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プロト版魔法少女キリングフィールド小林  作者: 東山ききん☆
第二部 ココアはここだ?地球の午後と魔法学園
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「第二部」第四話 世の中について学んでみよう!?ワクワクドキドキ実践授業

第四話 ファントム


二人の前に現れたのは人間の姿をした女子高生だった。

「探したよお姉ちゃん。」

「妹…!?」

「もー、妹の事も忘れたのかよ。俺だよ。御子柴カカオだよ。」

御子柴カカオと名乗る男性的な女性。男っ気のある話し方だがどう見ても女性であった。

「ていうかどういう事なの?誰なのこいつ?私に妹がいたの?」

「こいつはもちろん人間ではない。私はこいつに関して見に覚えがない。つまりこれはおそらく宇宙人の仕業だろうな。」

「じゃあこいつもロボット⁉」

「記憶も見た目も完璧だろう。それにこいつだけではないよ。」

「何してるんだよ姉ちゃん。早く学校行こうぜ。」


カカオと名乗る女について行くと見えてきたのは市立宇宙高校という看板の立てかけられた学校だった。

「おはよー」

「おはよー」

聞こえて来るのは高校生達の声、目に見えるのはごく一般的な生徒達の登校風景である。

「人がいっぱいいるわ。どういう事。人類は滅んだんじゃなかったの。

それによく考えたらこの場所は昨日グレイに追われた時に通ったけど、その時こんな学校なんて無かったわ。」

「グレイ達が人間のレプリカントを大量に作り街を再現したのだよ。それも一晩のうちにこれ程の規模でやってのけたのだ。」

「一体なんの為に。」

「宇宙人の考える事などよくわからん。」


二人がいる場所から数十キロ離れた場所、則宗は大坂城に着いていた。

「ただいま戻り申した。」

「あら遅かったのね。」

出迎えたのは和服を纏った美女であった。

「お千佳か。」

「いかにもぉ。」

お千佳と呼ばれた美女が軽い調子で返した。二人は顔なじみのようである。一方の則宗は無表情であった。

「どうやらこの時代は想像以上にやっかいでござるぞ。」

しかし、お千佳は則宗の話を聞く事なく肩を掴んで鼻を近づけた。

「女の子の匂いがするわ。どうやら何か発見でもあったようね。」

「いかにもな。役に立ちそうな情報も幾つか集めてきた。それにしても相変わらず人並外れた嗅覚だな。雨が降っていたというのに。」

お千佳はその言葉も聞く事なく則宗の肩に花を載せると一人で城の中へ行ってしまった。この美女は元来こういう所がある。

「おお則宗ではないか。」

更に城の中から現われたのは身の丈2mはあろうかという巨漢である。

「入道でござるか。」

「殿がお呼びだ。」

何時の間にか肩に乗せられた花が砕け散っている。お千佳に限ってはよくある事である。


今、大坂城天守閣にて一人の大名の眼前に9人の男女が集結していた。

「皆よう帰ってきた。まずは名を名乗れ。」

「筆頭、服部半蔵にござる。」

「小烏少将にござる。」

「遠御堂則宗にござる。」

「高欄良之助にござる。」

「お麻衣でござります。」

「彦根渡入道にござる。」

「お千佳にござります。」

「虎穴雷獣由良にござる。」

「木下田竜でござる。」

「熱血シュウトでござる。」

「最後の奴誰だ。」

「うむ。お主らよう帰ってきた。さあこの豊臣秀頼に事の次第を報告するのじゃ。」

「かしこまりました。」

半蔵が秀頼の前にでた。何故この男が敵方であるはずの大坂城にいるのだろうか。それは大阪夏の陣の時に服部半蔵が誰であろう豊臣秀頼と出会い、その人柄に惚れ込み徳川を裏切っていたからである。その道では結構有名な話である。

「まず我々が外へ出て調べましたところ、この世界は大阪夏の陣、つまり我々がいた時代より四百年も後の時代のようでござります。」

「うむ。やはりタイムスリップはうまく行ったか。」

秀頼はにやりと笑った。続いて貴族風の男が前に出た。

「この小烏少将の忍法『火鼠の羽衣』を用いてすれば容易い事にござります。」

この小烏少将こそ真田最強の忍者であり、時空を超える忍法『火鼠の羽衣』の使い手であった。


「それで、外の世界はどうであったか。」

秀頼は興味深げに尋ねた。

「はっ。やはり我々の時代とは大きく異なる様子。まず、人類が滅んでおりまする。

また、ここ数日宇宙人が到来し、瞬く間に超常的な幻術を持って当世の様相を再現している様子。」

「何と。驚いて何も言えぬわ。それは南蛮人の地図よりも外から怪生の類がやってきたいう事か。

ならば異邦者はわざわざ敵を蘇らせて何を企んでおる。」

「はっ。おそらく観察かと。

敵方を攻める際には敵方を知る事が必須。一見敵が滅んでいたとしても、それは見せかけだけに過ぎぬかもしれませぬ。故に、宇宙人からすれば見えぬ敵を待つよりも、見える敵を蘇らせる方が軍法の意にも沿う事かと。」

「忍の者達よ。」

「はっ。」

「敵がわざわざ状況を作ってきれたならばそれに乗る事よ。宇宙人の作り出した世界に紛れよ。現代人に扮して機会を探るのだ。」

「はっ。」

「ところでなんかさっきから全裸のおっさん混じってるんだけど。」

「警察に通報した方が良いかと。」


そんなことより虎穴雷獣由良とお麻衣の遺骸が京都で見つかったのは翌日のことであった。


一方、ココア達は真面目に授業を受けていた。

「ココアちゃん久しぶりー。」

話しかけてきたのは小柄なボブカットの女子であった。

「あなた誰でしたっけ?」

「恵子だよ。忘れちゃったの?」

彼女の名前は恵子バウアー。ハーフである。バウアーは金髪でありながら不良じみたところの無い優等生だった。

「一緒に小魔術部に入ってたじゃないの。」

「しょ、小魔術?そう。そうだったわね。うっかりしてたわ。」

それよりもココアは担任の先生がルミ子だったことが気になっていた。

「さあ部活に行こうよ。」

何故かココアは体育館に連れ出された。

「小魔術部へようこそ。私は新しく顧問になったルミ子よ。」

「うむ。私は大塩平八郎。陽明学者だ。」

宇宙人は歴史に疎かった為に全く関係のない人物を蘇らせてしまったのだった。つづく。

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