ただ優しくされたいと思った時期もありました
<ただ優しくされたいと思った時期もありました>
目が覚めたら、困った顔したリーダーがいた。
「ピキー!」
また嬉しがって声を出してしまった。恥ずかしい!
でも、不安だったんだよ。友だちに頼ったり愚痴ったりしたいんだよ。
リーダーはリーダーやってるだけあって、すごく頼りになりそうだし?
弱い者にもとっても優しそう。でも厳しそうでもあるから、部下には絶対なりたくない。
ボクは褒められて甘やかされないと伸びない子だからね。
美女に厳しくされるならご褒美かもしれない。うん、それならいいかも!
むしろ、それがいい!
ちょっと婚期逃しぎみの美人の上司に怒られながら仕事をしたら、幸せそうじゃない?
それで、自宅では美少女に貢いだりして、土下座してお願いしてお弁当とか作ってもらうの。
お弁当の蓋を開けると、ごはんの上には海苔で「べんとう」と書いてあるの。
うちの美少女ってわりと優しいからさ、ごはんに五百円玉を刺しておいたりしないの。
もちろんオカズなしじゃないんだよ?ごはんの間に、かつおぶしと醤油が入ってるの。
これがまたウマイんだ。カルシウムもバッチリ!
海苔がついてるからビタミンとミネラルも期待できるね!
ボクが妄想で喜びに打ち震えてぷるぷるしていると、リーダーが心配そうに話しかけてくれた。
「おまえ、いったい何があったんだ?」
「ピキー、ピキー、ピキキー!」
そうそう、おっぱいに魔法かけられたんだよ!
頑張って伝えてみるも、虚しくピキーと響く。
「言葉がわかるみたいだって連絡したところでこれか。」
あ、みんなに教えてくれたんだ。嬉しい。
優しいね!リーダー!さすが心の友!
「おまえ、触らなければ何もしないんだろ?」
「ピキ! ピキーー!!!!」
どうしよう、うれしい。理解あるよねリーダーは。
リーダーならボクの後ろの処女を捧げてもいいかもしれない。
多分ちんこ入れたらもげるけど。
「人里から離せばなんとかなるかと思ったけど、難しいな……。」
リーダーはぶつぶつ言いながら帰ってしまった。
ボクもできれば離れたい。とりあえず、またリーダーの教えてくれた方向へ行こうかな?
海のあるほうへ。人のいないほうへ。
たまには会いに来てね、リーダー。
おっぱいもたまには見に来て欲しい。責任取って。
ボクはズズズ、と進む。動くと地表が沈む。
後ろを見ると、更地になってる。地面も踏みしめられて、すごく硬くなってそう。
砂漠化しませんように。
ボクはそう願いながら、少しずつ進む。
ボクは気づかなかったけど、ボクが進んでいると軽く地震が起こっていたみたい。
家の横をトラックが通る感じかな?
動くたびに地面がミシミシ言ってたし、多少揺れてもおかしくなかったかも。
「魔物が動き出した!」
「誰か、助けを呼んできて!」
ボクの周囲で、たくさんの人たちが騒いでいる。
近くに来られると進めなくなるよ。ジャマしないで。キミたちのためでもあるんだよ?
やめてくださーい!石を投げないで下さーい!
ちょっ、痛くないけど怖いから!ほんとやめて!
ボクが避けようと動いたら、数十人単位で押しつぶして吸収してしまった。
ボクが逃げた方角にも人がたくさん来てたから。
ああ、終わった。
終わりの始まりだ。閉幕が開幕だ。閉店セール半額だ。
ボクの人生、いや、スライム生。
短すぎやしませんか?
ねえ、かみさま。




