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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第98章 演習編

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第3696話 殺し屋ギルド編 ――交戦――

 各国の暗部に蔓延り、各所で暗躍を重ねていた殺し屋ギルドという闇ギルド。それに対して昔から何度となく暗闘を繰り広げていたカイトであるが、そんな彼は自身を狙う暗殺者を捕縛した事。それに端を発する冒険者ユニオンの大改修を利用して、殺し屋ギルドへの一大攻撃を計画する。

 というわけでユニオンマスターのバルフレアを筆頭に各所の足並みを揃えるようにカイトもまた暗躍を重ねていたわけだが、その甲斐もありある程度の準備が整う事になっていた。

 そうして準備を整えデータ送信が開始された一方で、カイトは公的な冒険部ギルドマスターとしての立場から、その手伝いの依頼を受領。中支部と小支部を回る事になる。

 そんな中で1つ目の小支部でのチェックを終えて次の支部へと向かう最中。彼は殺し屋ギルドの手勢と思しき影の襲撃を受ける事になる。


「ほらよっと!」


 舞い散る火花をかき消すように、カイトは襲いかかってきた影の斬撃を双銃の下部に取り付けたナイフを振るう。それに影から斬撃が迸り、迎撃。更に多くの火花が舞い散っていく。そうして数十の斬撃が生まれては消えて、カイトは楽しげに笑いながら蹴撃を放つ。


「っと」


 流石に魔力を纏わせた蹴撃をまともに空中で受けるつもりはないか。自身の蹴撃に対して即座に空中で停止して距離を取ってきた影にカイトは笑う。そうして着地した影は一瞬停滞するも、即座に速度を上げてバイクへと肉薄する。


「さて……原理はどうなってるの、っと」


 カイトは楽しげに笑いながら、双銃を構えて再び掃射。影に向けて無数の魔弾を放つ。だがそれらはやはり影に飲まれて消えていくだけで、穴一つ空かなかった。そうして自身の放つ無数の魔弾の一切を無視して肉薄してくる影に、カイトは僅かに顔を顰める。


「ふむ……」

「何かしらのタネはありそうね」

「闇の加護やらっていうタネはなさそうだ。いやまぁ、種も仕掛けもございません、ってわけじゃないんだろうが。奇策とかそういうのじゃなさそうだな」

「そうなの?」

「ああ……だがだとすると面白いは面白いが」


 これがそうであるのなら楽しめる相手ではあるだろう。カイトは舌舐めずりしながら、迫りくる影に向けて再度双銃を構える。が、その瞬間だ。影が僅かに蠢くと、まるで弾けるように影から小さな影が飛び出して影の周囲に落着する。


「ん?」


 なんだ。カイトは引こうとしていた引き金から僅かに力を抜いて、一瞬だけ逡巡する。だがそうして彼が逡巡した瞬間、落着した小さな影が一瞬にして大きくなり元の影と同じサイズまで大型化。同じようにカイト達の追走を開始する。


「ほう……面白い事してくれんじゃん」


 試しに撃ってみるか。カイトは現れたさらなる影に向けても魔弾を掃射する。だが放たれた魔弾はやはり影に飲まれて消えるだけで、何らダメージは与えられていなかった。そうして放たれた魔弾をやはり一切無視して、影の群れがバイクへと接敵。カイトに向けて一斉に飛び掛かる。


「おっと」


 流石に巫山戯ている場合ではなさそうだな。カイトは双銃を魔糸で吊るすと、双剣を顕現。迸る無数の斬撃に向けてこちらも斬撃を放つ。そうして再度、しかし今度は数十の斬撃が四方八方で交わる事になる。


「ほっと!」


 数十度の斬撃の応酬の末、カイトはすべてを一気に薙ぎ払うように力を込めて斬撃を放つ。そうして放たれた斬撃はすべての影を吹き飛ばし、三度の追撃戦に移行させる。


「遊んでるわね」

「まぁな……だがま、少しぐらい苦戦は演じてやらにゃ向こうに疑われるし。これがちょうど良いだろう」


 エドナの指摘に対してカイトはやはり楽しげだ。そんな彼は魔糸で吊るしていた魔銃を回収し、再び銃口を影の群れに向ける。だがそうして追撃してくる影の群れに対して掃射を再開しようとしたその瞬間、カイトの真上に影が舞い降りる。


「読めてるよ、そのぐらいは」


 追撃してくる影の群れの中で一つだけ自身を狙うように息を潜めていた事なぞ、カイトにはお見通しだったらしい。迫りくる影に向け、カイトは銃口を僅かに上に上げるだけで対応する。


「ほらよ!」


 だんっ。空気の膜さえ切り裂いて、カイトの真横から数十センチほどの剣が出現。舞い降りた影へと襲い掛かる。そしてどうやら、流石に魔弾は兎も角剣そのものを飲み込む事は出来なかったようだ。

 硬質な音が鳴り響き一つ火花が舞い上がり、影が大きく吹き飛ばされる。まぁ、この通り最初から彼お得意の魔力で編んだ武器の投射をしてしまえば、接近戦なぞ不可能なわけだ。魔銃で戦っている時点で遊んでいる、というエドナの指摘は正しかった。

 というわけで端からまともに戦うつもりなぞないカイトは再び銃口を影の群れに向け、一気に掃射。ただし今度はそれに自らの魔力で編んだ武器の投射も織り交ぜ、近付けないようにコントロールする。


「なんだ。別に一箇所に集めたら融合するとかはないのか」


 武器の投射は流石に影も回避するしかなく、気付けば影の群れはほぼ一箇所に集まっていた。それに影もまた理解しているのだろうが、どうしようもないのか焦れた様子があった。というわけで先に動いたのは、影の方だった。


「ん」


 僅かに構成が組み変わったな。カイトは本体以外の影が組み変わったのを見て、おそらく本気で攻めてくると判断する。そうして影の一体が速度を上げてカイトへと肉薄してくるが、それに向けて放たれた武器に対して影は遮二無二斬りかかり切り払う。


「捨てるか」


 数個切り払ったあとについに間に合わなくなり串刺しになった影が消えたのを見て、カイトは分かれた影の幾つかを捨て駒にして本体が自身へと接敵するつもりだと理解する。

 そして案の定、一つを使い潰す間に他の影が更に近付いており、一つが消えた瞬間に別の一体が他の影より速度を上げてカイトへと肉薄。再び数度の武器の投射を防ぐも、最後には串刺しになり消え去る事になる。


「好きにさせてあげるの?」

「ちょっとだけな」


 エドナの問いかけにカイトは楽しげに笑う。そうして肉薄してくる影の群れが遂にカイトへと襲い書かれる距離に入った瞬間、カイトは異空間からあるものを解き放つ。


「!?」


 影に浮かんだのは明らかな驚愕だ。解き放たれたのは鎖だ。だがそれは単なる鎖ではなく、『吸魔石』を使った鎖。魔力であれば如何なるものであれ吸収し無力化してしまう、特別製の鎖だった。


「ほらよ!」


 所詮影の放つ斬撃は魔力で斬撃を模しているだけで、この鎖に触れてしまえば霧散してしまうだけだ。そうして放たれた鎖が影の偽物達を一気に消し飛ばし、更には影の中に居る本体を包んでいる影さえ無視して中に居る本体を絡め取る。


「エドナ!」


 捕らえた。カイトは鎖の感覚で本体を縛り上げたのを理解すると、即座にエドナへと声を掛ける。そうしてそんな声にエドナはバイクをドリフトさせるかのような動きで急停止させるのだった。

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