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f.V
歩行ののちに行為だけが残る
夜ごとに語られる思想は至って退屈だ
街に漂う香りは郊外のクリークで終わっている
亡命画家の一人息子が自死した安アパートの一室に
射し込む光が海岸の白い象の群れを柔らかく曝した
薄い絹のドレスが塔の頂上で燃えさかる
植民地総督が下水道で救助されたがっている
芝生に鮮血、その色彩の隔絶
椅子の上で崩れるもの、それらは透視された
荒野に放たれた犬が再び還ってくる夕方
フライを捕る練習に励んでいる老人会のメンバーが泣いている
偉大なる東欧の眠りに耳をそばだてよ
ドーム状の暴力が膨らんで消える傘のなかで
もしくは高架橋の上で
崇高なパイプ・カットの夢を見る
男&男