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二股男への逆襲 後編

1話目が完結です!


少し慣れないので長くなってしまいました…

「コレはすごいミラクルが起きたぞ(笑)」

キヨがニヤニヤと佐伯を見ている。

「⁇どーゆーこと?」

トモが聞いた。

「実は、俺がココにきた理由にもカンケーしてるんだけど、今俺の担当、鈴木哲也ってんだ。」

「…わー。どっかで聞いた名だねー」

佐伯が抑揚のない喋り方をした。

「ホントダネー」

トモも続いた。

「な、ミラクルだろ?」

「哲也、何て言って来てるの?」

「えーっと、ホントは相談内容を他人に漏らすのはタブーなんだけどな…」

「あ、そうか…。そうだよねー。」

「いや、でもこの場合は相談内容を打ち明ける方が2人のためにもなるし、トモ。いーよな?」

「え?いや、私は鈴木くんがどんな内容で来てるのか知らないから、うんともすんとも言えないけど、それが解決の近道になるならいーんじゃないかな?」

「だよな。よし、未来ちゃん。今、鈴木くんを部屋で待たせてる。あんまり遅いと怪しまれる可能性あるから、未来ちゃんは今から俺らの仕事終わるまで、探偵事務所のほうで待っててほしいんだけど、いい?」

「探偵事務所?」

この建物は一軒家で、恋愛相談室が1階、待合室が2階、3階が探偵事務所になっている。実は白銀の家でもある。要するに、3階建ての家に1人で住んでるというわけだ。

若干26の若者がこんな大きな豪邸を持てる理由は、白銀の大学時代に関係しているらしい。

大学時代の話をトモは知らないが、キヨは知っている。

その辺りで少し察してほしいが、白銀は大学時代、そういったシモの仕事で、ぼろ儲けをしていたらしい。

きっと女子高生がコレを聞くとドン引きするだろうからという理由で、キヨにだけこっそりと教えてくれた。

聞かされたキヨはといえば、その後しばらく、白銀を少し軽蔑するような目で見ていたらしい(笑)

おっと、話を戻します。

トモが佐伯を3階へ連れて行った。現在午後6時。あと1時間ほどで終わるから待っててと言って、トモはまた恋愛相談所へ戻った。


そのあと、キヨは鈴木をうまく誤魔化して凌ぎ、残りは1人だったので、白銀に任せることにして、3階へ行った。

まず、鈴木の依頼内容を説明する。

「未来ちゃん。率直に言うと、鈴木くんがホントに好きなのは未来ちゃん。」

「…はい?」

佐伯は目玉が飛び出すかと思うような衝撃をうけた。

「大まかに説明すると、鈴木くんは1ヶ月前から付き合ってる彼女がいた。で、1週間前、その彼女ともマンネリ化してきてたとき、ふと、気づいたことがあったらしい。」

「1週間前って、私と哲也が付き合ったときだよ?」

「うん。1週間前、鈴木くんは、未来ちゃんのことが好きだと気づいたらしい。」

「え?意味わかんない。だって私、鈴木くんと付き合うまでほとんど話したこともなかったんだよ?」

「だろーな。なんたって、鈴木くんの一目惚れってヤツだったんだから。」

「…一目惚れ…?」

「そっ。一目惚れ。そこで、彼は考えた。今付き合ってる彼女は他校の生徒だから、きっと二股かけてもバレないってな。」

「それで、私に告白を?」

「多分な。で、オッケーもらってすごい嬉しくて、毎日ずっと一緒にいたんだろ?」

「まー、一緒にいたかなー。」

「それで、すっかり前彼女のこと忘れてたらしい。」

「忘れてたって…その神経がよくわからない…」

「俺にもわかんねーよ(笑)で、別れようと思って、駅前で会う約束をした。」

「昨日私に、今日は用事あるからごめんねって言われて、友達と帰ったんだけど、寄り道して行こうってことになって、駅前にいたんだよね。そしたら女と会ってる哲也見つけて。」

「そのとき、ビックリしたお前らが、鈴木くんにこっそり近づいていくと、前彼女が急にデカい声で 二股なんてありえない! って叫んだらしーな。」

「そーそー。それでもう修羅場(笑)」

「で、相談内容はどうしたら未来ちゃんが鈴木くんのトコに戻って来てくれるかって内容だったんだ。」

「…ねぇ、阿部くん。阿部くんから見て、哲也はホントに私のこと好きなんだと思う?」

「思うよ。」

即答だった。しかし、

「でも、俺からすれば、きっとそれも一時的なもので、結局は前彼女と同じ道を辿ることになるんじゃないかって思ってる。」

「…やっぱそうだよね…」

「あとは未来ちゃん次第だ。未来ちゃんのしようと思うことを俺は手伝うよ。」

「そうだね…。じゃあ、私のしたいこと、させてもらうよ?」


翌日、わざと鈴木と少し距離をとって、トモと佐伯の2人は学校の校門を出た。

「未来。待ってたよ。」

ちょうど校門の前にカッコいい好青年が。

「あ、キヨ。ごめんね、待たせちゃって。」

佐伯が少し声を高くして言った。

「いや、別に待ってねーから大丈夫。」

「ホントに⁇あ、そうだ!トモも一緒に帰ろ!」

「えー、悪いよう(笑)だって2人とも付き合ってるんだから、邪魔しちゃ悪いしー」

わざと付き合ってるという部分を大きな声で言った。そこで、たくさんの視線がそこでイチャついている3人をとらえた。

佐伯と付き合ってるのは鈴木のはず。なのに、佐伯は今の話からすれば、そこの他校の好青年と付き合ってる。ということになる。

周りの人間はさらにすかさず、鈴木を見る。

鈴木本人はというと、表情はよくわからないが、スタスタと3人の元へ向かって歩いていた。

「あれ、哲也。どしたの⁇」

佐伯がなーに?という感じで首を傾げる。

「…何じゃねーよ。お前らそろいも揃って俺を騙してたんだな…」

佐伯、トモと見て、最後に思いっきりキヨを睨んだ。

「昨日の相談者もグルってワケか…」

「うん。だから何?」

冷たく佐伯が聞いた。

「お前!俺と付き合う前から誰かと付き合ってやがったのか!」

「それはこっちのセリフよ!哲也こそ、誰かと付き合いながら、私を騙して、私とつきあったじゃない!」

こう言い返されてしまえば、鈴木は返す言葉がなくなってしまった。

周りの野次馬はザワザワとウワサし始めた。

「え、鈴木くんってそーゆー子なの⁇」

「私ちょっといいなーって思ったのに幻滅…」

「アイツ下級生のくせに調子のんなよなー」

みんなが、鈴木の方を見る。それだけ鈴木は学校内でも有名だった。

「でも、女子のほーもひでーよな。だって騙してたのはお互いだろ?」

「てゆーか、向こうの彼氏さっきからずっと黙ったままだし。」

次第に視線はキヨに集まった。

「…。未来ちゃん。俺にはこれが限界かな。」

耳元でこっそりと言った。

「…わかった。ケリ、つけるわ。」

佐伯が鈴木の元へ向かう。

「…哲也。最後に聞くわ。私のこと、ホントに好きなの⁇」

佐伯が笑うでも、怒るでもない無表情で鈴木を見ている。

しばらく間のあったあと、

「…あぁ。好きだったよ。今の今までな。まさか俺が騙されてるなんて思わなかったよ。もう、吹っ飛んだ。」

「吹っ飛んだって?」

「別に俺、お前のこと好きなの一時的なもんだったみてーだわ。」

これを聞いた佐伯が少し黙る。

「…それが本音?」

「こんなとこで誰がウソなんかつくんだよ。俺は今お前が嫌いだ。目障りだ。」

「…あっそ。」

佐伯はそのままくるりと方向を変え、キヨの方へ。

「阿部くん。ありがとう。阿部くんの勝ちだよ(笑)」

「あぁ。そーだな。」

2人のやりとりの内容がよくわからず、トモを除く残りの見物衆と鈴木は はあ? という顔をしていた。

「哲也。私は哲也を試したの。阿部くんは彼氏でもなんでもない。ただの小中の同級生。今回哲也と本心を聞き出すために、一役買ってもらったの。」

「…は…い?」

「哲也。アンタの本心聞けてよかった。短かったけど、ありがとう。」

「え…。おい…待てよ。何勝手に終わらしてんだよ。俺はお前のこと…」

「…こと?」

佐伯が聞くと、鈴木は黙ってしまった。

「…ここで1人、ビッグゲストを紹介しまーす。」

佐伯がトモに目配せした。トモが校門の外で誰かと話をして、1人の女子校生を連れて来た。

「…⁉︎なんで…お前が…」

女子校生は哲也の前彼女。

「哲也…。話全部聞かせてもらったわ。」

ゆっくりと女子校生は鈴木に向かって行く。

「いろいろビックリした。だからね…」

女子校生がうつむいていた顔を上げたときだ。 パチン! という音がした。女子校生が鈴木を平手打ち。

「サイッテー。別れて。アンタみたいなキモ男と付き合ってた私がバカみたい。」

と、そこからしばらく言いたい放題暴言を吐いたあと、その場から立ち去って行った…

「…哲也。いや、鈴木くん。私もサヨナラ。大っ嫌い。」

と、言い残して佐伯も立ち去り、トモもそれに続いた…。


それから、ゾロゾロと見物衆は歩き出し、やがてその場にはキヨと鈴木だけが残った。

「…鈴木くん。騙してごめんね。」

「…お前、恋愛相談所のヤツだろ?こんなことしていーのか?恋愛相談まったく受けてねーじゃん。昨日もテキトーなことばっか言いやがって。」

鈴木は相当イライラしてるようだった。

「俺は、キミの恋愛相談、結果的には受けたことになってると思うよ。」

「は?お前何言ってんの?この状況見りゃわかるだろ⁉︎これで明日から俺は学校中でウワサされんだぞ!」

「その変なプライドと歪んだ根性捨ててこいっつってんだよ。」

キヨの声が少し低くなった。

「お前がその性格直さねー限り、同じ失敗を何度も繰り返すだけだ。ここまで言われて悔しいと思ったんなら、心入れ替えろ。」

「…」

もはや鈴木に反論するだけの頭はなかった。

「じゃあな。」

キヨが少し鈴木を睨んで、向きを変え、帰って行った…。


後日

「キヨ聞いてー!」

トモがバイトへ向かう電車の中でニヤニヤしていた。

「なんだよ(笑)」

「例の鈴木くん。ビックリだよ!」

「何がだよ(笑)」

「あの次の日、いきなり髪の毛坊主にしてきてさ!部活やるんだーって陸上部入って。はじめは部員から煙たがられてたみたいなんだけど、今までの鈴木くんからは考えられないくらい真面目に取り組んでるみたいで、この前の大会では優勝したんだってー」

「…へえ!俺の言ったことホントに信じてやるとはな!あはは(笑)」

「鈴木くんが今日、私のトコに来て、キヨにお礼言っといてほしーってさ!」

「男に礼言われてもなー(笑)」

「でも、今の鈴木くんがあるのはキヨのおかげだしさー。」

「…。あ、じゃあ俺からってことで言っといて。また恋愛相談来いよって。」

「はは(笑)わかった!言っとくね!」

鈴木くん、いい人見つけられるといいですねー


さて、次回は下ネタ要素が入り込んで来てしまいます…


大丈夫です!R15の範囲ですから!(笑)

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