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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第98章 演習編

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第2933話 はるかな過去編 ――王城の出会い――

 謎の現象により未知の世界の見知らぬ場所に飛ばされてしまったソラ達。そんな彼らは偶然にもカイトに報告するべく執務室を訪れていたセレスティアとイミナにより、ここが彼女らが属する世界のはるか過去の時代。かつて存在していたもう一人の勇者カイトが活躍した時代である事を知らされる事になる。

 というわけで、その時代にカイトの親友として知られ、転生してなお彼が唯一対等と断言する男にしてセレスティアの祖先であるレックスと遭遇。自国の商隊を救ってくれたソラらに礼をしたい、という彼の言葉に従う形で一同は今度は王都の中心部を目指して進む事になっていた。


「凄い人気だな……」

「とんでもないっすね、これ……セレスちゃん。確かレックス殿下って他国の王子様……なんだよな?」

「ええ……レックス様は本来はレジディアの王族。同盟関係締結に伴って姻戚関係が無いわけではありませんが……この国の王族ではありません」


 王都にたどり着いたレックスであるが、彼を待ち受けていたのは割れんばかりの喝采と黄色い声援だ。眉目秀麗な容姿なので黄色い声援はわからないではないが、老若男女全てから割れんばかりの喝采だ。

 しかも物凄いのは、エネフィアで何度もこういった王侯貴族の訪問を見てきたソラ達からしてもこれが社交辞令やサクラのような演出されたものではないという所だろう。他国なのに何をすればこうなったのか、この世界の住人ではないソラ達にはわからなかった。


「七竜同盟にとって赤き英雄と青き勇者は双璧と伝えられています……まぁ……私としてもこれほどだったとは思いもよりませんでしたが」


 セレスティアが知るのはあくまでも伝説だ。なので当時絶大な人気を誇っていた、という事を知識として知っていても、現実としてどれほど人望があったかはわからないのだ。

 というわけで、ソラ達同様に彼女もまたレックスを迎え入れる歓声に圧倒されていた。と、そんな彼女にソラがそういえば、と問いかけた。


「そういえば何度か七竜同盟って言ってたよな? それって何なんだ? 同盟だ、ってのはわかったけど」

「あ、すいません。そういえばそれは言ってなかったですね……全部で七つの国や組織が集まって組まれた同盟です。連合王国時代が始まるよりも前に結ばれた同盟だそうです。一説によると連合王国では私的な同盟は禁止されていたそうですので……」

「ということは、レックス殿下はこの……シンフォニア? と同盟を結んでる国の王子様ってわけか……」


 それを加味したとてあまりに人気が凄いが。ソラはそう思いながらも、同盟国であるが故に同じ同盟国であるこの国の王都を訪れる事が容易なのだろうと理解する。

 というわけで、割れんばかりの喝采の中を歩いて行く一同であったが、流石に王族が来ている以上往来が邪魔される事はなかったので喝采に圧倒されている内に気付けば王城に到着していた。

 そして勿論、歓待は王都の民だけではなかった。彼が王城に到着すると同時に王城の重い石扉が開いて、中から無数の騎士達が剣を掲げ道を作る。


「っ……王城もこの歓待……凄いな……これは普通なのか?」

「普通がどういう意味かによりけりですが……王族相手にこれが普通か、と言われれば普通ではないです。レックス様だからこそ、と言って良いでしょう」


 やはり自らの祖先だ。これほどの歓待を受けられるほどの大英雄だと改めて思い知って、セレスティアは知らず嬉しくなっていたのだろう。語気からどこか自慢げかつ嬉しそうな様子が窺い知れた。と、そんな彼女らの見守る中で、騎士達の作った道の中から四人の騎士が姿を見せる。


「「「レックス殿下」」」

「皆、久方ぶりです。怪我も……大丈夫そうですね」

「ありがとうございます」

「「「っ」」」


 現れた四人の内の一人。レックスの社交辞令に応じた騎士を見て、ソラ達が思わず息を呑む。その姿。そしてその声。彼ら全員が見知った人物だったのだ。


「うそ……だろ?」

「こんな事があり得る……のか?」

「ルクス様……?」


 ソラと瞬の困惑の言葉に続けて、リィルが困惑の最大の要因を告げる。そう。進み出た四騎士の一人。最も若い騎士は間違いなくルクスだったのだ。

 が、羽織っていたマントは全くの別物で、刺繍された紋様はマクダウェル家ともヴァイスリッター家とも全く違う。色も新緑色と、エネフィアの彼であれば身に着けないだろう物だった。と、そんな様子に驚きを隠せない一同に反応したのはマクダウェル家の騎士であるイミナだ。


「ルクス様? ルクス・エドウィン卿か?」

「エドウィン卿……?」

「ああ。カイト様が率いた蒼き騎士団。その四人の隊長の一人。風のエドウィン卿」


 耳慣れない名だ。イミナの語る騎士団の長の一人の名に、瞬はそう思う。が、同時に本能的に彼はルクスの前世なのだとも理解する。


「強い……な。ルクスさんとどちらが強いかわからないぐらいに」

「ええ……ここまで極められていたとは……」


 前世でもここまで極めていたなんて。カイトの要請を受けたルクスと何度か相対した事のあるリィルらはだからこそ、この世界。この時代のルクスの実力もまた並々ならぬ事を理解していた。と、そんな二人にイミナはどこか胸を張る様に頷いた。


「当たり前だ……エドウィン卿といえば後に風迅卿とも呼ばれるほどの傑物だ蒼き騎士団の最初期から支えられている方でもあらわせられる」

「そうなのか……ということは、あの若い人も相当強いんだろうな」


 瞬が見るのは四騎士の中でも一番若い、ともすれば少年にも見える若さの騎士だ。金髪青眼の青年であるのだが、戦士というよりもまだ瞬ら同様の未熟さが見て取れていた。そんな彼の指摘に、イミナが僅かに目を丸くする。


「あれは……」

「雷迅卿クロード・マクダウェル……でしょう」

「マクダウェル?」


 もう一つのマクダウェル家。それについて聞いた事はあったソラであるが、やはりそれでも困惑は隠せなかったらしい。まぁ、当然だろう。カイトがこの時代に名乗っていた家名もまたマクダウェル。そしてこの最も若き騎士の名もマクダウェル。二人の関係性を推察するには十分だった。


「ええ。カイト様の義理の弟……そしてイミナのご先祖様です。若い頃は幼い顔立ちだったそうですが……」

「な、なんとも言えません……」


 こちらはこちらで自分の正真正銘のご先祖様なのだ。しかもいくら言い伝えの通りとはいえ、思った以上に童顔かつ未熟な頃だったらしい。イミナとしてもなんと答えれば良いかわからなったようだ。と、そんなこんなで半ば困惑気味な一同であったが、そんな四騎士達と話すレックスがこちらを向いた。


「皆さん、こちらへ」

「あ、はぁ……」

「先に話していたのが彼らです。是非一度貴殿らの騎士団長に引き合わせたく」

「かしこまりました。宿の手配と共に手配致しましょう」

「ありがとうございます」


 あれ。思わぬ間にカイトと会う事になってしまっている。ソラはレックスの言葉に応じるこの時代のルクスの言葉に内心で困惑する。とはいえ、これに関しては王族らしい強引さと彼も強引に受け流し、次の流れを伺う事にする。というわけで、今度はソラ達を見ながらレックスが口を開いた。


「皆さん、彼はエドウィン卿。我が友マクダウェルが率いる蒼き騎士団の四騎士が一人です」

「ルクス・エドウィンです」

「あ……ソラ・天城です」


 やはり教えられていた通りだ。エドウィン家の家名を名乗ったこの時代のルクスに、ソラは若干困惑を浮かべながらも差し出された手を握る。

 わかっていても、教えられていても同一人物にしか思えないのだ。にも関わらず、自分達を知らず別人として振る舞うのである。困惑ももっともであった。


「ええ……では殿下。彼らは一度こちらで。団長が戻られましたら、また彼らをお連れ致します。まずは陛下へ例の件のご報告を」

「そうですね。まずはそうさせて頂きます」


 ルクスの提案に対して、レックスは頷いてその言葉に応ずる。こうしてソラ達は一度王様に会いに行くというレックスと別れ、再会ともなんとも言えぬルクスに案内され王城の中を進む事になるのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

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