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影の勇者の再冒険 ~~Re-Tale of the Brave~~  作者: ヒマジン
第55章 ラクシア攻略戦

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第1031話 ラクシア攻略作戦 ――開戦――

 レヴィが作戦を決定したその翌日の朝。シャリク率いる北部軍は南部軍の本拠地となる南部第一の都市にしてラエリア最大の都市でもあるラクシアを視界に捉えていた。


「・・・全員、行けるな?」


 カイトが確認を取る。これから、また戦いだ。そしてカイトは再び、単独行動だ。


「いや・・・こっちは良いんだが・・・お前こそ大丈夫なのか?」

「やるしかないでしょ。それに、万が一の場合には」

「私も居ます。なので、安心してください」

「・・・お願いします」


 赤羽根がユリィへと頭を下げる。流石に昨夜の段階でユリィが居る事は明かされており、戦略としても語られていた。そして一番危険な場所に行くとも。

 それを背に、カイトは全員に背を向ける。それに、一同が続いて前へと足を踏み出した。そうして、全員が並んだ所で僅かな間沈黙が舞い降りる。誰しもに緊張が滲んでいる。勿論、カイトにもだ。足並みをそろえて呼吸を整えていたのだ。


「・・・ねぇ、カイト」

「ん?」


 肩の上に座ったユリィがカイトへと小声で語りかける。


「私・・・ううん。私達は幸せだったよ。どれだけ辛くても、どれだけ苦しくても、最初から最後まで貴方と一緒だったから」

「・・・そうか」

「うん・・・あの日から、そしてこれからも・・・ずっと一緒だから」


 こてん、とユリィが誰にもバレない程度にカイトにもたれ掛かる。その髪はいつもの金色でもこれから取るだろう白に近い水色でもなかった。また、別の誰かが彼女の中で目覚めていたのだ。が、それもすぐに引っ込んで白に近い水色に変色する。


「変な感じ・・・氷の様な魔女だったのに、心は温かい」

「気づいてやれなくてすまん」

「良いよ。多分、今になるまで知られたくはなかっただろうし、今でも恥ずかしがっているだろうから」

「そうか・・・」


 カイトはユリィの楽しげな返答に僅かな安堵を得て、気合を入れ直す。


「良し、やるか」

「性格、どっちが良い?」

「どっちも変わらないさ。オレ達は何時も、オレ達だ・・・だろう、ユリシア」

「そうだね・・・では、行きましょう」


 ユリィの言葉にカイトの魂がどくん、と鳴動して、それに呼応する様にユリィの魂も鳴動する。ラスティという名の魔王。そしてそれに仕えた魔女。魔王の目覚めに呼応して、魔女も目覚めつつあったのだ。そうして、一同は歩いてハッチへと歩いていく。そこにはすでにカリン達が待機していた。


「さぁ、全員行けるね。切り込みはこっちに任せときな・・・あんたは、咲いて来な」

「ああ・・・一葉、補給は?」

「整っております。マスター、支援砲撃はこちらにおまかせを」

「兄ぃ。多分、こっちはこの間の弓兵と戦う事になるから支援はソレイユに一任するよ」

「にぃ、頑張ってね・・・って、言う必要もないだろうけどね」

「ああ・・・」


 カイトは援護組の言葉を背に、歩いて行く。そうしてつぶやくのは、かつての己の一生涯だ。


「掲げるは覇」

「征くは魔道」

「「終焉は死」」


 終わりは何時も死。故にカイトとユリィは同時にそれを謳い上げる。しかし、それでなお、後悔は無い。


「我が道に悔いは残らず・・・我が死を以って世界は統一さるが故に」


 ぼぅ、とカイトの足元から蒼い炎が立ち昇る。が、まだ最後までは至らない。後は、戦場だ。瞬もそうだった様に、<<原初の魂(オリジン)>>はランクS以外に戦場では使えない。

 が、だからといって使えないわけではない。例えば、この様に戦場に舞い降りる前から準備しておけば、使えても不思議はない。これはバレない為の偽装工作だった。

 そうして、カイトは蒼炎を纏った上で全員に向き直る。今回北部軍は戦力の逐次投入はしない。初手から全軍で突撃だった。一気に敵陣を押し切るつもり、という風に見せるつもりだった。


「全員、今回も生きて帰れ! 危ないと思ったら引いて構わん! 中央はオレ達が受け持つ! 今回は指示に従い敵と適度に交戦すれば良い! 今日で終わりではない事を忘れるな!」

「「「おぉおおおお!」」」


 カイトの号令と再確認に、全員が鬨の声を上げる。そうして、全員が用意を整え前を向くと同時。シャリクの演説が始まる。が、カイトはそれに耳を傾けない。燃え滾る意思を宥める必要があるからだ。


「・・・あれか」

「落とす?」

「当たり前だ・・・あの船、いや、あの船に乗る男だけは確実に殺す。跡形もなく、そして塵一つ残さず・・・許可も下りた」


 カイトは右翼中央の端に位置している一隻の飛空艇を睨みつける。そこに刻み込まれているのは、レゼルヴァ家の紋章だ。300年前から変わらない紋章。それ故、すぐに見付けられた。


「ケリ、つけようぜ」


 カイトが言うと同時。シャリクの演説は終わりを向かえていた。そうして、彼が号令を下す。


『全軍、出撃せよ! そして我が妹を傀儡としてこの国にはびこる最後の膿をこの国からこそぎ落とせ!』

「「「おぉおおおお!」」」


 シャリクの号令と共に、全ての船から兵士達が降下していき同時に地上に控えていた第一部隊が突撃していく。それを下に見つつ、カイトはユリィと共に頷きあった。


「行くぞ」

「うん」

「全員、今回前に行くのはカイト一人だ! あたしらは隊列整えて乗り込むよ! 全員、あたしに続きな!」

「「「おう!」」」

「全員、降下!」


 カイトは己が下した号令と共に、サーフボード状の魔道具を放り投げて外へと躍り出る。そうして、自分一人で小型の飛翔機を最大出力で起動した。


「行くぞ!」


 どんっ、という音と共に音速の壁をぶち破って、カイトは一人先陣をも追い抜いて敵陣へと突撃する。目指すは、敵のど真ん中の最前線のど真ん前だ。それに、敵の全軍が困惑を浮かべた。


「何を!?」

「死ぬつもりか!?」

「単騎駆だと!? 万を優に超える兵士を前に、結界の守る要塞を前に!?」


 あり得ない。誰が聞いても正気の沙汰ではない。敵は万全の状態で待ち構えているのだ。それこそ、一瞬後にはカイト目掛けて無数の魔弾が飛んでいく。それがわかっているからこそ、足並みを揃えるのだ。そうして、カイトは己目掛けて飛んでくる無数の魔弾を前に、最後の詠唱を開始する。


「心せよ、英傑達よ。万夫不当の英傑であれど、我に傷付ける事叶わず。我は覇を掲げし者。一太刀にて一千の兵を葬りし厄災が一人。我は・・・蒼炎の魔王なり」


 カイトの足元から吹き出ていた蒼炎が、ついに彼の身体を包み込む。それと魔弾がカイト達へと着弾するのは、同時だった。


「やったか!」

「馬鹿め! 功を焦ったな!」


 幾つもの爆煙が上がり、南部軍の兵士達は愚かな、とカイトへと嘲笑を送る。だが、その次の瞬間。爆煙を蒼い炎が飲み込んだ。

 そうしてその蒼炎と共に現れたのは、身の丈ほどもある大剣を背負う蒼炎迸る漆黒の鎧を身に纏う灰色の髪の男と、白にも近い青色の髪の女。どちらもあまりに寒々しいまでの瞳を持つ二人の男女だった。


「魔王さま。敵までの距離はおよそ1キロ・・・一歩の距離でございます」

「そうか・・・遅れるな」

「御意。魔王さまの再臨にございます。このユリシアめも、決して遅れず」


 氷の様なカイトの声と、同じく氷の様なユリィの声が響く。どちらもソラ達馴染みの者ならカイトと認識出来たかもしれないが、そうでない者達ならば認識出来ないほどの変貌を遂げていた。そうして、そんな二人が地面へと舞い降りた。


「なんだ、この凍える様な寒気は・・・」

「怖い・・・? なんで見るだけでこんな・・・」


 南部軍の兵士達が震え上がる。見るだけで、恐怖。呼吸をしているだけで、戦意まで吸い取られている様な気になる。今のカイトはそれほどまでにあまりに禍々しく、そしてあまりに神々しい闘気を身にまとっていた。そうして、そんなカイトが消えた。


「・・・」


 消えたカイトが現れたのは、敵陣の最前線。呆気にとられていた前線の兵士達の眼前だ。しかも、敵陣中央の前。それはまるで全ての敵を一人で相手にするかの様だった。そんな彼は無言で、万を優に超える敵兵士達を見据えていた。


「「「ひっ!」」」


 死神でもここまで冷たい目はしない。睨んでもいないのに、死ぬと理解出来る程の力強さがあった。そんな瞳に見据えられ、前線の兵士達が一斉に引きつった様な声を上げる。それに、カイトはまるで緩やかに、しかし誰にも反応出来ない様な圧倒的な速度で大剣を振り抜いた。


「ふんっ!」


 どんっ、という轟音が響き渡り、カイトが踏みしめた地面が砕け散る。そして、次の瞬間。圧倒的な破壊が巻き起こった。


「は・・・?」


 破壊が起きた周囲の兵士達が思わず武器を取り落とす。たった一撃で、一千近くの兵士が居なくなっていた。兵士達の多数が宙を舞い、吹き飛ばされていっていたのだ。これで、たった一撃。あまりに強力な戦闘力だった。


「ふむ・・・この程度か。些か手を抜きすぎたか」


 大剣を振りかぶった姿勢のまま、カイトは吹き飛んでいく敵兵を見据える。実のところ、この一撃で敵は殺していない。いや、死ぬ者も居るだろうが、その程度だ。

 これは殺すのではなく、敢えて力量を悟らせる為の行動だからだ。故に、手を抜きまくっていた。大軍を相手にするには相手にするなりの戦い方というものがあるのである。


「では・・・次だ」


 カイトが再び地面を踏みしめて、彼にとっての一歩を踏み出した。そうして、彼はたった一歩でぽっかりと空いた陣形の穴の奥深くへと軽々入り込んだ。


「ふんっ!」


 再び、巨大な大剣が振るわれる。それで、今度は半径200メートルの兵士が吹き飛ばされる。あまりに、圧倒的。まるでゴミ掃除でもしている様な気軽さで、一千人もの敵を切り飛ばしていく。

 それはまさしく、世界を敵に回した魔王の姿。万夫不当などという言葉では足りない力だった。そんなカイトへと、無数の魔導砲の照準が再度合わせられる。


「撃て! 奴をこれ以上進ませるな!」

「このままでは一気に瓦解させられるぞ!」

「幸い奴の周囲はがら空きだ! 三発目を撃った後を狙い撃て!」


 流石に敵もレヴィの定石から外してくる展開には対処が遅れていた。が、それもある程度だけだ。三撃目が振るわれるとほぼ同時に、上空から無数の爆撃が降り注いだ。しかし、その魔弾は全て凍りついて地面へと落下していった。


「魔弾が・・・凍った!?」

「魔力の弾丸だぞ!? 何故魔力が凍りつく!」


 南部軍の兵士達が思わず困惑する。実体を持たない筈の魔弾が、凍りついた。あまりにあり得ない現象だった。そしてそれを為したのは、カイトの背後に立ったユリィだった。


「魔王さま・・・周囲を飛び回る有象無象の塵埃はこの(わたくし)が。魔王さまはただ前のみをお見据えください」

「任せる」

「御意」


 言葉少なめに出された言葉にユリィが腰を折って受け入れる。そうして、無数の氷塊の中を蒼炎が舞い踊り始める。そんな絶望的な光景は、カイトの攻撃を食らって生き残らされた者達に恐怖を与えた。


「か、勝てねぇ・・・こんなの絶対に勝てっこねぇよ・・・」

「に、逃げろ・・・逃げろー!」

「「「うわぁああああ!」」」


 武器を取り落とし、カイトの周辺に居た兵士達が三々五々に散っていく。そして一人が逃げ始めれば、連鎖的に恐怖が伝播していく。


「・・・ユリシア」

「心得ております」


 カイトの言葉にユリィはただ、腰を折るだけだ。逃げる敵は、追わない。恐怖を蔓延させ、隊列を乱させ、潰走させる。それがカイトの目的だ。そんな潰走の兆しを見て、思わず呆けるしかなかった南部軍側の司令部が慌てて我を取り戻した。


「ひ、被害を報告しろ!」

「あれはランクSの冒険者だ!」

「たった二人で最前線に出しただと!? 北の奴らは一体どういうつもりだ!?」


 混乱する南部軍の司令部は敵の手が読めず、大慌てで対応策を考える。が、考えるもなにも出せる手は一つしか無い。ランクSの冒険者に相対出来るのは、同じくランクSの冒険者だけ。であれば、答えは決まっていた。


「こちらもランクSの冒険者を出せ! 複数で向かわせろ! 何が何でもあの二人を倒さねば中軍をズタズタに切り裂かれるぞ! そうなれば中央を一気に突破されるぞ!」


 こんな緒戦でたった二人の冒険者を相手に切り札を切らされるとは、と内心で忸怩たる思いを抱えながら切り札を切る事にする。そうして、更に指示が連続で飛び交う事になった。


「全軍を以って奴らを止めろ! 中軍は敵を包囲して撃破しろ! あと少しでこちらのランクSの冒険者が向かうと言え! 嘘でも良い! 冒険者達と共になんとしても奴らの進撃を食い止めろ!」

「左右の軍は敵先陣を食い止めろ! 左右から包囲されるぞ!」


 たった二人の冒険者に戦術の全てを覆されて、軍の高官達は忌々しげだ。が、そこで終わらないのが、この作戦の肝だった。そうして、即座に司令部に一つの報告が入ってきた。


「え? ちょ、ちょっとお待ち下さい! あ、ちょっと!?」

「なんだ、どうした!?」

「レ、レゼルヴァ伯が戦線を離れていると報告が!」

「何!? なぜだ! レゼルヴァ伯へと連絡を繋げ!」

「通信、オフライン! 伯爵へは通じません!」


 南部軍の司令部が大いに慌てふためく。狂気の作戦を採用したパルデシア砦攻略作戦。定石を外してきた敵の行動。この状況でのデンゼルの不可解な行動。あり得ない事だらけだった。


「セルヴァ候との連絡を繋げ!」

「すでにやってます!」


 司令官の言葉にオペレーター達が大慌てで彼の本家筋であるセルヴァ候爵との連絡を繋げる作業を行う。が、そうして繋がったセルヴァ候爵の方でも大慌ての様子だった。幾度かの怒声が響いた後、ようやくノイズ混じりではあるが映像が繋がった。


「セルヴァ候! 一体どうなっている! 貴公の指示か!?」

『違う! こちらも必死で止めた! だが奴は勝手に動いている! おそらく奴は乗艦の通信機も破壊している!』


 司令官の言葉に応じたのは、50代頃の老人だ。彼が、セルヴァ候爵であった。総指揮は専門の軍人に預けていたが、デンゼルの説得は彼が行っていたのである。


『誰かが、奴があれの人形部屋を破壊した奴だと入れ知恵していたと見て良い! 怒りに我を忘れている!』

「っ! 有り得ん! 決して伝えるなと厳命していたのではないのか!?」

『そんなことは知らぬわ! 知っている冒険者には金を握らせ、屋敷の者達は全てこちらに引き取った! 接触はさせておらん! が、それでもどこからか聞きつけた! その結果が全てであろう!』


 指揮官の問いかけにセルヴァ候爵が忌々しげに吐き捨てる。知らぬ、とは言ったがおおよその推測では出来ている。スパイが入り込んだか、デンゼルの凶行に恐れをなした配下の誰かが喋ったかのどちらかだ。が、どちらでも変わりはない。問題なのは、デンゼルの耳にそれが入ってしまったという結果だけだ。


「ちぃ! これが狙いか!」


 敵の思惑を理解して、南部軍の司令官は忌々しげに顔を顰める。敵の狙いは、理解した。こちらの戦列を乱し、そこから左右から包囲して壊滅させるつもりなのだ。

 現にデンゼルの唐突な移動は南部軍のどの艦隊にとっても想定外のもので、操艦に僅かな揺れが生じていた。相手に応じた組み換えを行うにも、どうしても難しい。

 ここら、南部軍が貴族の連合軍であったことが災いした。そもそもで誰もが不正や不法まみれ、所詮は烏合の衆なのだ。どうしても足並みは揃えられなかったのである。そしてそれ故に、デンゼルも勝手が可能だった。


「艦隊全軍へ伝令! レゼルヴァ伯御自らが敵冒険者の掃討に入る! 周辺の艦隊は援護を行え! 冒険者共にも援護する様に命じろ!」

「よろしいのですか!?」


 司令官の決定に、オペレーター達が思わず目を見開いて振り返る。が、無理もない。デンゼルの勝手を認めた様なものだからだ。そしてその通りだ。彼はデンゼルの動きを認めたのである。とは言え、その顔に浮かぶ苦渋の表情が、彼にとってもこれが苦渋の決断である事を知らしめていた。


「どうせ言っても聞かん! ならばいっそ盛大に討ち死にしてもらって士気を高めてもらった方が幾分マシだ! セルヴァ候! それで構いませんな! 死を利用させてもらいますぞ!」

『構わん! このような場で激情に流される様な者は我が一族に不要! それにあれの手から離れた方があれの子も良く育とう!』


 司令官の言葉にセルヴァ候爵は即座に同意する。デンゼルが艦隊の幾つかを率いてカイトの所に行ってしまった為、彼の方の戦列は大きく乱れてしまっている。苛立ちと怒りの程がとてつもなく深いのは、察するに余りある。


「・・・動いたか。しばらくは、手の上で踊ってもらうぞ」


 そんな光景を、カイトはこちらへ向かってくるレゼルヴァ伯爵の紋章付きの飛空艇を見て理解する。が、そんなカイトの前に障害が立ちふさがったのは、それに気付いたのとほぼ同時だった。


「いよぅ・・・随分と暴れまわってくれた様子じゃないの」

「ディガンマか・・・貴様か? 奴を連れてきてくれたのは」

「おいおい、しらばっくれんなよ。お宅らの密偵だろ、大方。あのクソ伯爵は激情型に見えて意外と冷静だ。が、癇癪持ちだ。絶対に口にすんな、って金握らされてんだぞ、俺」

「そうか・・・ならば、もはや問答は無用」


 カイトは立ちふさがった5人の冒険者を前に、腰を落として大剣を肩越しに背負い直す。


「流石に、こりゃ本気でやらないとまずいか」

「相当な猛者か・・・腕が鳴るな」


 今のカイトの前に立ってなお、立ちふさがった冒険者達は余裕と笑みを崩さない。これが、超級と言われる者達。英雄と崇められる者達の在り方だった。そうして、カイトとユリィ対南部軍に雇われたランクS冒険者半数との戦いが始まったのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

 次回予告:第1032話『戦いのやり方』


 2017年12月21日 追記

・誤字修正

 『オリジン』の漢字が間違っていたのを修正しました。

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