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童話契約物語  作者: ia
第1章
27/30

26

 




「…ねぇ、僕、なんかと契約したい!」



 話が一段落ついたところで、そわそわとしていたユマが口を開いた。



「あ!じゃあ店のあの瓶とかが説明してたやつか!ここはそれを売る店…」


「能力屋って呼ばれてるよぉ~…ところで今更だけど、その人は起こさなくていいの~?」



 能力屋の視線は壁に背を預け眠っているナチに向けられている。



「あぁ…いつもだ。おいナチ!起きろ!」



 シオンが揺らすと少しだけ目を開けた。が、まだ眠そうにその瞼はまた閉じようとする。



「寝るな!聞いとけ!」


「………」


「ねぇ、あの小瓶とかって、いくらぐらいするの?」


「ものにもよるかな~。有名な話とか誰が使っても基本強いとされるものは高いしね~。あ、でも、どの物語の登場人物も、使う人と育成次第で強くなるからね要は相性だよ!」


「これって、各キャラクター1人につき1人の契約者しかだめなのー?」


「うんそうだよ~」


「ん!?じゃあもう強いのとかはないんじゃねぇの!?」


「いやぁ、契約者とうまくいかずに契約を切ったり逃げたりするのもいるからねぇ~。

 常時入れ替わったりしているよ?あ、大切なことを言っておくよ。この登場人物達はあくまで協力してくれているだけであって、決してこちらの立場の方が上とか、そういうのはないからね?それに、物語の中の人物と言ってもそれぞれ性格はあるし自我もある。僕らと同じように考えるし、感じるし、傷つくんだ。そこらへんしっかりわかっておいてね?」



 声の高さこそ変わらなかったが、真剣に言っているのは5人にはわかった。



「わかった。しっかりわきまえるよ」


「よろしくねぇ~。あ、あと、ここでは円は使えないよぉ~」


「え!?どういうこと!?」



 さらっと言った能力屋の言葉に室内に衝撃が走る。



「こういうところでの通貨はポト。ケリオスを倒すことで貯まるよぉ。強いケリオス程多くのポトが貯まるから、頑張って倒すのをオススメするよ。まぁ円からポトへの一方通行だけなら出来るけど、交換比率悪いからおすすめしないよ~。てことで、君達には、はいこれ」


「なにこれ?」



 どこからか取り出したものを1人ずつに配る能力屋。

 各々の手元には小さい長方形の機械のようなものが渡った。



「カウンターだよ~。そこにいくら溜まったか表示されるんだ。これまで君達が倒してきた分が今表示されてると思うよ~。一応それはホワイト全員に配ってるやつだからその表示しかされないけど、ポトで買えば他の機能もついたやつが買えるよ~。今は初めて持ったやつだから自動で認証したけど、落としたり取られたりしたら今までのそこに入ってるお金はそのカウンターにもう内蔵されてるから戻らないからね~。絶対、なくしたりしちゃ駄目だよ?」


「わかった!」



 カウンターを渡され明らかにテンションが上がったユマに対しホオは表示された数字を見て「これって高いのかな…?」と呟き考え出している。



「あと、ホワイトの主な戦い方を言っておくねぇ。大体のホワイトはキャラと契約してキャラを出して戦うんだけど、キャラを支援として召喚・付与して主に自分で戦うホワイトもいるよ。もし自分で武器を選びたいなら武器屋に行くことをおすすめするよぉ~」


「武器屋!?」


「一応住所教えておこうか~」



 途端に色めき立つPHANTOMSに苦笑いした能力屋はシオンの持っていたノートにさらさらと武器屋の住所を書いた。



「僕強いキャラクターが欲しいんだけど、どんなのが万人に使いやすいの?」


「一般的にだけど、姫系は大体強いねぇ。あとは太郎系とか?それに関しては君達ラッキー!今いい商品が大量入荷したとこなんだよ~!!特別にまけてあげるから買ってかない~??」


「このポトで買えるのか?」


「それだけあれば大体買えると思うよ~!」


「やったぁ!見に行こ見に行こ!!」


「これ…後でもう1回整理しなきゃなぁ…」



 はしゃぐホオとユマに、この短時間で大量の文字で埋め尽くされたページを見て唸るシオン。





 ーーーかくして5人はずっと望んでいた情報を提供してもらい、更にはキャラを買い、契約をすることとなった。


 なんだかんだ言いながら情報を得るための有益な情報をくれた彼女には感謝しなければならない。


 だが、それとは別に。



「……………?」



 シオンの中では小さくではあるが言葉にできない違和感が渦巻いていた…








これにて一章終了です!

途中間だいぶ空いてしまってすいません!

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