9/62
小説家ごっこ
夢ばかり追い求めていた学生時代
現実の厳しさがまったくわからずに
努力すれば夢は叶うと思っていた
今思えばそれは儚い夢だった
現実感のない世界は
あまりにも簡単に崩れ去った
結局、甘い言葉でいい気になって
ごっこ遊びには多過ぎるお金出して
小説家ごっこを楽しんでいただけ…
そんな単純なことに気付いたのは
社会に出てから
一人前に働くようになってからだった
別にわざわざ本なんか出さなくても
作った小説をホームページで発表して
満足している自分がいた
結局、安定した生活と
売れない小説を発表さえできれば
それでよかったことに気付いた