荒れたぜ!…グレてはいねーよ?
ーー数ヶ月後
ウオーッ!
「被害は!?」
「先陣は既に壊滅!敵は未だ健在です!」
「怪我人は後退させろ!他の奴は全員でアイツを止めるんだ!」
「き、来やがった!」
「う、嘘だろ…?たった“1人”であれだけの数を倒したのかよ!?」
ドゴォ!
ガキィン!
ズドォン!
「こ…これが…元勇者の、力…」
ガクッ
「…そんな過去はとっくの昔にドブに捨てたよ」
そう吐き捨てて、魔王城内に入る
「さて、魔王は何処かねぇ…」
とりあえず、湧いて出てくる衛兵を逆刃刀で叩き伏せる
ん?この部屋、明らかに装飾が豪華なんだが…
「…よし、此処はスルーだな」
「何でやねん!?」
ドゴォ!
「グッハァ…!」
ボケたら知らない女の子にアッパーされた
ちょっとした浮遊体験に感動したが、体勢を立て直す
相手を確認すると、見た目は俺と同い年ぐらいだ
見た目も美少女の部類に入るし、スタイルも…ってか、ベタな設定だなちきしょう!
「普通豪華な扉言うたら魔王の部屋や思うやろ!何スルーしようとしとんねん!?」
関西弁の元気過ぎ(?)な女の子と覚えとこう
「…で?お前が魔王な訳?」
「魔王はウチのおとんや!」
「じゃあ、魔王の娘か…。その娘さんが何の用?俺忙しいんだけど」
「アンタ元勇者やろ?そない奴がウチらん所攻め込んで来たんやから迎え討つんが当然やん」
「ふ~ん…」
「それに、おとんがアンタと話したい言うとってん」
「ふ~ん……は?」
「せやから魔王ん所にご案内~♪」
「ま、待て…どういう事だ~!」
そんな訳で魔王の娘なる女の子に拉致されました
ーー魔王の部屋
「ほぅ、こいつが元勇者はんか…」
「せやで!此処スルーしようとしとったからウチが引き留めてん」
「ナイスや、レイナ!」
え、何…これが魔王?
明るいおっさんにしか見えないんだが…
「おっと、忘れとったわ。勇者はん、とりあえず名前聞いてもええか?」
「…慎吾」
「慎吾はんやな?ほんじゃ質問や。あんさんと戦こうた奴らなんやけど…何故殺さへんかったん?」
「殺すも何も、俺にメリットなんか無いからな。それに、魔族だからとかそんな理由で殺すなんておかしいだろ?」
「そか、変な事聞いてすまんな。…で、此処には何しに来たん?」
「…喧嘩!」
「「…は?」」
おお、流石は親子だなww
「だから~、今の俺がアンタら魔王討ち取ったら国中からバッシング来るだろ?そういう訳だから喧嘩って事だよ」
しばしの沈黙が起きる
その沈黙を破ったのは…
「アッハハハ!け、喧嘩って…ハハハハ!」
関西弁魔王だった
「ハハハ。…で、コイツ殴って良いの?」
「お、おとん!流石に失礼や!」
「ハハハ、いやーすまんすまんww此処に来る奴は問答無用で殺しに来よるからな。そんな事言いはるの、慎吾が初めてやww」
「誉めてんのか貶してんのかどっちだよ…?」
「これでも誉めてんやで?」
「そうか、俺には馬鹿にしてるように見えるがな…」
あと、魔王の娘…レイナだっけ?…がオロオロしながら見ている
おい、さっきまでの勢いはどこ行った?
「気に入ったわww慎吾、お前ウチらの仲間にならへんか?」
「……え?」
ナニ言ッテンノ、コノ人
「お、おとん!?いきなり何言い出すねん!」
「おもろい奴やん。一緒におったら楽しい物見れるやんか」
「せ、せやかて…」
「もう決定事項やww」
…こうして俺は魔王の仲間になった(無理矢理)
「…あれ、俺の意見は?」