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箱庭
子供の頃に箱庭でよく遊んだ
箱庭の中には僕だけの世界が
どこまでも広がっていた
何もかもが思いのままだった
大人になれば現実社会すら
簡単に動かせると錯覚していた
大人になった今
僕は箱庭の中で遊ばれていた
そこはまったく自分の思い通りに
ならなくていじらしかった
大人になって現実社会が
大きな箱庭にすぎないと悟った
自分の意思で決めているようで
本当はいつも周りの顔色を気にしている
自由気ままに動き回っているようで
本当は会社とか家庭とかに縛られている
自分の人生を歩んでいるようで
本当は誰かに操られているかもしれない