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「ボクはわるいスライムじゃないよ!」……そんなふう考えていた時期が私にもありました。  作者:
次こそ人間に生まれたいって願ったら、棒人間に転生した。
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棒人間と手間のかかるペット

<棒人間と手間のかかるペット>


 ボクが離れたくないので、カルミナにはとりあえず泊まってもらった。

ボクを真ん中にして、三人で一つのベッドで寝たから狭かったと思うんだけど、珍しくちゃんとベッドの上で起きたよ。

うん、カルミナの胸の上で起きた。無意識のうちになんてこった!

無意識だから! わざとじゃないから! 本当! 信じて! あ、やっぱりバレてる?


 カルミナと一緒に暮らすにも、リリカのお母さんにちゃんと許可してもらわないといけない。

リリカはまた変な計画をたてていそうだし、ボクがしっかりしないと!

とは思うものの、リリカのお母さんとは、まだほとんど会話したことないんだよね。


「一緒に暮らせるよう、わしも頼んでみよう。」


 カルミナもリリカの様子を見て危険を感じたみたい。

こっちから無理やり頼んで住んでもらうのに悪いね!

リリカのお母さんとは知り合いみたいだったし、なんとかなるのかな。



 リリカのお母さんが帰宅してくると、ボクたちの間に変な緊張感が走った。

主にリリカが変な空気を作ってるんだけどね!


「ただいまー。あら、お友達も泊まっていったのね。」

「あのね、お母さん。昨日の話なんだけど。」

「マリカ、わしじゃ。カルミナじゃ。」


 リリカのお母さんはマリカさんという名前らしい。

約一週間ほど一緒に暮らしてたけど、全然知らなかった!

知らなくても何も困らなかったからね、大丈夫!


「えっ、カルミナさん?!」

「そうじゃ。」

「えっ、でも、姿が……カルミナさんのお孫さん?」

「本人じゃ。マリカに用立ててもらった薬の作用でこうなったんじゃがな、元に戻れない事になった。」


「ええっと、元に戻すために何が必要ですか?」

「いや、そこな棒人間のゲンさんを生かすのにこの姿が必要になってしもうたんじゃ。」

「あらー、ゲンさん、面食いねえ。」

「てへへ。」


 リリカが後ろで舌打ちしてる。こわい。

別にリリカが可愛くないわけじゃないんだよ!好みの問題なの。仕方ないよね!

あと性格とか、趣味とか、扱いとか! ダメとは言わないけど、……あ、ダメだ。ごめん。


「それでねお母さん、ゲンさんの嫁ってカルミナさんなの。」

「ええっ!」

「だからこの家に住んでもらいたいの!」

「えええ、ゲンさんに人間のお嫁さん?! カルミナさん本当に?」


 だから、ボクは人間だってー!

ホント、この母にしてこの子ありだよね! いつまでペット扱いなんだか。

そろそろヒモだって気付いて! え、変わらないって? ドンマイ。


「嫁はともかく、ゲンさんがわしからじゃないとご飯を食べなくてな。それに、この姿のまま今の住処にいるわけにもいかんのじゃ。ゲンさんが落ち着くまで少し居候させてもらえんじゃろうか。」

「……カルミナさんなら、ずっと居てもらってもいいわ。私も小さい頃から何回もお世話になってるし、一人暮らしもそろそろ心配だったのよ。」


 ため息をついて、お母さんは娘であるリリカをじろりと睨んだ。

リリカが少し怯えてる。珍しいものを見てしまった!


「ありがとうな、マリカ。生活費は渡すからの。」

「気にしないで。私が今の仕事ができるのも、カルミナさんのお陰なんだから。」

「そんなことはない、おぬしの努力の賜物じゃ。きちんとお金は払うからの。」

「ゲンさんの飼育係をお願いするんだから、こちらが払わなきゃいけないくらいだわ。本当にすみません。」


 し、飼育係!?

なんかショックなんですけど!!

いや実質そうかもしれないけど、でもさ、でもさ……!


「じゃあ、リリカ。ちょっとこっちに来なさい。」

「はーい……。」


 リリカとお母さんが別室に消えると、中からかすかに声が聞こえた。


「人をペットのお嫁さんとか言うんじゃありません!」

「おかあさーん、ごめんなさいー!」

「人様に迷惑ばっかりかけて!」

「だって、だってえー。」

「だってじゃない!」


 ぺしん、ぺしんと音がした。


「あうう、ざびじがっだのー。」

「もう。変なことばかりしてないで、そういうのはちゃんとお母さんに話しなさいよ。」


 静かになってしばらくしたら、お尻を抑えて涙目のリリカが戻ってきた。

ボクは優しいので、リリカのお尻をナデナデしながら、痛いの痛いのとんでいけーってやってあげたら、カルミナからまたげんこつ食らった。


 勘違いしないでよね! リリカのお尻が触りたかったわけじゃないんだから!

すみません、どさくさにまぎれてみました。もうしません。


 もしかして嫉妬してくれてる?

やめて! そんな蔑んだ目で見ないで!

あ、やっぱり、そういうのもいいかも。もっとボクを見てくれてもいいんだよ?



 そんなこんなで、ボクは可愛い嫁 (仮)と、美少女の飼い主と、美人のお母さんと一緒に暮らし始めた。

カルミナにご飯を食べさせてもらって、縮んでいた体のサイズも元に戻った。

そして、リリカに手伝ってもらい、レア棒を五本使って、体のサイズを三頭身にすることに成功!

目指せ、八頭身! 目指せ!ペット脱却!


 そしてボクは今、首に縄をかけられて梁にぶらさげられてる。

カルミナのお風呂をついうっかり覗きすぎた。てへぺろ☆


 本当にうっかりだよ! わざとじゃない! 本当!

ボクの目を見て! あ、目がなかった。

つい出来心で……じゃない、たまたま、たまたまだから!


だから、だから……


「おーろーしーてー!」



今、ボクはとってもしあわせです。




...To be continued


ちょっとだけ続く

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