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童話契約物語  作者: ia
序章
4/30

3

 

 パチ。


 まず目を開けて最初に映ったのは無機質に光っている蛍光灯。

 それを見てここは自分の部屋ではない事を悟る。


 ではここは?

 自分の体を起こして周囲を見渡す。

 黒で統一された無駄なものが一切ない部屋。

 私が今まで寝ていたのは黒い革張りのソファーの上だった。


「…あ」


 だんだん覚醒してくる脳。そして思い出した。


「PHANTOMS…」


 拉致られた、ということだろうか? いやそれしかないが。


「いやでも、仲間探し、って言ってなかった…?」


そういえば何の?もしかして、あの黒フードマントで夜に町を練り歩く仲間とか!?

え、じゃあ、その仲間に、選ばれたの!?


 …。あああ、寝起きの頭で考えるものじゃないな。

あらぬ方向に思考がとんでしまう。

とりあえず今しなきゃいけないのは、



「誰かが来る前に逃げなきゃ…」


私は夜にそんな格好をしている暇などない。


部屋を見渡し状況を確認する。


 扉は明らか怪しい。これは出た途端、バレて捕まる可能性がある。何人いるのかわからない以上そんな正規ルートからは出ない方がいいだろう。

 運良く窓があったので、そこを覗くと、目の前にコンクリートが広がっていた。どうやらこの建物も隣の建物もビルらしい。


 私がいる建物と隣の建物の間には人が2人腕を広げたくらいの間があり、まぁいわゆる路地裏になっていた。

 左側、建物と建物の間には垂直に道が通っているのが見えており、その向こうに海が見える。

 右側は行き止まり。

 ちなみにここは5階建ての4階。屋上もあるようだ。


 普通の女子ならここで脱出不可能だと思うだろう。

 だが、生憎私は普通の女子ではない。


 この部屋は土足でもいけたらしく、靴は履いたままだ。外国の家みたいだな…


 もう1度高さを確かめる。5階建ての4階…10mくらいだろうか。



「うん、イケる」



 窓を飛び降りる。そして自分がさっきまでいた建物の壁を強く蹴る。

 そして反動で向こうの建物までいき、その建物の壁も蹴る。


 こうして繰り返していくと、あーら不思議でもない。



「地面にとうちゃーく」



 ここがどこかはわからないけど、とりあえず逃げますか。


 そう思って足を道が見える方向へ進める。


 いつ誰かが戻ってくるかもわからないし、はやく行かないと「ああああああああぁぁぁぁあぁ!?」


 …恐る恐る、声のした左斜め後ろ上方を見ると。


 パチッ…


 ちょうど窓から身を乗り出した少年ー私と同じくらいーと目が合った。



「「………」」



 よし、逃げよ。


 そう思い私が通路に向けて走り出したのと、その少年がもう1度叫んだのは同時だった。



「ににににに、逃げたああぁぁあぁ!!!」



「はぁ? ユマ、ここ4階だぞ、逃げれる訳ーーーって、いねぇぇええぇえ!!!」



 騒がしいな。


 まぁすぐ撒けそうだし、この後どうするかーー



 どんっ!



「わっ!?」



 前へ視線を戻した瞬間、何かにぶつかった。

 幸い咄嗟に足で踏ん張ったので突き飛ばされることはなかったが。


 え、この先は通路だったはず…


 目線を上にあげると、やけに整った顔、黄色い目、そして白髪が目に止まった。

 老人? コスプレ? てかそれ以前にすごい美形だな…


 ま、今はそんなコスプレ美形どうでもいいんだけど。

 とりあえず急がなければ。



「すいませんでしたっ」



 そう言い、よけて通路に出ようとすると



「あっ、ナチ!!! その子、捕まえてっ」



 上から声が聞こえてきた。仲間だったのか…!


 ナチと呼ばれたヤツが腕を掴もうとするが、もう遅い。


 私は振り切って通路に出た。左側には今まで拉致られていた建物があるので、右側の方に進む。


 が。


 そこで私は信じられないものを目にした。



「えっ…!?」



 さっきのヤツが道の真ん中にたっているのだ。


 慌てて路地を確認しようとするも、



「あ、いた!」



「どうやって逃げたんだ?」



 建物からも出てきた。


 今私が選べる選択肢は

 1.目の前の1人を振り切って逃げる

 2.後ろの奴らを振り切って逃げる

 3.路地に誰もいないのを願って路地に入って逃げる


 ちなみに捕まるという選択肢はない。

 あ、でも路地行き止まりだったしな…


 ………1、いくか…


 そうと決まれば即行動。目の前のヤツが伸ばしてきた腕の下に潜り込みー



「はぁっっ!!!」



 拳を入れ込んでその隙に逃げる、はず、だった、の、だけど…



「いった!?」



 な、なにこいつの腹筋。すっごいかたい。

 確かに少し加減はしたけどさ、でもこれって…


 そう思いつつ横にステップし通り抜けようとする。

 が、相手も一緒にステップしてきて通らせてくれない。


 駄目だやっぱ3だ。全員こんなのだったらキツい。


来た道を戻り路地に入る。よしっ、誰もいない。


 そしてさっきとは逆の要領で壁をのぼり、拉致られていた建物でない方の屋上に着地する。

 危険極まりないがしょうがない。上から逃げるか。



「え、誰もいない!?」



「馬鹿、上!」



「え!? 壁を素手で登れて糸が手から出てくる赤スーツの某ヒーローみたい!!!」



 長い。


 まぁいい、もうこれで追いかけられな…


 は…?


 ここで私は奇跡を見た。いや怪奇現象か。


 目の前にまたしてもあいつ(名前忘れた)がいるのだ。


 なんで!? 三つ子!? 三つ子なのか!?


脱出の仕方が無理矢理ですが気にしないでください…!

※現実ではできません。真似しないでください。


次回当たりから時系列がゴチャゴチャする予感…

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