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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第98章 演習編

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第3957話 雷の試練編 ――戻る――

 瞬の強化のため、雷の聖域へと訪れていたカイト。そんな彼らがたどり着いた雷の聖域だが、これはカイトも見た事がないという、近未来の施設のような構造であった。そうして攻略を行う前の小休止を挟んでいたカイト達であったが、そこに響いたのは妹の浬の声であった。

 そうして宇宙港に似た場所を進んでいた一同であったが、手に入れた地図に表示される巨大ドームを目指して進むも、その到着直前にまるでこれから試練の本番と言わんばかりに幾つかの隊に分けて飛ばされる事になっていた。

 というわけで飛ばされた先で調査を重ねたカイトであったが、数個の部屋を経てたどり着いたのは謂わばコントロールルームや司令室という部屋で、他のエリアとの通信機能を備えた部屋であった。そうして司令室にて改めて施設全域の地図を入手し、その後は医務室を経由して軍の一般兵用と思しき一角へと到着していた。


「……」


 おそらく一般兵達用と思われる部屋を探すことしばらく。幾つかの部屋を調査して、としたわけであるが。結論から言うと、なんとか権限をアップデートするのだろう小型端末が見付かってはいた。見付かってはいたのだが、少し厄介な事が起きていた。


「ほいよっと!」


 カイトとの呑気な声が響いて、無数の魔弾が飛翔する。そうして先程同様に激突直前で轟く衝撃波によって小型ドロイド達の隊列が乱れて、放たれていたレーザービームや雷撃などが四方に散らばった。そしてそこを狙い定めて、ソレイユが矢を番える。


「ユリィ!」

「はいさ!」


 番えた矢にユリィが跨って、即座にソレイユが発射。そうして超音速で矢が飛んでいき、矢が守衛室の真横を通り抜ける瞬間。ユリィが矢から飛び降りて、一瞬で守衛室へと駆け込んだ。


「よし! 浬!」

「りょーかい!」


 カイトの合図を受けて、浬が床を蹴って飛空術を行使。一瞬で守衛室の前に移動する。


「カード!」


 浬が選んだのは『土』のカード。それを使って、守衛室の前に物理的な岩の壁を創り上げる。


「ま、考えりゃわかる話だわな。警備の解除なんて永続はされん。定期的にスキャンされて然るべきだわな」

「警備って一回切ったら戻らないんじゃないの?」

「んなの、警備上ヤバいだろ。定期的に復旧されてスキャンが再開される……ちょっと思った以上に時間が掛かってたな」


 どうしても壁の色々な所にまるで隠されているかのように収納が隠されていたのだ。そしてスペースそのものは広くはなかったが、収納スペースとしては思った以上に広かった。なので当初の想定より少し時間を要した結果、警備システムが再起動してしまっていたのであった。


「おー……お城の警備もそうした方が良いんじゃない?」

「面倒なことに魔術の警備システムは大半が魔術式だからなぁ……術式が一つ狂うだけで自動復元に対応していない術式の多いこと多いこと」

「ってことはこれは出来るってこと?」

「出来るんだろう。ちょいと色々と考えたい所ではあるな」


 おそらく機械式と魔術式の併用型だな。カイトは今の文明レベルに合わせて知識の水準がアップデートされていた事から、それを理解していた。というわけで、そんな彼が感心したように呟いた。


「機械式の利点はやはりその正確性と自動化。使用する動力炉は魔導炉か、縮退炉か……自動化はされているだろうが……」

「なんの話?」

「ああ、悪い悪い。気にするな」


 これだけの技術力を持っている文明だ。地球で動力源として火力発電や水力発電など色々とあるように、様々な動力源を持っている可能性は十分に考えられた。と、そんな事を話していると、警備システムの停止が終わったようだ。小型ドロイドが急に停止する。


「カイト、終わったよー」

「よし……とりあえず権限のアップデートをしちまうか」


 流石に部屋の中まではチェックされていなかったらしいのだが、通路に出た途端再稼働していた警備システムにより、自分達の侵入が露呈。小型ドロイド達の急襲を受けたのであった。そして戦闘音に気付いたユリィ達も出てきて、今に至るというわけであった。というわけで、カイトはソレイユとユリィからそれぞれの端末を回収。権限のアップデートを終わらせる。


「よし。これで4人分のアップデート完了だ。まぁ、ここまでが謂わばチュートリアルなんだろうけどさ」

「これでチュートリアルなの?」

「そりゃ、まだ敵と言える敵も出てないのに攻略もなにもあったもんじゃないだろう」

「いや、出まくってるじゃん」


 お兄ちゃん達の相手になってないだけで。浬は先程まで無数のレーザービームを撃ちまくっていた小型のドロイド達を思い出して顔を顰める。


「あれはあくまで牽制用。あの攻撃だって怪我を負わせるより、気を失わせて捕獲する事を目的としている。レーザービームは牽制、雷撃が捕縛用だろう」

「マジか」

「マジだ。無防備な一般人相手には十分脅威だが、兵士にはまだまだ足りんな……ま、それはそれとして。一旦司令室に戻るか」


 とりあえずこれで2つ目の権限を手に入れたわけで、司令室の横にあった謎の部屋には行けるはずだった。というわけで、一同は一旦来た道を戻って司令室を目指す事にするのだった。




 さて二十分ほど掛けて司令室にまで戻ってきた一同だが、それでようやく2時間が経過しようとしている、という所であった。というわけで手に入れた権限を使って部を目指してみるのだが、やはり推測通り行き止まりの部屋に繋がる通路は先程手に入れた権限で開くようになっていたようだ。


「……」


 こく。カイトは無言で頷いて、ソレイユへと視線を送る。どうやらこの先にある部屋はそこそこ重要度が高い部屋である事には間違いなかったようだ。通路の上部には明らかになにかが出てくる様子の枠があった。


『ソレイユ。オレが突入する。万が一後ろからなにかが出てきたら、一撃で壊してくれ』

『了解でーす……もう壊して良いの?』

『ここから先が本番だし、今日はここまでで完了だ。退路の確保さえ出来てしまえばそれで良い』

『了解』


 カイトの言葉に、ソレイユが弓を握る手に力を込めて、矢を番える。とはいえ、まだ引き絞りもしないし、狙いも定めない。呼吸を整えて、一瞬のタイミングを狙うのみだ。というわけで彼女の用意を横目に、カイトもまた呼吸を整えて、両者一瞬だけ視線を交える。


「っ」


 駆け抜ける事もなく、ただ堂々と歩いていく。そうして一歩、二歩、三歩と進んで、道半ばまでたどり着いた。それはちょうど枠のある場所の真下であったが、そこまでたどり着いても何も起きなかった。


「……問題……ないか?」

『いちおうこっちでも見てるけど、何も起きてないよ』

「更に進む」


 ユリィの返答に納得しつつも、カイトは更に先へと進んでいく。そうして更に進んで、ついに壁際まで到着。彼がコンソールに触れた。


「っ」


 コンソールに触れて扉が開いたその瞬間だ。それと同時にカイトの背後からなにかが開いた音が鳴り響いて、なにかが落下してくる。それに彼が一瞬で振り向いて、そして同時にソレイユが弓を完全に引き絞った状態で通路へと侵入する。


「「っ」」


 僅かにでも魔力の収束か閃光が見えれば攻撃する。そんな状態で、数瞬の時間が流れる。だがしかし、その警戒は無駄だったようだ。更に数秒の後に、カイトは降りてきた砲台が沈黙を続ける事を認めたように、警戒を解除する。


「ふぅ……砲台沈黙。流石にこいつに撃たれればやばかったかもしれんが」

「にぃで?」

「オレは別枠だ」


 降りてきたのは砲身が1メートルほどはあろうかという長大な砲台だ。技術力とこの施設のサイズ、そして使われているエネルギーを考えると、この砲台の出力は間違いなく先程の小型ドロイド達とは比較にならない事は想像に難くない。というわけで扉の開閉に合わせて現れた砲台が沈黙を続けていた事から、それを尻目にカイトは改めて開いた扉のその先へと視線を向けた。


「……なにか良くはわからんが、テレポートが出来そうだな」

「テレポート?」

「ああ、転移術の一種だ。まぁ、ゲートっぽくはないが、その一種だろう」


 とりあえずはテレポーターのようなものがある部屋までたどり着いた。カイトはそう判断して、扉の先へと足を進める。そうして入った部屋の中は少し広く、中央に台座とコンソールがあるだけであった。


「なるほど……下から浮かび上がってくる形か。対象を動かさないようにして、精度を上げているのか……?」


 やはり幾つもの高度な文明を渡り歩いていたからか、カイトの頭には色々なテレポーテーション装置が浮かんでいたようだ。そしてそれらの長所短所も彼は知っており、眼の前の光景に対してはこの文明はそういう物を選んだのだ、という程度の様子であった。というわけで危険がない、と判断した一同はテレポーテーション装置へと進んでいく。


「……これ、どうやって使うの?」

「わからんが……ああ、地図が出た。なるほど。これで行き先を指定する形か。現在許可されているのは……ここと、空港エリア……あそこにも行けるのか。それに加えて……うん? スタートポイント? ああ、一番最初の部屋か?」


 明らかに後付されたような表示に、カイトは少しだけ苦笑いを浮かべる。まぁ、空港エリアからも格納庫を経由すれば戻れはするだろうが、それでも最初の拠点まで直行出来るのならそれの方が有り難かった。

 というわけで、カイトは台座の横に据え付けられていたコンソールを操作して、行き先を最初の拠点へと指定する。すると床から円形の輪っかが浮かび上がって、一同の前に『転移門(ゲート)』を構築する。


「おぉー……こんな簡単に出来ちゃうんだ」

「流石にこの技術はウチをも遥かに超えてるなぁ……」


 どこか驚いたような、感動したような声を上げたソレイユに、カイトも少しだけ感心した様子を見せる。


「とりあえずテレポーテーション装置っぽいし、行き先を指定出来るということはこれで戻れるって事で間違いないだろう。一度戻るぞ」


 兎にも角にも今の目標は最初の拠点になんとかして戻って、休憩を取れるようにすることだ。というわけで、一同は構築された『転移門(ゲート)』を通って、なんとか最初の目標となる最初の拠点へと帰還に成功するのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

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