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のっぺらぼう
夢の中で出会った君と僕は
とても楽しそうにしていた
それなのに君の顔はのっぺらぼうで
声も機械のように無機質だった
どうして顔と声がないのか
僕はおそるおそる君に尋ねてみる
君は寂しそうに答える
「あなたとはまだ一度も会ってないから」
機械のような声だけが頭に残った
目が覚めると
ただ君に会いたいと強く願った
ただ君の声が聞きたいと強く願った
ネットの中で偶然出会った君は
僕にいろんなことを教えてくれた
君と僕は同じ目標を持っていて
君はいつも僕の一歩前を歩いていた
そんな君のことを心から尊敬していた
もし君がいなかったら
僕はここまで来ることができなかった
夢の意味を理解したとき
君の存在の大きさに驚かされた
自分の本当の気持ちに気付かされた
一度も会ったことがない君に
恋をしてしまうなんて思いもしなかった…
何度、のっぺらぼうの君と夢で出会えば
本当の君に会えるの?
今は、ただ君に会いたい…