悪役はいつ見ても腹立たしい!
またまた短い…(・_・;)
王女さん達にさっきの話をしたら了承してくれた
ゲイルは何か言いたそうだったが無視を決め込む
そして、試合開始を告げる鐘が鳴った
ーと同時にカインが突っ込んでくる
俺は直ぐに抜刀し、迎え討った
ガキィン!
鍔迫り合いになり、押し負けないよう踏みとどまる
「本当に良いんですか?貴方が負けるともう勇者として生きていけないんですよ?」
「…はっ、最初から奪うつもりの癖に今更聞くのかよ?」
「…それもそうですね」
カインが後ろに飛び退き、俺も後退する
剣裁きはほぼ互角だが、あいつの方が勝っていると思う
だからと言って諦めはしねぇけどな…
俺は刀を構え直し、カインに突っ込む
また鍔迫り合いが起きる
「…思ったのですが、貴方のその剣は何なんですか?」
「剣じゃねぇよ。逆刃刀っつー刀、だ!」
カインを押しのけ、追撃する
ガキィ!
ギィン!
ガキィン!
ちっ、全ての斬撃を受け流すとかどんな目と運動神経だよ!
結構本気で振るってんだぞ!?
「そのような剣で良く闘えますね。正直、油断してましたよ」
「へっ、その割には余裕そうじゃねぇの?」
「まあ、僕にはこれがありますから、ね!」
そう言うとカインは左手から何かを俺の方に放った
その直後、右目に刺すような痛みが走る
「がっ…!?」
「これで終わりですよ!」
右足にも痛みが走り、耐えきれず膝を着く
「…てめぇ、流石に目潰しは無いんじゃねぇの?」
痛みに耐えながら精一杯の皮肉を言ってやった
「こうでもしないとケガしちゃうじゃ無いですか」
にこやかに笑って答える
どこまでもムカつく野郎だ…
その時、試合終了の鐘が鳴り結果を告げる
ーー只今の試合、決闘士カインの勝利!
その直後、会場からはどよめきが起きる
それもそうだ。勇者が決闘士に負けるなんて考えもしないだろう
中には罵声を言ってる奴も居るが俺は何も返せない
自業自得だからな…
カインは…もう居ないな
恐らくは王女さん達の所に行ったんだろう
「俺も戻らねえとな…」
そう呟き、控え室でケガした足に包帯を巻き、目も消毒してから包帯を巻く
ってか、何で治療道具があるか分からん…
決闘士達用かなんかかね…?
ーーコロセウム(外)
俺が外に出ると、既に全員が揃って居た
正直、視線が痛い…
「勇者様、約束ーー」
「分かってる。俺はもう勇者じゃ無い…勇者はカインだろ?」
「…分かっているなら構いません。貴方とは此処でお別れです」
そう言い残し、新しい勇者一行は去って行った
周りの奴らは小声で囁き合い、嘲笑している
…ああ、覚悟しといたけどストレートに言われるとキツいな
俺の無事な左目から涙が一筋落ちるのをまるで他人事のように思いながら、奴らの去って行った方を見つめ続けた