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プロト版魔法少女キリングフィールド小林  作者: 東山ききん☆
第一部 魔法少女小林とファンシーランドの大冒険
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怪しい街と山賊の陰謀?村長とステキな男性!


小林たち11人の旅人達は駕籠に乗りながら電話で目隠し碁に興じていた。エルフタウンへの道中は以外と暇なのである。

小林は黒人の一人と対局していた。先手黒人ドラクロワ、後手小林であった。

「13の四、右斜め上隅小目。」

「へえそう来るのね。ならば7の四、歩。」

余裕のある打ち筋とは裏腹に小林は焦っていた。初めての目隠し碁は勝手がわからないのだ。

小林が苦し紛れに考えた策は別の話題を振って話を反らす事であった。

「ところで黒人さんはどうしてこんな任務に就いたの?」

「ほお、それを尋ねらますか。実は私には田舎に残して来た家族がおりましてな。」

「それは初耳ですね。」

「家族には私が王国に務めている事は秘密なのですよ。その家族の生活の為にも私が働かなければいけないのですな。

ところが貴方をスカウトしたマーカスは一味違う。彼は元密売人なのですよ。」

「ほう。秘密のエージェントですね。それは詳しく聞きたいですね。」

「我々妖精達は全員王室事務局に務めていた官吏なのですよ。まあ、その中でマーカスは国の密売を指揮していたのです。だからこそ、あの南米人達とのコネクションも作れた訳ですな。」

「じゃあ貴方はどんな事を?スパイとか?」

「私はしがない書類事務ですよ。」

「あんまりパッとしないですね。」

「えっ!?ああ、まあ。そうですねぇ。お恥ずかしい限りで。」

「ああ、あのでも、何だかお似合いのお仕事だと思いますよ。」

「サムライ」

「褒めてるんですかあそれ。

しかし今はこうして皆さんと旅が出来ているんですから、人生解らんもんですよ。」

小林はドラクロワに共感した。ドラクロワの言葉には恨みも嫌悪感も無く、未だ希望を求める姿勢が垣間見得た。小林もまたファンシーを諦めていなかった。

「ところでこの先盗賊がいます。」

「えっこのご時世に?」

「貧民を助ける伝説の義賊と言われています。」

「じゃあ私たちの敵なの?」

「いえ、体制下では王国と金のつながりがありました。」

「義賊なのに!?」

「正義と名乗った方が世間では都合がいいですからねえ。まあマフィア的な連中ですよ。

目下我々の目的は彼等が民衆側に付く前に味方に付ける事です。」

正義とは「名目上は悪事を働いていない悪の組織」である事を知った小林は大人になった気分だった。


しばらく歩くと見えてきたのは10メートル程さきにある大きな岩石群である。

「盗賊はこの辺りにいるそうなので急に襲われたら要注意ですよ。」

黒人が言った。

その時岩場からでてきたのは十五人の白装束だった。

「我々は魔界十人衆ッ!」

魔界十人衆とは20年前の日本でキャバレーでウハウハだったがバブル崩壊で不良債権が溜まり組長の金庫を持ち逃げした伝説のヤクザ15人の事である。しかも組長は元忍者で忍法を使って怖いおっさんだ。

「魔界十人衆ッだと!!まさか奴等こんな所に逃げていたなんて。」

「組長に喧嘩を売る程ネジの吹っ飛んだ我々に出会ったのが運の尽き。」


その時岩場から男達が15人現れた。

「我々は伝説の義賊イーグルアイ盗賊団ッ‼」

盗賊団は小銃を放った。

「くたばらやがれれ」

その時魔界十人衆が盗賊達の前に出た。

「魔界十人衆ッ!!」

魔界十人衆はイーグルアイ盗賊団の弾丸を正面から浴びる形となった。

「ここは通さねえぐはぁぁ」

地に伏す魔界十人衆に駆け寄る。

「魔界十人衆ッ‼どうして私たちなんかを助けたりしたの。」

「ぐぐっ、あんたみたところ日本人だろ?日本の物価は…持ち直したのか……な」

「魔界十人衆ーーーッ‼」

イーグルアイ盗賊団は再び銃を構えた。

「次は貴様らの番だ。」

イーグルアイ盗賊団は弾丸を発射しようとしたがそれはマーカスの一声でかき消された。

「貴様らの首領に用がある。出してもらおうか。ポン。」


「俺がイーグルアイ盗賊団首領のカルロスだ。」

出て来たのは筋骨隆々とした南米系の男だった。さらにカリスマ性のある男と共に出て来たのは軍服を着た30人程度の軍人たちである。

「我々盗賊団は軍と手を組む事にした。よって貴様ら旧政権の文官に用は無い。捕虜とさせてもらう。男は軍に引き渡す。女は最近収穫が無かったから売り飛ばす。」

「そういう事だ。私の名はドランコ軍曹。軍は既に国の実権を握り新政権樹立は完了している。

貴様らを本部に引き渡し生贄としてくれる。」


小林が大ピンチの一方、南米人三人とドラクロワは一足早くエルフタウンに到着していた。まず行うのは聞き込み調査である。

「まさか既に女王様が処刑されて実権が軍首脳部に移っていたなんて。」

ドラクロワは悲嘆に暮れた表情をしていた。

「ドラクロワさん。悲しんでいる暇はありません。街の市長を捕らえて街を制圧して反革命の拠点にしましょう。」

「では搦手ですね。」

三分後、エルフタウン市長邸には捕縛されたドラクロワとその横で立ち尽くす南米人3人、そしてらそれらを取り囲む群衆と市長がいた。

「王国軍のスパイを捕らえたから我々3人をこの街のレジスタンスに入れてくれ。」

「OKじゃ。ワシはパブロフ。この街の市長じゃ。そしてこちらがレジスタンスのリーダースタンコじゃ。」

「よろしく。俺はスタンコ。」

こうして南米人3人は見事に市長に取り入った。

「早速じゃが貴様ら余所者には名誉ある任務じゃ。貴様らには盗賊団に攫われたワシの娘でスタンコ君のガールフレンドを助け出してもらう。命懸けでな。」

「ドナは俺が助けたいがお前たちに頼む。」

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