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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第96章 冒険者達編

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第2521話 冒険者達 ――それから――

 カルサイトからの要請を受けて、『アダマー』にて暗躍する裏ギルドの調査を行う事になったカイト達。そんな彼らは現地で調査を行っていたソラに監視が張り付いた事により強襲作戦に切り替えると、慌てふためく裏ギルドやそれを裏から操る双子大陸の非合法組織<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の艦隊の拿捕に成功する。

 というわけで、ヴァルタード帝国の艦隊による<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の艦隊の拿捕を見届けた所で、カイト達の仕事はひとまずは終了だった。


「ふぅ……ホタル。全艦艇完全に沈黙したと思うが……どうだ?」

『イエス。確認された限り、ほぼ全ての艦隊の拿捕に成功したようです。飛空艇も同様です』

「そうか……よいしょっと」


 アイギスからの報告を受け、カイトは『特式魔導砲』を元あった台に接続する。そして同様にソラとホタルもまた台に『特式魔導砲』を接続し直した。それを受け、三つの『特式魔導砲』は再度飛空艇の中へと格納されていった。


「『アダマー』の状態は?」

『『アダマー』については現在混乱は沈静化。現在は『アダマー』のユニオン支部による公式発表を待つ段階……という所でしょうか』

「そうか。では、今後は支部長に対応を委任。部隊についても引き継ぎを行い、こちらは当初の打ち合わせ通り<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の対応に入る」

『イエス……以上の旨を本部と支部の両方に連絡します』

「頼む」


 今回の一件は本部が直接指揮して行っているが、支部長にまで全部が全部秘密にされていたわけではない。そもそも支部長が内通者でない事はいの一番に調べられる事だ。

 なので支部長が問題無い時点である程度の情報共有は行われており、内部の内通者の捕縛――今回はその前に殺されたが――が出来た時点で支部長に引き継ぐのが常だった。というわけで、カイトはそこらの引き継ぎを行い、自身はソーラ達を追っていた<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の対応を行う事にするのだった。




 さて『アダマー』にて大捕物が行われて翌日。カイトは『アダマー』のユニオン支部に部隊の引き継ぎを行うと、自身は一旦問題が無いか一両日待機としながらマクダウェル家の飛空艇にて現状の確認と状況の整理を行っていた。


「というわけで、ひとまず全体的に今回の一件は終了。お疲れ様でした、って塩梅かな」

「そか。あー……これでようやっとこの仕事終わりかー」


 足掛け二週間ほどの活動が終わった事を受けて、ソラは大きく伸びをして身体を楽にする。というわけで、そんな彼にカイトは笑った。


「あはは。おつかれ……まぁ、ランクもBを越えりゃこういう公益性の高い依頼がユニオンから依頼される事もある。今回はその支援って所だったがな」

「聞いてたっちゃ聞いてたけど……思えば、ラグナ連邦でお師匠さんと一緒にやった一件も似た様なもんだったんかな?」

「そうだな。あの一件もお前が冒険者として受けていたなら、こういった公益性の高い依頼となっただろう」

「そか」


 思い出せば随分昔に感じられるし実際もうかなり前だが、ランクBに昇格した際にはこういった公益性や秘匿性の高い依頼がユニオンから斡旋される事もある、という事だったのだ。その時は関係無いかな、と思っていたが存外受ける事もあるのだな、とソラは今更ながらに思っていた。と、そんなランクの話をしたからだろう。彼はふと思い出した様にカイトに問いかける。


「そういや、ランクの話で思い出した。結局俺ら……ってか俺と先輩って現状ランクBのままなんだけど、昇格ってした方が良いのか?」

「ああ、ランクAへの昇格か。確かにランクAへの昇格は出来るならした方が良いし、そろそろ実績も十分に蓄積されてるかな……」


 どうだろうか。カイトは現状の冒険部の活動を思い出し、ソラの昇格が可能かどうかを思案する。そんな彼に、ソラが問いかけた。


「トリンから聞いたんだけど、ランクAに昇格するには実績が必要なんだよな?」

「ああ。ランクB相当の依頼を必要数受諾し、達成していること。それが本来ランクA昇格に必要な実績だな。ふむ……確かに今までの事例から考えれば、お前も先輩も携わった案件が必要数に満たしてそうかな……」


 ソラの場合は今回の一件が最後のダメ押しになる可能性は十分にあるだろう。カイトはそう判断する。と、そんな判断を内心下していた彼に、ソラが問いかける。


「ミニエーラとマリーシア、んでこの間のゴブリン共の件?」

「それに加えてさっきお前が言ったラグナ連邦の件や先輩だとウルカでの幾らかの盗賊の討伐任務……はお前にはわからんか。えーっと……ああ、以前の馬車での調査任務とかがそれに類する」

「ふーん……ってことは申請ぐらいはやってみて損はなさそうかな?」

「そうだな。申請はしてみて損はないだろう。まぁ、帰ってからソーニャに相談してみるのが吉って所かね。そのためのソーニャなんだし」


 元々上層部専属でいろいろな事務をしてもらう為に居るのがソーニャだ。なので昇格に関するあれやこれやも彼女に相談するのが本来の筋だろう。単に今はその前段階として、カイトに相談しているというだけだった。


「あ、そっか。なんかまだ慣れないなー」

「ま、そこはな」


 こればかりは今までと違うやり方になっているのだ。完全に慣れるには時間が必要だった。というわけで、そこらの話をしながらしばらくの時間が経過するわけであるが、そこでルーナがやって来た。


「カイト。ちょっと今大丈夫……? っと。御主人様。失礼致しました」

「ああ、ソラだから大丈夫だ」

「なんだ。びっくりした」

「あはは」


 居たのが自分と見るや教育室室長から素のルーナに戻った彼女にソラが笑う。というわけで、そんな彼を横目にルーナも手頃な椅子に腰掛ける。


「とりあえずあのバカ(ソーラ)の処置が終わって、リーシャから問題無しの報告が上がったわ。例のコアは復元されてたって。ただバカが復活したからか、完全にコントロール下に置かれていると判断して良いだろう、って」

「そうか……まぁ、兄貴の場合はコアがコアだからな。復元はしゃーない。ただコントロール下に置けたのならそれで良いだろう」


 ルーナからの報告にカイトは少し苦い顔ながらも、現状問題がないのであれば良いかと考える事にしたようだ。そんな彼にルーナもまた頷いた。


「そうね……まぁ、あのバカもそれなりには頑張ったって所でしょう」

「それなりじゃ済まないとは思うがな……」


 なにせ処置されているとは言え厄災種のコアだ。それをコントロール下に置く事がどれぐらいの難行なのか、考えるまでもないだろう。ソーラはその暴走で親しい者を傷付けた事を受け、死にものぐるいで習得しただろう事も察するにあまりあった。そしてそれは勿論、ルーナにもわかっていた。


「ま、それは認めてやっても良いでしょうね」

「あはは……で、兄貴は?」

「今はもう医務室から普通の客室に移動させたわ。リーシャがそれでオッケーって言ったから」

「そか……ならすまないが呼んでもらえるか? とりあえず現状の確認とかやらないとな」

「わかった」


 言うまでもないが、カイトもまたリーシャには勝てない。なので彼女のドクターストップがある時点でソーラには一切事情聴取が出来なかったのだが、彼女がオッケーを出したのなら話は別。改めて情報の共有やらを行うだけであった。というわけで、数分後。ルーナに連れられたソーラがやって来た。


「おう、カイト。なんかすげぇな。こんな飛空艇見た事ない」

「あはは。ウチの、っていうかマクダウェル家の飛空艇だ……その様子だと飛空艇は乗ったのか」

「こっち来るのにな」


 カイトの言葉にソーラはどこか興味深げに飛空艇を見回す。と、そんな彼は見回す最中でソラが一緒に居る事に気が付いた。


「カイト。連れてきたわ」

「あ、ソラ。お前もお疲れ」

「あ、うっす。そっちもお疲れっす」

「おう」


 ソラのねぎらいに応じながら、ソーラは自身もまた手頃な椅子に腰掛ける。というわけで、姉弟が改めて椅子に腰掛けた所で、カイトが口を開いた。


「よし……ひとまずこれで状況確認は出来るか。兄貴、改めて<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>について教えてくれ。可能なら『ルボア』の一件も聞いて良いか?」

「『ルボア』か……ってことはリリアナ達と会った件、って事で良いか?」

「ああ。<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の下部組織壊滅の件だ」


 ソーラの確認にカイトは改めてはっきりと明言する。これが先にソラとトリンが話に出していた双子大陸の件というわけなのだろう。というわけで、ソーラは数ヶ月前に起きたというそれを思い出す。


「おう……えっと……ありゃ俺がお前と別れて一旦ラダリアに入って、そっから更に南へ向かう事にした後か。あ、紹介状サンキュな。おかげですぐに登録出来たわ」

「話脱線させない」

「あ、おう……で、そこから幾らかの依頼を受けて、ランクCまではぱっぱと昇格したんだ」


 まぁ、ソーラの実力であればランクCまでの昇格は容易だっただろう。カイト以下全員、ここまでの流れにおかしな点はなくそう理解する。そしてここから暫く、ソーラはラダリアを中心として色々と動き回りながら活動していたらしい。


「で、そんなこんなでラダリアで活動してたらランクBになって、んでランクBになったから一回別の所へ向かおう、って思って金貯めたんだよ」

「そのまま直でマクダウェル向かおうと思わなかったんっすか?」

「んー……せっかくだったら色々と見て回りたいじゃん?」

「あんたね……」


 ソラの問いかけに子供っぽく笑いながらソーラが答えるわけであるが、それに振り回されたルーナはお冠だ。故に僅かに漂う怒気に、カイトが慌てて制止する。


「ルーナさん、抑えて抑えて……」

「だってルーナ姉達は色々と見て回ってたんだろ? 俺も見て回っても良いじゃん」

「はぁ……まぁ、良いわ。続けて」

「おう……で、金貯まったから一旦大陸を渡ろうって考えて双子大陸に渡ったんだよ。んで、辿り着いたのが『ルボア』って街だったんだ」


 ルーナの促しを受けたソーラは更にそこから暫くの話を語る。これにソラが首を傾げる。


「『ルボア』?」

「『ルボア』は双子大陸北部にある大規模な街だ。オレも行った事はないが、風光明媚でもあって旅の最中に立ち寄る冒険者も少なくないらしい。街の規模も十分だから、アニエス大陸から双子大陸に渡ったばかりの冒険者が一旦そこで双子大陸での活動資金を貯める、ってのも少なくないそうだ」

「ん。俺もそうしようって思った」


 カイトの補足説明にソーラも自身がそんな多数の冒険者達の一人であった事を語る。これについては何ら不思議な事ではなかったのだが、そこである事件が起きたらしい。


「で、そこで金稼いで色々とやってたんだけど……まぁ、メインは賞金が掛けられた魔物とか潰して、って感じかな。それで一ヶ月ぐらい経ったある日。依頼から戻る最中に変な奴らに襲撃されたんだよ」

「それが<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>の構成員だった、と」

「おう」


 カイトの確認にソーラは一つはっきりと頷いた。そうして、彼は続ける。


「で、そこで同じ様に追われてたリリアナとミネアと出会って、下部組織壊滅させた」

「端折りすぎよ……」

「でも実際そうなんだって。あいつらが<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>に追われてる事はわかっても、俺がなんで狙われたかさっぱりだったんだ。ならそれを知るためにもこっちからやるしかないか、って考えて潰したんだよ」


 ソーラからしてみれば身に覚えが無いのに狙われるのだ。それを知るためにも迎撃するしかなかった、というのは筋が通っている。というわけで、彼はその下部組織壊滅で手に入れた情報を語った。


「で、潰したらどうにも<<白い影の子供達(ホワイト・シャドウ)>>があのゴミ溜めの研究資料の一部を持ってたっぽくて、ラダリアにもアンテナ張ってたっぽいんだ。んで、俺が寝てた森も見張ってたんだと。それで俺が目覚めてる可能性があるんじゃないか、って判断して追われてたみたいなんだ」

「なるほど……んで、自分達がなんとか出来る双子大陸に渡ってきたから、捕まえようと」

「みたいだ。まぁ、下部組織の連中が知ってたのはそんぐらいだ。なんで狙われてるのか、とかまでは知らなかったらしい」


 が、ソーラの方はラダリアの時点から追われていた、などの事からおおよそを察する事は出来た。そしてこうなってくると流石に自分一人だけ――正確にはリリアナとミネアらもその時には居たが――では対処が出来ないと判断。

 一旦は『ルボア』を脱して身を隠しつつ――下部組織を一つ潰した所ではどうしようもなかったため――大急ぎで渡航の資金を稼ぎ、エネシア大陸へと渡ったとの事であった。というわけで、彼は更にそこからの話を行いつつ、これからの話をする事になるのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

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