表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第98章 演習編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2993/3945

第2975話 はるかな過去編 ――達成――

 『時空流異門』という現象に巻き込まれ、セレスティア達の世界の過去の時代に飛ばされてしまったソラや瞬達。そんな彼らはこの時代にて騎士として活躍していたカイトやその親友にして唯一の好敵手と言われるレックス・レジディアというセレスティアのご先祖様らと会合。元の世界に戻るべく、この世界にも存在していた――ただし組織としては冒険者協会となっていたが――冒険者に登録すると活動を再開させていた。

 というわけで、薬草の採集を行う依頼を請け負っていた瞬達であったが、その帰り道にてカイトやレックスと遭遇。レックスはなにやら地元で説法があると一足先に戻ると、カイトと共に王都を目指して馬で移動していた。


「ふぅ……やはり馬で移動するといつもとは違う筋肉を使うな」

「なんだ。馬では移動しないのか?」

「ああ。俺たちの世界の冒険者にはギルド……というのがあるんだが、ウチはそれの人数が多くてな。馬より馬車での移動が多かった」

「なるほどな。人数が多けりゃ確かに馬は使い難いか」


 一人一体の馬を、となるとどうしてもそれだけの数の軍馬を調達・調教したり餌を用意したりと大変になる。なので人数次第では馬車で移送した方が良い事はカイトにもわかった――ギルドはこちらにもあるようで説明不要だったらしい――ようだ。というわけで、あまり馬には乗っていなかった瞬は少しだけ居心地が悪くなってきていたようだ。


「まぁ、でも辛抱してくれ。流石に馬無しで長距離を移動、というわけにもいかんしな。何より飛空術をあまり乱用すると魔物にも見つかりやすいし、魔族に見付かると大変だ」

「わかっている。別に辛いわけではないしな」


 カイトの言葉に瞬は笑う。確かに常日頃として乗馬こそしないが、全身の筋肉をまんべんなく鍛えてはいるのだ。その一環で何度か乗馬や騎竜もしており、決して使っていないわけではなかった。

 というわけで若干の疲れを感じながらも順調に移動。本来は夕方を少し過ぎた頃に到着する予定だったのだが、まだ青空が赤く染まる前に王都に到着していた。


「良かった。なんとか殆ど戦闘無しで戻れたな……オレも今度練習してみるかな。未来のオレが出来た、というのなら出来ない道理は無いだろうし」

「どう……なんだろうか。俺もそこらはわからんが」

「あはは……ま、それはともかくとして。黒き森に行く時には声を掛けるよ。一度考えておいてくれ」

「ああ、ありがとう」


 黒き森というかエルフ達の方が良い魔道具を持っているらしい。それを理解した瞬はカイトの申し出を有り難く受け入れる。といっても流石に集団行動している以上は彼が独断で決められるわけでもなく、一度相談して返答、となったらしかった。

 というわけで連れてきた馬を軍に引き渡しに行くカイト――どうやら時折やっているらしくかなり慣れていた様子だった――を見送って、瞬らは改めて拠点に戻る事にする。


「……」

「……何を考えているのですか?」

「……ああ、いや……この世界? 時代? のカイトもかなり強かったなと」

「そうですね……これで同じ騎士なのだから立つ瀬がない」

「なんとも言えんな……」


 瞬の言葉に応ずるリィルの言葉に、イミナもため息混じりに肩を落とす。特に彼女の場合、同じマクダウェル家の騎士でなおかつ祖先になるのだ。遠く及ばない事を理解して少し落ち込んでいた様子だった。というわけで同じ騎士だからこそ落ち込む二人に対して、瞬は特にそういうわけもないので普通にそうかと思うだけだ。


「そうか……まぁ、それはそれとしてもやはり違和感はあってな。特に今の……俺達の知るカイトは基本双剣を使わないだろう?」

「それは……そうですね。正確にはその時の適宜で武器を選ばれるので双剣を使っていないように見える、という所ではあるでしょうが」

「そうだな。あいつ自身もそれが自分の強み、と言っている所もある」


 どんな状況においてはどんな武器を使うのがベストなのか。数多くの経験からそれを掴んだカイトは持ち前のありとあらゆる武器を魔力で編める能力を活用し、武器を切り替えて戦うのが本来の戦い方だ。

 無論それでも得意不得意はあるしその必要の無い時は刀一つで戦っているが、だからこそ瞬には片手剣か双剣でしか戦わないカイトが違和感になっていたようだ。そして彼が感じている違和感はそれだけではなかった。


「それに何より、あいつが鎧を着ているのがなんとも言えなくてな。未来のあいつが聞いたら鎧は重くて苦手なんだよ、と言いそうなものなんだが」

「「あー……」」


 おそらく言うだろう。少し楽しげに笑いながら指摘した瞬の言葉に、リィルもイミナもその様子がありありと思い浮かんだようだ。納得したように頷いていた。


「確かに言うでしょうね」

「ああ……やはり色々と育った環境で変わってくるんだろうと思った」

「なのでしょう。戦い方に関しても大きく異なっている様子でしたし」

「そうだな」


 戦い方然り性質然り。やはりこの世界この時代のカイトは自分達の知るカイトでは無いのだろう。瞬はこの数時間共に旅をして、そう実感していた。と、そんな彼に今度はイミナが告げる。


「それは仕方がない事だろうが……兎にも角にも薬草を届けに行くぞ。保存容器に入れているからとはいえ、いつまでも劣化しないわけではないしな」

「む……それは確かにそうですね」


 これは当たり前の話だが、薬草とて植物の一種だ。採取後一切劣化しないなぞという事はなく、そのために保存容器がある。が、保存容器はあくまでも一時的なもので、新鮮な薬草の方が良い回復薬が出来る事が多い。早めに協会に提出した方が良かった。

 というわけで、三人は折角早く帰れたのだからと急ぎ足で協会の王都支部へと向かい、保存容器を提出。報酬を受け取って、拠点に戻る。


「あれ? 瞬さん? それに皆さんも……もう戻られたんですか?」

「ああ、ナナミさん……ソラは?」

「まだ王城の図書館です。昨日の様子からだとそろそろ戻ってもおかしくはない時間ですけど……」


 王城にある図書館であるが、これは当然閉館時間がある。そしてこれまた当然、店には営業時間があり、図書館の閉館時間ギリギリまで居ると買い出しが出来なくなってしまう。

 というわけでこの数日図書館にて調べ物をしていたソラは大体夕方までには調査を切り上げ、夕方に買い物。早めの時間帯に戻って由利らと合流。男手が必要な事を手助けしたり明日の予定等を組み立て、としていたらしい。と、そんな事を話していると案の定、ソラが戻ってきた。


「ただいまー……って、あれ? 先輩? むちゃくちゃ早くないっすか?」

「ああ、ソラ。ただいま。それとおかえり……ああ。実はな……」


 やはり自分が戻るより早く瞬が戻っていた事にびっくりしたソラであったが、そんな彼に瞬はおおよその事情を説明する。それに、ソラはなるほどと納得を露わにした。


「あー……そういや王城に何度か通った時にそんな噂を聞いたっすね。マジなのか、あれ……」

「噂?」

「いや、カイトもよくレジディア王国の王都に行ってるそうなんっすね。日帰りで」

「そ、そうか……」


 おそらくカイトなら出来てしまうのだろうが、だからとやって良いものなのだろうか。瞬はソラの話に頬を引きつらせる。とはいえ、それはそれとして折角早く帰れたのだ。それならと瞬は問いかけた。


「いや、それは横に置いておこう……どうする? 折角俺達も早く帰れたのだから、今から情報共有しておくか?」

「あ、そっすね。色々と話しておかないといけない事もありますし」

「そうだな。こっちもそうした方が良さそうな事はある」


 ソラの言葉に瞬は先程のカイトの申し出を思い出し、一つ頷いた。というわけで、二人は折角空いた時間を利用してこの数日の情報共有と今後の方針を話し合う事にするのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ