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きれいなモノを素直にきれいと思えたとき
大人でも子供でもなかった頃
きれいなモノなんか
まやかしの嘘だと思っていた
汚れきった世の中で
見せかけの美しさが不自然だった
汚れきった世の中で
きれいなモノを作り続ける人が
偽善者のようで許せなかった
汚れきった世の中が
「汚い」と言える人を心から尊敬した
完全に大人になった今
ようやく、きれいなモノを見て
素直にきれいと思えるようになった
汚れきった世の中で
きれいであり続けることの大変さを知った
汚れきった世の中で
きれいなモノを作り続けるのは
どれだけすごいことなのか知った
汚れきった世の中を
「汚い」と言っても何も変わらないと知った