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カーんスト99なら強いよね?  作者: チョロォーク
第一章 俺は強いよね?
122/335

第玖歩 傷付き気づく

ケイゴが荒れている……

「…………」


ケイゴは、目を覚ました。


「…………いつも見る路地……」


ケイゴは、自分が仰向けで眠っている事に気づく。


「……腫れがなくなってる……」


ケイゴは自分の顔を触り、痛みがもうなくなっている事を再確認した。


「…………」


……回復魔法のおかげ……だな……


ケイゴは、辛そうな顔をした。


「でも気分は良い感じがする……昨日はあんなにむしゃくしゃしてたのに……不思議だぜ……」


ケイゴは、バックを引き寄せ起き上がると、背負った。


「……俺はこの気持ちを捨てなくてはならない……門番ちゃんは、レンさんの彼女で俺の事など何も思っていない……誰にでも優しい人なんだ……」


ケイゴは、目を瞑り深呼吸した。


「……勘違いをしてはならない、こんな俺に優しい人は、俺みたいな人に慣れているだけだと……」


ケイゴは、ゆっくり目を開ける。


「…………よし!」


ケイゴは立ち上がり、体についた砂をはらう。


「……勝手に傷ついて、苦しんで……門番ちゃんは悪くないんだから……」


顔の晴れぬままケイゴは、路地を出た。









「…………」


……最近俺、早寝早起きしてるよな……異世界来る前は、スマホをずっと弄ってなかなか寝なかったから、朝起きるのも遅刻しないギリギリだったのに……


遅刻はしてないよ? 上司に迷惑かかるから……怖いし……


「…………」


身体が気持ち悪い、ローブは、鼻水とかで汚れてるし、シャワーしてないからな……


「……臭いよな……最悪だな……シャワー浴びてくか……」


ケイゴは、ギルドを目指し歩いた。





「よう……」


「……おはようございます」


なんだろう……おっさんの元気がない……


ケイゴは、串焼きの屋台に寄った。


「…………5本だろ?」


「あ、はい……」


おっさんは、やる気無さそうに焼く……何かあったんだろうか……


「なぁ……」


串焼きのおっさんは、死んだ目で俺を見た。


「はい! 何でしょうか?」


「……料理教えろと言われたんだが……」


「……えっ?? 誰にですか?」


「娘に決まってんだろうが!」


おっさんは、怒鳴る。


「は、はい! すいません!」


……分かるか! 何となく察したけども……


「普段何もしないあの娘が……家事全部やるって言いやがった……こいつはどういう事だと思う?!」


おっさんは、こちらを目で殺す勢いで言う。


「…………親孝行ですかね?」


……好きな人が出来た可能性も大きいかな……好きな人か……


「だよな? そうだよな?」


おっさんの食い気味に聞く。


「え、ええ……でも、花嫁修行の可能性もあるのでは?」


「んぁ?」


おっさんが俺を睨んだ……やべ! 言わなきゃよかった……


「60年はえ〜んだ……昔は清楚系と言われててな……パパ〜てよくこの屋台に来ていたんだがよ……大きくなってから化粧も濃くなって……それでも可愛いんだが……それでな?……」


この後、30分くらい、俺はそのノエちゃんの事を聞かされた……


相当可愛いらしい……会いたくなったかも……


「……そんなノエは、誰にもやらん」


「……そ、そうですか」


……結局、結婚させたくないのね……あらまぁ……


「……ほら、5本な」


最初出会った時より、元気になったおっさんが串焼きを渡して来た。


「えっ? 2本食べたんで、3本じゃ……」


「……まぁ貰っとけ……娘に料理教えた方がいいんだろ?」


「……ええ、親孝行したい気持ちを無下にしちゃいけないと思いますし……」


「……だな……言っとくが、ノエは……デブが嫌いだからな? お前は絶対にノエは選ばんわけだ♪ 安心するなぁ? お前の太り加減にヨォ♪」


おっさんは、すごく上機嫌だ……そっすか、良かったですね……期待してねーし!


「……じゃあな! 頑張れや、何があったか知らんが」


串焼きのおっさんは、笑顔のまま言う。


「……えっ?」


「そんな顔してたら誰だってわかる。もっとシャキッとしろや、もしかして失恋か? そうなんだろ? ん?」


おっさんは、嬉しそうに聞く。


「…………」


ケイゴは、下を向く。


「……そうかい……


……俺の妻と出会ったのはここだ……」


おっさんは、語り始める。


「…………」


ケイゴは、おっさんの顔を見た。


「……三度告白して振られたよ……お前はどうだ?」


「……まだしてないです……」


……出来るはずもない……許されないんだから……


「……諦めたらダメだぜ? 告白して振られた次の日に、また来てよ?


あなたの串焼きは好き……なんて言いやがって……傷つくわチキショウ」


おっさんは、嬉しそうに言う。


「…………」


「……その後も何度か来たから、その度に告白して今は、ノエがいる……


……振られて諦めるより、告白をためらう方がいけねー……後悔するからな」


「……後悔……」


「……わかったら、消えな! 邪魔だ」


「はい、また来ます」


「……おう!」


おっさんは、ニシシと笑いながら答えた。


ケイゴは、屋台から離れ歩く。


「……告白か……振られてたな俺……」


ケイゴは、ギルドを目指す。






「…………」


……ギルドに着いた……けど、扉が開けねー


「……いやね? 久しぶりだから……」


……受付嬢ちゃんに合わせる顔ないしなぁ……えい!


ケイゴは、ギルドの扉を開け入った。


「…………」


ケイゴの入ってくる音で、受付嬢達がこちらを見てまた仕事に戻る。


「…………」


この瞬間がいつもドキッとする……


そして、横目で俺は、受付嬢ちゃんを見ると……


「…………」


受付嬢ちゃんは、こっちをガン見していた。


「……うぉ……」


……こっち見てるよな……あれは確実に……一応後ろ確認するか……


……ですよね〜扉入って直ぐですもんね〜


誰もいなかった。


「…………」


ケイゴは、ビクビクしながら受付嬢ちゃんの方に……は行かずに休憩所に座った。


「…………」


……ふ〜一旦落ち着こう……何だろう、俺から女性の脚をジッと見る事はあったけど、女性の方からガン見されるのは、なんかドキッ! とする……バグバクしてきたわ……


ケイゴが、受付嬢ちゃんの目を避けるように隣を見ると……漆黒鎧さんがこちらを見ていた。


「うおうぁぁ!!」


ケイゴは、びっくりしすぎて椅子から落ちる。


「おはよう、ケイゴ君、びっくりさせてしまってすまない」


漆黒鎧さんは、姿勢を変えずにケイゴに言う。


「……い、いや……大丈夫です……」


……ねぇ〜この人さ? ワザとやってね? 俺が気配気づけないの知っててやってるよね? これさ〜酷くね?


「……ふ〜む、ギルドに来たのはシャワー浴びにかな?」


何事も無かったかのように続ける漆黒鎧さん……少し声が嬉しそう……ぜってぇワザとだなこれは……


「……はい、そうです」


「話したい事があるから、先に綺麗にしてから来てくれるかい?」


「……はい、わかりました……」


……何故この人は、俺に話しかけてくるのか……よくわからん……変な人なんだろう……人の事言えんが……だって俺だぜ?


「タプはあるかい? 私がまた貸そうか?」


「い、いえ! あります、それと……この前は、ありがとうございました!」


ケイゴは、5銅タプを取り出して渡す。


「ふっ、いいよ別に、ちゃんと稼げてるようじゃないか」


「……はい、屋敷の掃除が今日で終わりそうですから」


「ほう……ふむ……そうか……」


漆黒鎧さんは、顎に手を持っていくと頷いていた。


「……? じゃあ行きます」


「あぁ……」


俺は、シャワー室を目指す……横目で受付嬢ちゃんを見るが、目が会う事はなかった。






「……ふ〜」


ケイゴはシャワーを浴び綺麗になった事で、気分も幾分楽になった。


「……先払っとかないとな、忘れるから……」


俺は、ギャルっぽいちゃんの受付に行く……近くに寄るのはダメだからな……


「……おはようっす!」


「え、あ、おはようございます」


俺が、受付によるといきなり挨拶された。


「どうしたんすか? こっちの受付に来るなんて」


ギャルっぽいちゃんは、受付嬢ちゃんの方をチラッと見てから、俺の目をジッと見て言う。


「え、ええと……近かったんで……」


……この人……男の人に襲われて辛い思いしたはずなのに……俺とこんな風に話せれるなんて……強がっているんだなぁ……


「そうっすか、じゃあ、何の用すか?」


「シャワー借りたので、5銅タプを……」


俺は、5銅タプを取り出して渡す。


「あーそう言う事っすね……確かに5銅タプっすね」


俺が机の上に置こうとしたら、手のひらを俺の手の下に入れられたので、タプを落として渡した。


「……じゃあ……ありがとうございました」


俺は、その場を去ろうとしたら……


「ちょっと待つっす……


あの時は、ありがとうございました」


ギャルっぽいちゃんは、俺を呼んで、振り返った後、続けて言うと、頭を下げた。


「……え? いや……そんな……自分じゃなくてブレイクさんがいたから……」


……あれは別に……俺じゃなくてブレイクさんが助けたんだし……


「そうっすけど……助けてくれようとしてくれましたから……一応っすよ♪」


ギャルっぽいちゃんは、頭をあげるとニィー♪ と笑った。


「……無事で良かったです……」


……一応……ね……ふっ……


「それと、先輩にも話しかけてやってください……ケイゴさん」


ギャルっぽいちゃんは笑みから、素の顔になると言う。


「……えっ……」


「心配してたっすから……それだけですけど……じゃあこれで終わりっすからお疲れっす」


「……あ、はい……」


ギャルっぽいちゃんは、そう言うと、席に座りなおし、仕事をし始めた。


「…………」


ケイゴは、数秒固まってから、その場を離れた。


「…………」


ケイゴは、無表情のまま漆黒鎧さんの所に行った。







「いきなりで悪いが、場所を移動しよう」


「……あ、はい」


俺が漆黒鎧さんの所に着くや否や、そう切り出してきた。


「……大事な話だからな、個室を借りたからそこで話す」


漆黒鎧さんは、席を立つと歩きながらそう言った。


「……そうですか……」


……何で? 俺に大事な話って……訳わかんないんだけど……なんか悪い事でもしたとか?


……もしかして……路上生活してるから?


「…………」


「…………」


その後は無言で、その個室に着いた。


「……じゃあ先に座って待っといてくれ」


「……あ、はい、わかりました」


漆黒鎧さんは、扉を開いてくれた状態で俺にそう言うので、俺は部屋に入り答えると扉から手を離し、漆黒鎧さんは、どこかに行ってしまった。


「……俺……捕まっちゃうとか?」


ケイゴは、応接室と思われる部屋のソファに座り呟いた。


コンコン


漆黒鎧さんが去って少し経った後、扉をノックする音が聞こえた。


「……どうぞ」


ケイゴは、背筋を伸ばし、自分の身が潔白である事を今更ながらに主張する様に座った。


「……失礼します」


すると、女性の……それも知っている声が聞こえ、その人が入って来た。


「っ!! ……」


ケイゴは、その人の顔を見た。


「……ケイゴさん、お久しぶりです……」


入って来た人物は……受付嬢ちゃんだった。

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