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サクラキライ/特別な人
サクラキライ
花が開けば 春来たる
満開なれば 花見する
散り際さえも 魅了する
いと美しき 桜かな
桜の季節に 喜ぶ人々の陰で
桜の季節を 喜べない人々
受験に失敗して 浪人が決まった人
就職先が決まらず 不安な日々を過ごす人
サクラキライと 叫ぶなり
葉桜なれば 毛虫わく
木登りすれば 枝折れる
秋になるなり 葉散りゆく
冬は枝のみ 殺風景
わずか二週間足らずの
花の季節のために
残りの五十週は
見向きもされない桜の木
サクラキライに 成らざるや
特別な人
この世界に
特別な人が
どれほどいると
言うのか?
オリンピックに
出る人は
紛れもなく
特別な人だろう
銀幕の向こうで
ニヒルな笑顔を
振りまく芸能人も
特別な人だろう
でもそんなのは
ほんの一握りで
あとはみんな
ありふれた存在
そんな僕らは
特別な人の
些細な動きを
ぼんやりと見ることしかできない
おかしいよな
四民平等の世の中で
なんでこんな差が
生まれてしまったのか?




