星が……
「…………」
ケイゴは、自分の地に向かっていた。
「…………」
フードを深く被り、ポケットに手を突っ込み下を向いてゆっくりと……
「…………」
シロフワさんが、ケイゴの頭の近くをゆっくり回っていた。
「…………」
ケイゴの姿を見た人達は、何度かケイゴを見る……と言うより、シロフワさんの回転に合わせて顔を動かしていた。
「…………」
掃除が終わった後、招き猫で呼んだ黒執事からタプを受け取り、タプをバックに全部、ザツに突っ込んだので、ガシャガシャとバックが音を立てていた。
「……チッ!」
ケイゴは、舌打ちをした。
「……はぁ……」
直ぐに溜息を吐き、バックを下ろしてタプを入れ直して、また背負った後歩き出す。
しかし……
ガシャ……ガシャ……と、まだ音がする。
「……もういいや……」
その後、ケイゴはその音を無視して、いつもの地に着いた。
ガシャッ!
ケイゴは、雑にバックを置くと壁に寄りかかって座った。
「…………疲れたぁ……」
ケイゴは、座禅で、空を見上げながら呟く。
「……星って、この異世界にもちゃんとあって……とても綺麗なんだよな……」
ケイゴの周辺は、あまり明るくは無いので、星が綺麗に見れた。
「……星が欲しい……なんてな?」
ケイゴは、面白くも無いのに、ニヤッとした。
「……俺……初めてだからさ……言えないはずなんだよ……あんな事……」
ケイゴは、ずっと空を見ている。
「……だってそうだろ? 俺は、人と関わる事が苦手で嫌なんだから……どうせ、俺といたって楽しいなんて思えないだろ? 話しかけても曖昧な返事しかしないし……アニメや漫画の話だって、俺は……ほとんどすぐ忘れちゃうんだぜ? 思い出せたり、知っていた事でも、話すの苦手だから言えないし……」
「……こんな俺が……パーティ組もうなんて……本当……おこがましいよ……」
ケイゴの目が潤む。
「……俺は男だ……でも……デブスなんだ……弱いし、すぐ泣くし……頭わりーし……
俺じゃダメなんだよ……イケメンじゃなきゃ……そうだろ? 絶対そうだろ……ね? 盾師匠……」
ケイゴの目から涙が流れた。
「……なんでイケメンがあそこにいないんだ……彼女を救ってよ! なんでいないんだよ……こういう時、救い出すのはカッコいい人だろ? 俺じゃ無理だから……」
ケイゴは、下を向く。
「……俺……だからいけないんだろ?
……俺……初めてだったんだよ? 告白……別に好きって意味のやつじゃ無いけど……確かに嫌いじゃ無いけど……それでも……
……女性を誘うの……」
ケイゴは、袖で涙を拭う。
「……はぁ……告白なんて一生する事ないと思ってたんだけどね?」
ケイゴは、顔を上げ、悲しげに笑む。
「…………明日、会う時どうしよう……明日は行かないでいいかなぁ……気まずくなっちゃったし……よくアニメとかでも、告白失敗した後の感じ見てたし……きっと同じなんだろう……」
ケイゴは、昔見た、アニメのそのシーンを思い出していた。
「……パーティに誘えなかったから、俺は、彼女を見捨てるのかよ……なんて、ひでぇ〜奴なんだよ……」
弱い事は、悪いことではないわ……何故なら、勝てないかも知れないと思えるという事は……負けそうになった時、逃げる選択肢を選べるから……
……逃げる……選択肢……
……守るか……逃げるかをね?
「……守るか……逃げる……
……俺は……逃げたい……だって、守りたいから、パーティに誘ったのに……断られたんだよ?」
ケイゴは、眉間にしわを寄せる。
……私は、最強の盾士を目指していた……ずっと昔に……ケイゴ、貴方はどんな盾士になりたい?
……大切な人達を守れる盾士に……それだけです
「…………」
ケイゴは、頭をぐしゃぐしゃと、かく。
「……くそ! どうしたらいいんだよ……そりゃ〜言ったよ? 守りたいって……でも……ぬぁぁぁ〜!! もうどうしたらいいんだよ……」
ケイゴは、頭を壁に軽くぶつける。
すると……
「……俺らにタプを渡せばいいんだよ♪」
「……えっ?……………そん……な……」
ケイゴは、声のした方を向くとそこには……
デブ、ガタイ男そして……ナイフ男が、笑ってそう言っていた。




