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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第98章 演習編

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第3951話 雷の試練編 ――再行動――

 瞬の強化のため、雷の聖域へと訪れていたカイト。そんな彼らがたどり着いた雷の聖域だが、これはカイトも見た事がないという、近未来の施設のような構造であった。そうして攻略を行う前の小休止を挟んでいたカイト達であったが、そこに響いたのは妹の浬の声であった。

 そうして宇宙港に似た場所を進んでいた一同であったが、手に入れた地図に表示される巨大ドームを目指して進むも、その到着直前にまるでこれから試練の本番と言わんばかりに幾つかの隊に分けて飛ばされる事になっていた。

 というわけで飛ばされた先で調査を重ねたカイトであったが、数個の部屋を経てたどり着いたのは謂わばコントロールルームや司令室という部屋で、他のエリアとの通信機能を備えた部屋であった。

 そうして司令室にて改めて施設全域のちずを確認。区画が最初にたどり着いた空港エリアを含め五つに分けられており、自分達が居るのがエリア1であること。エリア1から中央の巨大ドームを目指すには端末のアップデート等が必要である事を掴み、更に設けられていた通信機能を使って他のエリアに飛ばされた者達との情報共有を行っていた。


「よし……とりあえずは次の目標は決まったな」

「さっきの最初のエリアに戻れる方法?」

「ああ……まぁ、無補給かつ回復も何もなし、ってのは流石にキツい。どこかで戻れる手段かなにかは確保しておきたいからな」


 浬の問いかけに、カイトは一つ頷いて地図を再確認する。ひとまず全員の無事は確かめられたし、おおよそ全体の状況と今後の統一も出来た。しばらくは別行動が続くだろうが、そこは仕方がないと諦めるべきだった。というわけで同じように地図を見ていた浬が、一つ問いかけた。


「でもどうするの? 地図だと結構行けない所多いけど」

「そこ、なんだよなぁ……」


 浬の言葉にカイトは地図の各所を拡大する。元々わかってはいたものの、この施設はかなりの広さだ。宇宙港というよりも宇宙に設けられた中継基地というべきかもしれないというほどのサイズで、地図によると近くに簡易の歓楽街のようなものまである様子であった。

 といってももちろん、歓楽街までの道は現在封鎖されているし、今の所攻略に関係があるようには思えない。場合によってはフレーバーテキスト的にカイトは考えるべきと考えていた。


「この施設は相当広いようだ……まぁ、宇宙港まで併設されているとなると、そりゃそうだという話なんだが……多分このマークは医務室とかそういうものだと思うんだがなぁ……」


 これは試練であるが、同時に何処かの宇宙基地などの施設を模した形だというのがカイトの推測だ。というわけで地図上には何かしらのマークが幾つも表示されており、おそらくこれは施設の特記するべき部屋なのだと察せられた。この内幾つかは鍵のマークが表示されていて権限のアップデートが必要そうであったが、そのうち幾つかは行けそうではあった。


「とりあえず第一目標はこの医務室。その次は……あそこだな」

「あれ? 開かなかった扉?」


 この司令室の中で唯一鍵の掛かった扉を指さしたカイトに、浬が小首を傾げる。一応カイトが話している間に浬らは暇なので部屋の調査を行っていたわけだが、この部屋の四方に設けられた四つの扉の内一つは自分達が来た方なので除外。もう一つは巨大ドームに繋がるルートになっていたが、こちらは開かなかった。

 では残る二つはというと、片方は開いて、もう片方は開かなかった。それで地図を確認したところ、その開かなかった扉から繋がる部屋は一つだけで、開いた扉は更にエリアの深部へと繋がっている様子だった。


「そ……まぁ、完全に推測だが、エリア移動が可能なテレポーターは重要なものだ。変に色々な所に繋がっていたら敵に奪取された際にそこを拠点に色々な所が制圧されちまう。行き止まりにするべきだろう。司令室に繋がっているのもどうか、とも思うが……逆に司令室から変に遠くにしてしまうと、万が一の敵襲の際に強制遮断が難しくなる。遠くなれば遠くなるほど経由地が増えて、どこかで途絶した時点でアウトになるからな。どこにも繋がらず、唯一司令室に繋がっている、というのは万が一の場合には有用は有用だろう」


 ここはどう考えるか、というところになってしまうから確定とも言い難いが。カイトは現在自分達が保有しているよりも一つ上の権限で封鎖されているエリアを見て、少しだけ苦い顔でそう推測を開陳する。というわけで何故これがテレポータールームとでも言うべき部屋と考えられるのか、と語った兄に、しかし浬はなにか小難しい話をされた程度であった。


「ふーん……まぁ、そういうことならあそこを目指すってこと……で、医務室?」

「ああ……まぁ、ここまで広い施設だ。医務室がエリア毎にあっても不思議はないんじゃないか、という推測だ。まずそこを目指して、退路の確保。その後に次へ、が一番だろう。権限が一番低い部屋っぽいから、おそらくゲスト登録とかがされていても医務室には行けるようにされているんじゃないか、という推測。後はなんかのマークがあったから、何かしら特記する必要があると推測。幾つかある内、医務室が高確率だと推測した」

「全部推測じゃん」

「しゃーねーだろ。オレだってこの施設がどこのなにか、ってのわかってないんだし」

「まぁ、それはそっか」


 浬の指摘にカイトはどこか不貞腐れたように口をとがらせる。そもそもの話として、カイトとてこの施設に来た事があるわけでもなければ、こういった遠未来の構造物を利用した試練は経験した事がない。彼をして未知の試練なのだ。なので今やっているのはこれまでの経験を応用した攻略で、推測が多くなるのは無理もなかった。というわけでそんな兄に笑いながらも、浬も納得したようだ。


「まぁ、それだったらとりあえずはそっちに行ってみる? 割と遠いけど」


 地図を見る限りだと、幾つかの大きな部屋を経由して移動する必要があるみたいだけど。浬は表示されたままになっている地図を見ながらそう口にする。


「そうだな……とりあえず第一はこの部屋にピンを立てておこう。んで、経路を表示させて……」

「にぃー。途中の部屋はどうする? 幾つか通路の脇に小部屋あるっぽいけど」

「どうすっかね。時間は余裕を設けたっちゃ設けたが、余裕がないといえば余裕がないというところ」


 ソレイユの問いかけに、カイトは少しだけ頭を悩ませる。先に浬が言及した大きな部屋からは更に幾つか経路が分岐しており、幾つかはロックされている様子だが、幾つかは行ける様子だ。更には通路の中に部屋が設けられている事もあり、そちらを調べながら医務室を目指す、というのも一つの手だった。というわけで少しだけ悩んだ後に、彼は首を振った。


「いや、やめておこう。どうせ試練の時間は無限だ。変に欲を掻いてどこかで痛い目に遭うより、先に退路を確保しておきたい」

「りょーかい。一応部屋の中の音とかには注意しておくね」

「あいよ、頼んだ」


 ソレイユの返答に、カイトは一つ頷いた。そうして、彼はようやく立ち上がって、一同は一旦地図で表示されている医務室と思われる部屋を目指して調査を開始する事にするのだった。

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