二股男への逆襲 前編
話がついに本編に入りました。
まず、一つ二つは軽い内容にします(笑)
恋愛相談所は部屋がA B Cと別れており、各部屋に1人づつがランダムにいる。
つまり、今日だと、Aにトモ Bに白銀 Cにキヨがいるが、必ず毎日同じ部屋に同じ人がいるとは限らない。
こうすることで、複数回恋愛相談に来る人も、違った意見を受けやすいという方針の元で、この制度をとっている。
この日は恋愛相談者合計で9人だった。
恋愛相談事務所を開いてからの中で、3本の指に入る多さだ。
所要時間は短い人で15分、長ければ2時間は超えるというケースもある。
相談料はそれほど高くはない。一つの目安として、1時間で1000円だ。
ただ、恋愛が実れば、事務所側が指示しているわけではないのだが、成功報酬がよく転がり込んで来る。
高校生とかだと、お菓子をよくくれるが、20代、30代だと平均して1人1万円が追加報酬的な感じで入ってくる。(ほぼ毎日)
もちろん、自分の恋愛が叶ったというのが大きいだろうが、この3人が揃って容姿が優れているためというのもあるだろう。
30代が高校生に恋愛相談ってどーなの⁇
と、思われるかもしれないが、実際、キヨもトモも高校生のわりには相当的確なアドバイスをする。
むしろ、元遊び人の白銀よりもイイアドバイスをするかもしれない。
そんな感じで、本日も恋愛相談所、大いに繁盛してます。
「トモ!」
偶然にもトモの部屋の次の依頼人は、先ほど学校で彼氏に二股をかけられ、トモに恋愛相談所に連れて行ってほしいと願った女の子。
「次、未来かー」
この女の子の名前は佐伯未来。可愛い系の女の子で学年でもかなり人気がある。
「で、相談内容は⁇」
「学年でも話したけど、元カレに私、浮気されたの。二股よ。そこで私、アイツに一回、痛い目みてほしいなーって❤️」
「痛い目?って具体的に何かあるの?」
「うーん…。こっぴどく女にフられるとか?」
「とかって…(笑)それしかないじゃない。そもそも未来の元カレって誰だっけ?」
「鈴木哲也」
「あー…」
鈴木哲也。あまりいいウワサは聞かない。あまりいい例ではないが、高校時代の白銀のような男だ。それだけで察してほしい。
「…あれ?よく考えたら、付き合ってどれくらい経つの?まだ高校生になってから2ヶ月ほどしか経ってないけど…」
「…一週間…」
「一週間⁉︎そりゃ、私も未来が誰と付き合ってるか知るわけないね。てゆーか一週間でもう浮気?そもそも未来が浮気されたの?」
「…?どーゆーこと?」
「だから、鈴木くんは元々誰か他の人と付き合ってて、浮気相手が未来だった。というケースはないのかって話。」
「…。なるほど…。考えてもみなかった…」
「そこは考えようよ…」
「でもでも、私が浮気相手だったとしてもさ、どちらにしろひどいじゃん!私騙されてたことになるんだよ?」
「まー、そうっちゃ、そうだけど…」
「ほら!どちらにしろ、やっぱり痛い目見てもらわないと!」
「アンタすごい活力ね…。その状況だとフツーヘコむと思うんだけどなー(笑)」
「ヘコんでるヒマあったら、やり返さないとね!」
トモがすこし呆気にとられた。
少し間があって、ドアがノックされた。
「トモ。ちょっといいか?」
キヨの声だ。
「え、ちょっと待ってね。未来、いい?」
「阿部くんでしょ?いいよー」
「キヨ、いいよ。入ってきて。」
じゃあと、キヨがドアを開けて入ってきた。
「あれ、未来ちゃんなんでこんなトコに?」
キヨと佐伯は小、中と同じ学校だった。
「それがねー」
佐伯がココに来ることになった経緯を話した。
「…。2人とも。コレはすごいミラクルが起きたぞ(笑)」
「?」
キヨの言っていることがよくわからず、2人が首を傾げた。
次で、二股男事件は解決です!
今回はただ面白おかしく話が進むだけなので、
気楽に読んでいただければ…!