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今回短いです。次回は長めかな?
「ナチ!!」
建物の上から焦って顔を覗かせたユマとリクトが安心したような顔をしている。
「ホオに言われてきた」
バランスを崩した少女は、駆けつけたナチによって抱きとめられていた。
今は意識がないのか眠っているのか、とりあえず目をとじている。
「よかった…いくら俺らでも間に合わなかったからな」
「もう本当に焦ったよー!」
「『あいつらじゃ心配だし、 ナチいってきてくんない?』」
「はぁ!?」
「ね、じゃあはやく帰ろっ。ナチ、今降りてくから待ってね」
そういって何かを唱えてゆっくりと降りてきたリクトとユマ。
「その子さぁ、ずっと建物の屋上から屋上に跳び移って逃げて、もう大変だったんだー」
「回し蹴りしてくるしな…」
3人で歩きながら話す。
「でも、シオンが嗅がせた薬のせいで眠気が不規則的に襲ってきてたっぽくて、跳び移る瞬間にそれが重なったんだよね、多分」
「俺らが振り切られてすぐだったから、落ちた時には距離があって」
「あ、猫…」
「聞けよ!!!」
いつの間にかナチは道端からこちらを見上げていた猫を見返していた。
「そういえば、落ちてきたところを受け止めた時…一瞬光った気がした…」
猫を見返したままナチが呟く。
「え!?」
「気のせいかもしれないけど」
「確信ないのかよ…あ、ナチ、俺が持つか?」
「いや、あんま重くないし大丈夫…」
「そうか?」
「本当に光ったんなら、仲間ってことだよね…?」
「まぁな…ま、こいつが起きたら聞けばいい」
「そーだねっ」
「おいナチ、いつまで猫見てんだ!行くぞ!」