36/62
光を見ぬままいなくなった君へ
光を見ぬままいなくなった君へ
母は楽しみにしていました
お腹ですくすく育つ君が
明るい世界に出て来る日を…
世界はとても明るいですが
つらいことや悲しいことも
たくさんあります
でも、それ以上に
楽しいことや嬉しいことが
たくさんあります
父もお腹の中で暴れる君の鼓動を
毎日確かめては
外に出て来る日を指折り数えていました
それなのに
まだ名も無き君は
突然遠い世界へ旅立ってしまいました
外の世界に出て来るのが怖かったのかな…
私達の子どもになるのが怖かったのかな…
それとも遠い世界へ帰りたくなったのかな…
もし気が向いたらまた戻って来てね
今度こそ外の世界に出て来て
三人で手をつないでお散歩しましょうね




