それでも私は③
そういえば①の最後に
次は彼氏が出てくるとか書きながら出てきてませんね(笑)
今回も出ませんw
次の日は普通に学校があったため、放課後からの活動となった。
ヴーヴーとキヨのケータイが鳴った。
LINEだ。みてみると福原からだった。
「話したいことあるので、今日2人であっていただけませんか?」
という内容。それをのぞき見したヤツがいた。
「おい、キヨ!なんだこのラブラブ感満載のメールはー!❤️」
清水太一だ。お忘れの方。一話目でキヨと喋ってた男子ですよー。
「…お前、デカい声だすなよ。オマケにそーゆー内容じゃねーし。」
ケータイを閉じてシーッと人差し指を鼻の前にたてる。
しかし、周りにいた男子も女子も、清水の声に反応して集まって来てしまった。
「阿部くん、彼女いるのー⁉︎」
「この変態っ!」
「肉食!」
などと、みんなが口々にキヨを茶化す。
「…。太一。どーしてくれんだ?」
キヨは見た目笑っているが、内心はイラっとしながら、太一の肩をたたいた。いや、しばいたというほうが適当か。
「…ごめんなさい…」
キヨが本気で怒ってるのがわかり、太一の顔は真っ青だった。
その後なんとか抜け出してトモと白銀に遅れるという連絡をし、福原との待ち合わせの場所へと向かった。
学校の最寄り駅の近くにあるカフェだ。
「あ、こっちです!」
福原がキヨを手招きした。
「お待たせしました…」
「いえ、急に呼んだのは私ですから。」
「えっと、早速本題に入って頂けますか⁇」
「はい。実は」
昨日福原は彼氏とあったらしい。いや、ばったり出会したというほうが正しいか。
彼氏のほうが少し福原のことを変に思い、最近何かあったかと聞かれたらしい。
「で、何て答えたんです?」
「特に何もないよーって。体調が優れなくてって。」
まあ、妥当な解答だろう。
「すごく優しく気遣ってくれてるんだなーって思うんですけど、やっぱり今は彼の前だといろいろ考えちゃって…」
うんうんと、キヨが首を縦に振る。
「早くこの変な空気をなんとかしたいなって思って…」
キヨが頼んだ紅茶を飲み、一呼吸置く。
「…何か、いい解決方法、思いついたりしましたか⁇」
「…私…」
何かを言いかけたが、止まった。
「…言いにくいこと…ですか?」
小さくコクリと頷く。
「…それはもしかたら俺の考えてる、1番速いけど、やりたくないやり方と一緒かもしれないですね。」
キヨがうつむき気味の福原に言うと、福原はバッと顔を上げた。
「…教えて…」
「…福原さん。ごめんなさい。俺がこんなこと言うのはどーかと思うんですけど、彼氏とヤることが、1番速いかなって俺は思ってます。できればそんな解決はイヤですけど。」
福原は縦に首をゆっくりと振った。
考えは同じだったようだ。
「私も、それを考えました…。でも、阿部さんの話を聞いてやっぱり思い直しました。もっと別の方法でなんとかします。」
「俺もこんな考えしか浮かばなくてすいません…。いい案をはやく見つけて、お伝えします。」
「なんか…申し訳ないですね…。ありがとうございます。」
「いえ、これが仕事なんで。」
「…高校生のしかもこんな好青年な男の子に恋愛相談なんて、不思議な気分…」
「俺も大学生のお姉様の恋愛相談とか、ケッコー戸惑ってますよ(笑)」
「え、あんまりそーは見えないなー。恋愛経験豊富そーだし…」
「うーん…どーなんでしょう?確かに恋愛はいろいろしてきましたけど、何しろまだ高校生なんでねー。経験豊富と言うには程遠いと思いますよ?」
「…彼氏が阿部さんみたいな人だったらなー…」
「俺みたいな?それもどーなんでしょう(笑)俺、そんないーヤツじゃないですよ?」
「え、ホントに?彼女とか大事にしそうだし、節度を保って付き合ってそうだし、言うことなさそーなんだけどなー。」
「男はそんな清純に付き合えるほど出来てませんよ(笑)」
その後少し世間話をした後別れた。キヨが事務所に着いたときには、もう残り1人だった。とりあえず、その1人の相談を受けて、その日の仕事は終わった。
「キヨ。」
白銀が呼んだ。
「…デートか?」
「…は?なんの話ですか…?」
「この前の女子大生と会ってたんだろ?美人の。もう一回言う。美人の。」
「先生。あれは恋愛相談、仕事です。プライベートとは一切カンケーありません。」
「そんなこと言っちゃってー(笑)あわよくばとか思ってんだろー?この肉食男子!」
はて、この言葉今日どこかで聞いたような…と思いつつ、白銀に付き合っていたらキリがないと、荷物をまとめて、帰る支度を始めた。
「トモ。帰ろーぜ。」
「あ、ちょっと待って!」
書類を整理していたトモが、カバンに荷物を詰め込む。
「おーおー。女子大生の次はトモか。とんだプレイボーイだなー(笑)」
「…先生、なんか今日うっとおしいですね…。俺、なんか先生の気に食わないことしましたか?」
「べっつにぃぃーー?」
やたらと憎しみをこめた返事だったので、付き合ってると終わらないと踏み、無理矢理事務所を出た。
「なあ、トモ。俺昨日なんかしたっけ?」
帰り道トモと並んで歩いている。
「なんか、キヨが遅刻するって話をしたら、先生がやたら不機嫌になった…(笑)」
ふーんと、キヨが前を向いてニコッと笑った。
「ひがみか。俺が美人の大学生と2人っきりで会ってたから。」
「たぶん、そーだと思うよー?」
「なんか、俺今めっさ優越感(笑)」
「ちょっと、依頼人に手出しちゃダメだからね!」
「それはねーよ。」
「なんでそんなこと言い切れるの?あんな美人だよ?わかんないじゃん。」
「ん?それはな、俺に好きな人がいるから。」
「ふーん。…え?」
トモが立ち止まる。
「…誰?私の知ってる人⁉︎」
キヨが振り返った。
「なーいしょ❤️」
にっこり笑顔で、シーッというポーズをとり、夕焼けシルエットのキヨはもはや反則だ。
「…もう!」
トモは思考を遮り歩き始めた。
「トモ!」
バッとキヨがトモの手を掴んだ。
「信号赤!」
「ぉー…」
トモは状況が理解できず、ただぉーっとしか言えなかった。
「お前、危なっかしすぎ(笑)」
「…あ、ごめん!ありがとう…」
「気ぃつけろよー」
キヨが前をむき、そっと手を離した。
少しして信号が青になりキヨが歩き出す。
ようやく我に返ったトモが掴まれた左手を見た。
「…プレイボーイっての、案外間違ってもないじゃん。」
ボソッと言ったから、キヨには聞こえていない。
「何か言ったか?」
「え⁇何もー⁇」
トモが横断歩道を渡り始めた。
次こそは彼氏出るかな⁇(笑)