ちゃんに聞く。


「うん、授業してて……」


受付嬢ちゃんは、教科書を取り出し見せる。


「……へぇ〜そんな事もしないと行けないの? 受付嬢って」


ミンちゃんより一歳年下の少女が、受付嬢ちゃんの手から教科書を取りそれをペラペラしながら言う。


「そうじゃないよ、私がしたくてしてるの」


「……えっ? もしかして……無償で?」


その少女は、驚きの顔で受付嬢ちゃんの顔を見た。


「うん」


受付嬢ちゃんは、当然でしょ? と言うような顔で答えた。


「それは、おかし「 おねぇちゃんご飯がね〜? 冷めちゃったよ〜」うもぅ……」


少女のしゃべっている途中に、一番年下のリリちゃんが、受付嬢の手を握りフリフリして言う。


「……うん♪ 教えてくれてありがとね?


……ごめん、後でね? レメ」


「……別にいいけど……」


レメと言われた少女は、茶髪のウェーブのかかった肩まで伸びた髪で肌が薄い褐色の、おしとやかな胸にキュッとしたウエストとムチっとした下半身をした15歳の女の子だ……ちなみにシャワーでも浴びたのか、髪がしっとりしていた。


「……今行くから、そんな引っ張らないで〜♪」


受付嬢ちゃんは、リリちゃんに嬉しそうに引かれていった。





その後は、子供達と色々な話をして、リリちゃん達が寝たのを確認してから自分の部屋で、明日の準備を始める受付嬢ちゃん。





「……はぁ……」


受付嬢ちゃんは、大きな溜息を吐いた。


「…………」


受付嬢ちゃんは、ギルドの提示版に貼ってある、植物の授業の紹介が載った紙をメモ帳から取り出し、それを見た。


「……何で何だろう……」


その紙の一番下の右下の角を見る。


「……ケイゴさんのおかげで思いついたのに……」


受付嬢ちゃんが見るその場所には、何も書かれていない。


コンコン


すると、部屋の扉を誰かが叩いたようだ。


「……ねぇ〜さん、レメだけど」


「入っていいよ……どうしたの?」


受付嬢ちゃんの返事を聞き、レメちゃんが入って来た時、受付嬢ちゃんは聞いた。


「……ちょっと……ね?」


レメちゃんは、扉の前で立ったままだ。


「ん? 大事な話?……そう……そこに座って?」


受付嬢ちゃんが、レメちゃんに言うと、レメちゃんは、黙って頷き、ベットの上に座るよう受付嬢ちゃんは指差した。


「……どうかしたの?」


受付嬢ちゃんは、レメちゃんがベットの上に座ったすぐ横に自分も座った。


「う、うん……最近、ねぇーさん元気ないから気になって」


顔を下げて言うレメちゃん。


「えっ? 私が?」


「そう……私達に分からないよう振舞ってるけど……ミンねぇーさんと私には分かるよ?」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの顔を見た。


「…………」


受付嬢ちゃんは、レメちゃんの目から顔を背けた。


「どうかしたの? は、こっちが聞きたいの……ねぇーさんが何を抱えてるか……話してみれば楽になるかもしれないじゃない……ププ♪」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの両頬を手の平で、むにゅっとして振り向かせた時の顔を見た瞬間、笑った。


「……リュミェ……ふふ♪」


受付嬢ちゃんも、むにゅってなった状態のまま笑う。


「……違うよ! 遊びに来たんじゃなくて、で? どうしたの? もしかして……原因って、授業?」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの顔から手を退けて言う。


「……それとは、違うんだけど……それもあるのかなぁ〜」


受付嬢ちゃんは、笑みから素の顔になると呟くように言う。


「どっちなの? リリちゃんも、何となくだけど気づいてるみたいだし、協力するからさ?」


「……え? 本当に? リリちゃんにも……


……わかった……ちょっと相談しようかな……」


受付嬢ちゃんは、リリちゃんと聞き驚いた顔をした後、何かを諦めたようにレメちゃんにお願いした。


「……任せてよ! ねぇーさんはいつも溜め込んじゃうんだから」


レメちゃんも、嬉しそうに言う。


「うん、お願いするね?


……ギルドでね? 最近、植物について教える教室を開いたの」


受付嬢ちゃんは、しとっとした髪をゆっくりと撫でながら言う。


「……さっきのね?」


「そう、それでね? また来てくれると約束してくれた人が、次の日から来なくなっちゃって……」


受付嬢ちゃんは、脱力感漂う感じで言う。


「約束したのに来ないの? 女性でしょ?」


「……そうなんだけど、男の人だよ?」


「……えっ? ちょっと待って? 男の人?」


レメちゃんは、驚きの表情で聞く。


「うん……」


「…………」


(……あの男嫌いな、ねぇーさんが? 男関係で悩んでるなんて……もしかして、しつこいって言ってた、ブレイクさんの事かな?)


「……へぇ〜♪ ねぇ〜さんがねぇ〜」


レメちゃんは、ニヤッとした顔をした。


「えっ? 何? レメ?」


受付嬢ちゃんは、レメちゃんの顔を見て、困惑する。


「……それはね〜ねぇーさん……女性だよ! その人、他に気になる人が出来たんじゃないかな?」


(……これは、攻めなきゃ! ねぇーさんが口説き落とされてたなんてね……煽っておかないときっと何もしないだろうしね……奥手な人だからねぇーさんは)


「……そ、そうなのかな? でも……急に受付にも避けるように来なくなったんだよ?」


受付嬢ちゃんは、手を握り締めてレメちゃんに聞く。


「……ほら! きっとそうだよ! ねぇーさんが曖昧な態度とるからだよ。で、その人ってどんな人なの?」


レメちゃんは、男嫌いなねぇーさんの事を、悩ませている張本人の容姿が気になった。


「……う、うん……えっと……


……串焼きが好きな人かな?」







……結構な額になると思いますよ? 魔力ソウネが61本もあるので……毒ソウネは……1つ2銅タプです


……毒ソウネは2銅タプか……なかなかじゃないか? 47本 × 2だから……94銅タプか……串焼きめっちゃ食える……


……そ、そうですね……


……やっぱり太ってる人は、食べ物で例えちゃうのかな?……ふふ




「…………ふふ♪」


受付嬢ちゃんは、微笑む。


「……そ、そうなんだ……」


(……串焼き好きな人……結構みんな好きだと思うけど……でも嬉しそうだからいっか)



「……あとね……字が読めないし書けないかな?」


「……えっ……それは……」


(……それダメな人じゃん……字が読めないって、どう生きて来たの?)


「……それとね?


……太ってて、土臭いかも」


受付嬢ちゃんは、顎に人差し指を当てて言う。


「……ねぇーさん……私、嘘ついたわ……」


レメちゃんは、おでこに手のひらを当てて、頭を振った。


「えっ? 嘘?」


受付嬢ちゃんは、レメちゃんを見ると……


「……その人は、ただ最低なだけだった……女性もいないと思う、いや! いないと確信した……ねぇーさん! その人はダメだよ! 絶対!」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの肩を両手でガシッ! と掴み振る……揺れる……


「えっ? ええっ? な、何がダメなの?」


受付嬢ちゃんは、揺らされながらレメちゃんに困惑の声で聞く……超揺れる……


「ねぇーさんをこんなに悩ました奴が、最低野郎だったなんて……許せない! ねぇーさん! そいつに近づいちゃダメだよ!」


「……ちょ、ちょっとレメ〜、一回落ち着いて!」


受付嬢ちゃんは、レメちゃんに揺らされてる手を退けて言う。


「ごめんなさい、ねぇーさん……でも! そんな奴、危険だよ! きっと危ない人だよ!」


レメちゃんは、真剣な顔で受付嬢ちゃんに訴える。


「……ケイゴさんは、そこまで……」


受付嬢ちゃんは、ムスッとした顔で言う。


「ダメったら、ダメだよ!」


(……男嫌いなねぇーさんが、危ない奴に……私が守らないと!)


「ねぇーさん、よく聞いて……その人は、正体を隠してるんだよ……だから、接して来た時とは、思ってる事は違うはずだから……


……絶対に見たものを全て、信じちゃダメだよ?」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの目をジッと見て言う。


「……うん……わかってる……」


受付嬢ちゃんも、しっかりと見る。


「…………ならいいよ♪ もし、どうしても理由が知りたいなら本人から聞くのが一番だよ? 嘘が適当ならすぐわかるし、顔見て聞けば、それが正直に話してくれたのかなんて分かるから」


「……ごめんね? 心配かけて……」


「うぅうん……私はいいの、でも、リリちゃんにまで気づかれるくらい悩んでいるのは見過ごせないかな? それに、ねぇーさんは、もっと私達を頼ってよ♪ 今日みたいにね?


……家族なんだからさ?」


レメちゃんは、受付嬢ちゃんの肩に頭を乗せ、顔を上げて、笑顔を見せる。


「……うん、そうだよね、私達家族だもんね? これからも頼らせてもらうね? レメ♪」


受付嬢ちゃんも、レメちゃんの頭に頭を軽く乗せ、笑顔になる。


「……だって〜みんな〜」


すると、レメちゃんは、扉の方に向き声を出した。



ガチャ!



「……お姉さん、私も頼ってよ?」


「俺は、そのデブを倒すから!」


「…………僕も……」


「……前に俺、不審者倒したんだぜ! 任せてよ!」


「……リリも! 頼って大丈夫だよ〜♪」


子供達が、一斉に部屋に入って来た。


「……えっ!? み、みんな起きてたの?」


受付嬢ちゃんは、リリちゃんが抱きついて来たので膝の上に座らせた。


「……また嘘ついてた、みんなねぇーさんが心配だったから」


レメは、ウインクして言う。


「……ごめんねみんな……私が不甲斐なくて……」


「そんな事ないです、お姉さんは、みんなをここまで育ててくれたじゃないですか。


そんなお姉さんを悪く言うのは、怒りますよ?♪」


ミンちゃんは、受付嬢ちゃんにより、隣に座った。


「……俺は許すよ! ミンねぇーは、優しくねぇーなぁー!」


6人の内、三番目の男の子が、ミンちゃんの前に立ち、バカにした顔をした。


「別に違うから、私の言ってたこと聞いてた? チビ!」


「……カチーン! 俺は、チビじゃねーし! ミンねぇーがデブいだけだろ!」


「……はぁ〜?! 太ってないわよ! 健康体よ! チビ、ナキト!」


ミンちゃんは、年相応の体系なのだが、3番目のナキトからしてみれば大きいのだ。


「……こら! 体型のことで悪口言っちゃダメでしょ? この中で一番重いのは、私よ?


ナキト、私ってデブかな?」


受付嬢ちゃんは、ナキトの顔をジッと見て言う。


「……うっ! ねぇちゃんは違うよ!」


ナキトは、苦い顔をして、搾り出すようにいう。


「なら、私より痩せてるミンちゃんは、デブじゃないってことね?」


受付嬢ちゃんは、ナキトの頭に手を乗せると、ゆっくりと右頬まで撫でた。


「……う、うん……」


ナキトは、その手を拒むように体をよじるが、離れようとはしなかった。


「……♪」


受付嬢ちゃんの隣で、ミンちゃんは、勝ち誇っていた。


「……ミンちゃんもね? 男の子は、大きくなってくんだから、私達よりも分かった?」


ミンちゃんを抱き寄せそういう受付嬢ちゃん。


「……は〜い……」


嬉しそうに返事を返すミンちゃん。


「…………僕は?」


受付嬢ちゃんの後ろに回り、2番目の男の子も聞く。


「タルキ君もね?♪」


受付嬢ちゃんは、後ろを振り向き優しい笑顔で言う。


「……ふっ! 俺が一番強くなって大きくなるがな?」


下から4番目の、細いがなかなかの筋肉質の男の子が腕を組み壁に背を預け言う。


「……ふふ♪ そうだね♪ ソンル」


受付嬢ちゃんは、ソンルを見て微笑む。


「……リリはね! おねぇちゃんが一番スキー♪」


リリちゃんは、受付嬢ちゃんに背中を預け、上を向き、超素晴らしい笑顔を見せた。


「「「「「…………」」」」」」


リリ以外のみんなが顔を見合わせる。


「「「「「「ぷっ♪ あはは♪」」」」」」


リリちゃん以外が笑う。


「えっ?♪ みんなどうしたの〜?」


リリちゃんは、顔をブンブン振り、みんなの顔を見た。


「私も大好きだよ♪」


受付嬢ちゃんは、リリちゃんを抱きしめた。


「……ありがとう、みんな♪ 私頑張ってみるね」


受付嬢ちゃんは、最高に嬉しい気持ちの溢れ出る笑顔をした。




受付嬢ちゃん達は、その日仲良くみんなで眠った。






そして次の日……



「……すみません……用って何ですか? ギルマス」


受付嬢ちゃんは、ギルマスに呼び出された。


「あぁ……君に報告したいことがあってな……」


机に座り、姿勢の正しいポニーテールの女性は、緑のノートを取り出した。


「…………」


受付嬢ちゃんは、姿勢を改めて、耳を傾けた。


「……君が書いたケイゴという人物についてだが……」


「っ!? はい……」


受付嬢ちゃんは、一瞬目を見開く。


「…………よくわからん」


ギルマスは、ノートをポンっと机に投げた。


「……えっ? それはどういう……」


「……あの男は、冒険者になる気があるのかないのか……誰にでもすぐになれるというのに……」


「……それは……」


(……泥人形に勝てないからでは?)


「私が出したクエストは、知っているだろ?」


「……はい……」


「あれは、今まで誰も達成出来なかったクエストだ……この私でもな?


それを、達成しようとしている……」


ギルマスは、その美しい顔を歪め……笑う。


「……面白い……ふ〜む……そう思ってな」


ギルマスは、その怖い笑みのまま受付嬢ちゃんを見る。


「そ、そうですか……」


(……やっぱり、怖い……見慣れてるはずなのに……)


受付嬢ちゃんは、苦笑いで答えた。


「……そして、アイツはどこの宿にも泊まっていない……どこで暮らしているかわからない……不思議な男だ……」


ギルマスは、ますます笑みが増し、何か、背中をなぞられる謎の感覚を受付嬢ちゃんを襲った。


「……は、はぁ」


(……ギルマスの方から何か出てる感じが……)


受付嬢ちゃんは、その感覚を耐える。


「……だが……無害だ……気をつければそう危険な奴ではないと分かったからな、以上出てっていいぞ」


ギルマスは、書類整理に戻った。


「いつもすみません……ありがとうございました」


(……そう……なんだ……)


受付嬢ちゃんは、何か肩の荷が落ちたそんな気持ちを感じ、ギルマス室を出て階段を降りていた。


「……よし、今日も頑張ろう! あっ! そうだ、授業について何か聞こうかな?」


受付嬢ちゃんは、ギルマス室にダッシュで戻り、トラリス男に会釈して扉を開いた。


「あの! それと聞きたいこ…………とが……」


受付嬢ちゃんは、扉を開いた状態で固まった。


「……ふむ……」


漆黒鎧の兜を丁度被ろうとしていたギルマスだった……そして、ゆっくりと被る、花の嫁さんでした。

受付嬢ちゃんの家族……心が温まる〜

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