それでも私は ①
二つ目のお話です!
少し下品⁇というか下ネタ的要素が入ってくるので、苦手な方、すいません!
相変わらず恋愛相談は大繁盛。
もうすぐ夏休み。夏休みと言えば祭り、海、花火…。恋の予感満載の時期。
恋に悩む男女が夏のためにと、やって来る。
そんなわけでキヨもトモも自分の恋はおろか、夏休みの予定さえたてられないでいた。
「はー…。久々のバイトは疲れた…」
「私もー(笑)」
2人はつい昨日まで期末テストだったため、恋愛相談をお休みしていた。その反動で人が多いのもある。
「お疲れ。」
白銀が今日の会計処理を済ませて探偵事務所に入ってきた。
「先生もお疲れ様です!」
トモがお茶をいれている。
「2人とも、明日はヒマ⁇」
「俺は学校ないんでヒマですよ?」
「私もです。疲れてて遊ぶ約束もないですし。」
「あ、じゃあ悪いんだけど、明日朝から恋愛相談所開きたいから来てくれないかな⁇その代わりに夜は少し早めに終わって、焼肉でも行こうよ。」
キヨとトモが顔をバッと合わせた。
『いいんですかー⁉︎』
声を揃えて聞く。
「いーよ!いつもよく頑張ってくれてるし、テストで疲れただろうし、2人の自由時間も奪ってるだろーしね。むしろ焼肉だけじゃ足りないかなって思ってるんだけど(笑)」
「いえ、充分ですよー!」
「ホントに⁇じゃあ、たまにはこうしてご飯食べに行こっか。」
「先生がいいのなら喜んで!」
「なら決まり!明日は朝10時からだから、9時ごろ来てね。俺は朝探偵の仕事入ってるから、午前中は恋愛相談所2人に任せることになるけど。」
「了解です」
翌日、2人は朝から恋愛相談を受けていた。
トモは1時間で3人、キヨは2人の相談を受けた。10分300円 30分700円 1時間1000円なので、1時間少しで約2800円の儲けと、成功報酬が約25000円+お菓子など。探偵事務所もわりと儲けているので、かなり稼げている。
午前の営業は13時までなので、あと2時間をきっていた。
「番号札71206の方、Bへどうぞ。」
キヨがアナウンスを入れる。番号はその日の日付と、何人目かを示している。つまり今日は7月12日の6人目ということだ。
キヨの部屋に入って来たのは、大学生くらいの女性だった。
「こんにちは。お名前を教えていただけますか⁇」
キヨが笑顔で話しかけた女性はかなりキレーな人だった。
「福原裕美香です。今日はよろしくお願いします。」
声もかなりキレー。
「今日はどういったお話ですか⁇」
「あの…私には彼氏がいるんですけど」
そりゃそうだろう。と、キヨは思ったが、口にはしない。
「すごく私を気にかけてくれて、話もよく聞いてくれて、いい彼氏なんです。」
キヨは話を聞きながら、じゃあなぜここに来た と言いたくなった。
「すごく一途だし、カッコいいし自慢の彼氏で文句もない、はずだったんですけど」
と、ここで泣き始めてしまった。
「だ、大丈夫ですか?とりあえずこれを」
と、ハンカチを手渡した。
「あ、ありがとう…」
「落ち着つくまで待ってますから。」
しばらく泣いていたがやがて、少しおさまった。
「…最近、私たち予定が会わなくて、あまり会ってなかったんです。一昨日も、会えないはずだったんですけど、私の用事が早めに終わったので、今日はヒマだと言っていた彼氏の家に行ったんです。ビックリするだろーなーって…」
ここまで聞いたキヨは結末を予想できてしまった。
「でも、家の電気はついてるのにインターホンを押しても出なかったんです。彼は一人暮らしなので、変だなーって思って、合鍵で中に入ったんです。そしたら…」
そこで、福原はまた泣き出してしまった。
キヨが控えめに聞いた。
「…もしかして、その彼が別の女性と…?」
少ししてコクリと頷いた。
「あー…」
実はこの手の話はたまにある。
キヨの知ってるだけでも2,3件はあった。
「そこから先の話はありますか…?」
「…そのときは、彼氏がことに及ぶのに夢中で、私に気づかなかったので、帰りました…」
泣きながら話すので声が震える。
「それで…昨日、いろいろ情報を集めて知ったんです…。彼、実は何人もセフレがいるって…」
やっぱり。と、キヨが頷いてしまった。
「もう、私、彼と顔をあわせるのがイヤで…。でも、彼のこと好きでもあるし…もう、どうしたらいいのかわからないんです!」
話の終わり頃には福原の涙は止まっていた。
「…福原さん。初対面でこんなこと女性にお聞きするのは、こちらとしても気がひけるのですが、その、…彼氏としたことはありますか…?」
「…実は私、処女…なんです…」
その瞬間、キヨの中でいろいろ繋がった。
「…福原さん。この話は今すぐに解決できる問題ではないと、俺は思います。なので、何回かウチに通っていただきたいのですが…」
「…わかりました…。私もそう思いますし、そうさせていただけるのなら、また来ます…。」
「なら、よかったです。まず、いいですか、福原さん。何事もなかったかのように振る舞うのは大変だと思います。しかし、あまり露骨に避けすぎると、返って彼氏のほうがあなたをいろいろ疑う危険性が高まります。ほどよい理由をつけて距離をとるか、前と同じ距離間で過ごすか、どちらかにしてください。少なくとも、中途半端なことだけは絶対にダメですよ⁇」
「…わかりました…」
「あと、もうひとつ。笑ってください。無理にとは言いません。でも、笑えないとこの先大変ですから。俺でよければ、相談相手でも、遊び相手でも、なんでも引き受けますんで。」
「…そっか。じゃあ、何かあったら頼むね!」
ここでニコリと福原は笑ってみせた。
「はい。あ、これ俺のLINEのコードです。これからはこれで連絡取り合いましょう。」
「わかったわ、ありがとう!」
「こちらこそ、これからよろしくお願いします。一緒に解決していきましょうね。」
「はい。では、また。」
こうして、福原の恋愛相談が始まった。
次はいよいよ彼氏が登場します。