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設定資料 その3 魔術関連

 ネタバレ注意。これは作中の設定を補完する為の物です。ですので中盤まで明かされない設定が解説されていますので、未読の方はスルーをお願いします。

 著者まとめ用に近い資料をとりあえず纏めてみた物です。主に著者が見直す為の資料に近いので、簡易なのはご勘弁を。もし疑問があれば、感想欄の方にてご質問頂ければ。要望があれば、追加でこちらに説明を記載します。


 こっちは魔術系統の資料です。多分こっちは自発的には追記はしないです。



 魔術関連の簡易纏め


 ――――基本


 魔術は基本的に下級・中級・上級の三段階に分けられる。そこから更に難易度に応じて更に下位・中位・上位の三段階に分ける事もある。なのでこの分類に当て嵌めてみると、各属性は9つの段階に分ける事出来る。


 とは言え、これはあくまでも数の多い攻撃魔術に関して言える事で、基本的に治療を目的にした魔術や身体能力の向上を目的とした魔術の場合、そもそもの母数となる魔術の数や同じ位階だと難易度にそこまでの差が生まれない――方向性の差が大きいだけの為――事もあり、位階による差を生まず単に等級でしか分けられていない場合もある。


 更には転移術の系統のように、そもそも習得難易度が最低でも中級、上級しか存在しない場合に限って言えばこの分類分けからも外れた魔術も一部存在している。


 これについては、その魔術の系統に応じて、と考えるのが最適。


 更にこの三級に加えて、古代文明が開発したとされる『古代魔術(エンシェント・スペル)』というものもある。これは現代の魔術とは系統が別になる上、既に滅びた文明故に上記の等級に含められる事はない。


 が、これはあくまでも古代文明が開発した物ということで一括りにされているだけで、実際には難易度はピンきりになる。


 なので古代文明が使った生活用の簡易な魔術が発見された場合、現代の等級では下級魔術の下位に位置していても、『古代魔術(エンシェント・スペル)』に属するという事になる。



 ――――魔術と魔法


 魔法。これは魔術より更に上に属する術技の総称。そして魔法とは魔術と根本から異なる物でもある。


 端的に言えば魔法とは魔力、即ち意思の力を以って世界のシステムを改変する術技の事を総じた物だ。


 その差を端的に言い表せば、魔術とは『魔を以って現実を改変する』のに対して、魔法とは『魔を以って世界の法則を改変する』という所。結果が同じであっても、過程は大きく異なる。


 システムを使って結果を起こすのと、システムを改変して結果を起こすと言う感じ。あくまでも魔術がシステムに則って結果を起こしているのに対して、魔法は世界そのものを改変して結果を創り出しているのである。


 魔法は総じて神の領域と言っても良い。


 それ故、使い手は数百年から数千年に一人の領域。文明によっては滅びるまで魔法の存在を誰一人として知らない、という事も起こり得る。


 あまりの難易度故に、そこまでたどり着けないのだ。天才でも足りず、大天才でも足りない。それを更に超えて、ある種の変人の領域にたどり着かねばならないのである。


 並外れた才覚だけでなく並外れた情熱も備わってはじめて、到達出来る領域なのである。



 ――――詠唱について


 基本的には、本作にも魔術の詠唱というものは存在している。詠唱は言葉を通じて己を魔術に最適な精神状態、謂わば自己暗示によるトランス状態の様な状態に陥らせるのを補佐すると共に、声に乗せた魔力を使って周囲の魔術的な場を改変してやるわけである。


 とは言え、これは逆説的に言えば魔術的に場を改変しなければ使えない、と露呈しているようなものでもある。敵が何かをしてくるのが分かって、妨害しないはずが無いだろう。


 それ故、詠唱は作中では使用される事は殆ど無いない。そしてあったとしても、どんな高度な魔術だろうと一小節程度が殆どとなる。


 なので作中でも何小節にも及ぶ長い詠唱は存在するが、使用される事は殆ど無い。と言うより、皆無と断じて良い。


 そもそも無詠唱でなければその魔術を戦闘で使用できると見做されない、というのがエネフィアでの基本的な考え方である。ギリギリ、一小節ならまだ良しと言われる領域だ。


 上に行けば行くほどコンマ数秒で争う戦いになる。なのにそんな短くとも数秒、長ければ十数秒、何十秒も詠唱を必要とする大規模な魔術を使う暇なぞあり得るはずがない。


 相手は魔術師だけではない。剣士は剣を振るうだけでこちらを殺せるのだから、当然だろう。詠唱中は当然、場の改変をしているのだから身動きなぞ取れるはずもない。近づかれて終わりなのだ。


 そして動けるのなら、そもそも詠唱なぞ必要ないだろう。場の改変が必要無いのだから、留まる意味が無いのだ。


 よしんば前線に信頼のおける戦士を連れていたとて、敵も集団になればそれを全て食い止められるという事は有り得ないだろう。詠唱させて貰える事は有り得ない。最低でも、カイトクラスの莫大な魔力と特異な性質を背景にするクラスの殲滅力が要求されてくる。


 妙な話だが、もしそれを魔術師で補おうとすれば大規模な魔術を使う為に低威力かつ発動速度に優れた魔術で詠唱を支援する必要があるのだ。


 そして敵一人を殺す為だけにそんな長々と詠唱が必要な魔術を使う意味は殆ど無いだろう。高威力かつ広範囲な魔術程、使うのが困難になる。そしてそういう物ほど、詠唱の必要性が出て来るだろう。


 敵単体であれば高威力でも小範囲で良いのだ。何かを限定するだけで魔術の複雑さはがくん、と落ちる。そして複雑さが低下すれば魔術の難易度は下がり、詠唱の必要性は格段に低くなる。


 なので発動に準備が必要な高威力の魔術を使うより、低威力でも無詠唱で使える魔術を使って詠唱を妨害した方が遥かに良いだろう。


 しかも低難易度の魔術に可能な限り魔力を込めて力技で敵の障壁をぶち抜いた方が遥かに早いし、確実に敵を倒せるわけである。


 よしんば詠唱をする様な魔術があっても、そんなのを使うぐらいならば無詠唱で使える魔術を使って近接の戦士の補佐をして、そいつらに敵を殺させた方が遥かに安全なのである。


 もしそれでも詠唱をするとなると、それは敵が通常の近接攻撃では殺せない特殊な力を持ち合わせた相手であり、近接の戦士に無効化を無効化して戦える技量が備わっていない場合で、なおかつ魔術師がそんな相手に対応可能な魔術を使おうにも術者の技量以上であった場合だけだ。


 が、この状況に追い込まれた時点で近接戦闘を行っている戦士の技量は察するにあまりあり、壊滅は必須の状況と断じて良いだろう。


 彼我の力量差は歴然で、前線が堪えられる事は有り得ないだろう。よほど相手が余裕を見せていない限りは、詠唱の暇を与えてくれる事はやはり無いだろう。


 というわけで、本作ではファンタジーにありがちな詠唱はほぼ使用されないわけだ。戦闘中に詠唱するのは素人と断じるしかないからだ。


 勿論、これを逆手に取って戦う事も可能だ。なのでもし詠唱をしたとしても、それを一概にバカと言う事は出来ない。そこは、その時と場合、術者の技量と使う魔術の領域に応じて、という所だろう。




 ――――魔術の簡単な分類分け


 以下、八属性の簡易な特徴を分類しておく。なお、これらはあくまでも単独の属性の場合に限る。また、範囲に言及しているがそれはあくまでも最低限度の威力で発動させた場合のみに限られる。


 なのでそれを遥かに超えて魔力を大量に注ぎ込んで範囲や威力を拡大させ、単独攻撃の筈の攻撃を範囲攻撃のようにする事も可能。


・炎属性魔術

 基本的には高火力かつ比較的広範囲の魔術が多い。


 範囲に関しては単独から広範囲に渡る等多岐に渡る。が、同時に火という属性故か天候に影響させたりする様な超大規模な魔術は滅多に存在しない。


 攻撃以外に目を向けると、体内の活力を活性化させる事で身体能力を増強し、行動を補佐してやる様な魔術が多い。


・水属性魔術

 基本的には低火力かつ広範囲の魔術が多い。


 人体の大半が水で構成されている事もありそれを応用した治癒系統の魔術もかなり含まれる。が、それ以外の身体能力を向上させる様な魔術は多くない。



・風属性魔術

 基本的には、発動速度に優れた魔術が多い。低火力。


 範囲の面では単独を相手にする魔術よりも広範囲に影響を及ぼす魔術が多い。攻撃方法も風刃等に限られる為、基本的には水属性と同じく低火力。


 攻撃系統以外に目を向けると、火属性と同じく身体の動きを外側から補佐する事で高速化を手助けする様な補助系統の魔術が多い。



・土属性魔術

 基本的には高火力かつ低範囲。発動速度は遅め。


 更には人体を構築する上で水に続いて土属性の割合が高い為、新陳代謝等とは別、失った部位を補完する方向性からの治癒系統の魔術も存在する。




 以上が基本四属性。以下は複合・高位属性になる為、基本的には同等級でも上記4つよりも発動難易度は高い。


・氷属性魔術

 基本的には、高火力かつ低範囲。発動速度は普通。


 氷という属性の性質故か、敵の動きを阻害したり封じたりする様な搦手が得意な属性。属性が属性故に行動を阻害する事に特化している故か、攻撃・妨害以外で使われる事は無いのも特徴といえば特徴。



・雷属性魔術

 基本的には高火力かつ広範囲。更には発動速度に優れた魔術がかなり多い。


 とは言え、それ故に一瞬で発動してしまう為、様々な面から魔術の難易度としてはかなり困難な物が多い。敢えて言えば玄人向け。それ故に好むという好き者も居る。


 雷ということで身体性能の向上に関しては、反射神経の高速化や行動の加速等風属性に似た方向性が強い。が、こちらもやはり術の困難さ、制御の難しさ等があり雷属性の補助魔術を使われる事はあまりない。やはりこちらも玄人向け。



・光属性魔術

 基本的には低火力かつ広範囲。下級魔術の中では複合・高位属性では一番簡単な魔術が多い。基本4属性にも比較しうる簡単さ。


 とは言え下級魔術も下位になると攻撃魔術が存在していないとさえ言える程、攻撃力が皆無。その分、習得は非常に容易だし安全。


 が、上級にたどり着くと状況は一変。難易度も一気に難しくなると共に、超高火力かつ広範囲の魔術が多くなる。更にはこの属性の特質として、アンデット系統の魔物に対して特段の火力を有する魔術が非常に多い。


 更には火属性に似た性質を持ち合わせており、身体能力を増強する事も可能。器用な属性と言える。



・闇属性魔術

 基本的には高火力かつ広範囲。どの等級でも習得の困難さは高く、素人向けとは言い難い。雷属性と双璧を為す困難さ。下級の習得が容易な光属性とは正反対と言っても過言ではない。


 搦手も得意と攻撃にかなり特化した属性。が、それ故に補助する魔術もやはり得意ではない。性質上敵の攻撃を取り込むという事が可能な程度。とは言え、これも搦手といえば搦手か。



 これが、基本的には属性魔術と呼ばれる8系統の魔術となる。発動速度等は基本的には無詠唱で行使される事になる為、コンマ数秒を更に下回りコンマゼロ何秒という領域になる。


 魔術の王という意味で魔王と呼ばれる程に極めれば、もはや差は無いと断じて良い領域にたどり着けるだろう。


 なのであくまでも発動速度に差はあるが、それは敢えて気にする必要ではないと断じて良い。



 それ以外にも無属性魔術というこれら8属性に属しない魔術も存在している


・無属性魔術

 これについては、基本的な性質という物は存在しない。無属性は無属性。属性を持たないというだけに過ぎない。


 それ故に難易度も一概には言い得ず、更には範囲や火力も基準とする物は無い。その開発者次第でどうにでも出来る属性と言っても良い。


 とは言え、明確な利点として、属性攻撃を無効化する様な超上位の戦士には唯一対策無しに通用する、という点がある。


 この領域になると属性攻撃を無効化する特殊能力を持つ者が多い為、属性攻撃を使用すれば逆に敵に魔力を補給させたりする結果にしかならない。


 が、無属性であれば属性を持たない為、吸収される心配が無いのだ。


 それ故、魔術師として上位にたどり着けばたどり着く程、属性魔術を使用せず無属性を使うようになっていく。


 とは言え、逆に無属性であるということは相手の弱点を突けないという事でもあり、対人戦ならまだしも対魔物戦闘であればそれがデメリットにも成り得る。故に彼らも決して属性魔術を使わないわけではない。


 あくまでも対人戦では使わない、敵が未知の場合には使わない、という程度なのである。



 ――――その他の特例について

 これら以外にも、召喚魔術、降霊術等攻撃や防御、補助、治癒のどれにも属さない魔術が幾つか存在している。


 それらについては逐一取り上げないが、例えば召喚魔術のように何かを召喚して戦わせる、と言うものや上記の転移術等どれにも該当しない魔術がこれに該当している。


 これらについては、基本的には無属性魔術に属しているがそれと一括する事は出来ない。なので敢えて特例として、そういうものも存在している、とだけ記しておく。



 以上。

 更新履歴

・2018年2月12日 Version1.0 投稿

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