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境界  作者: はらぺこ姫
第4章
44/50

ご飯はどっち?

ユウ視点

「ねえ、ドラきち。何言ったの?」


骨だけになった、残骸をぽいっと捨てて、ドラきちに聞く。


『丸焼きはやれん』


ちょっと考えて、確かにとは思ったものの。


「でもさ、この辺何も無いよ?」


母鳥が、街にまでくるほどなのだ。


周りには何も見えない。


「あ…でも、地下には何かいるね」


ユウ達の足音に釣られたのか、何かの音が地下から聞こえる。


その時。


ばさっ。


羽音。


上空から母鳥が急降下するタイミングで、顔を出したのは、巨大なワーム。


「えっ」


避けるユウ。


その時、嘴が真横を掠める。


「ま、まって。ちょっと」


とユウの動く先に出るワームと。


母鳥の捕獲。


「つ、疲れたー」


穴のたくさん空いた地面の上で大の字になるユウ。


「久しぶりに雛たちに、お腹いっぱいご飯を食べさせられたわ」


満足そうな母鳥。


雛鳥達も上からぴいぴいと楽しそうだ。


「ご飯のお礼にこれ、あげるわ」


差し出されたのは、虹色に輝く宝石だ。


「たまには、彼女にプレゼントしないと、ね?」


ユウは、思わずドラきちを見る。


ドラきちは、するっと宝石を口に咥えると、ごくんと飲み込んだ。


「え?食べて大丈夫なの?」


思わず、ドラきちを持ち上げ、お腹を見ようとすると、


げしっ。


かなりの力で蹴られる。


「いたっ」


ユウが、思わず手を放す。


すると、ドラきちの身体が、何回転かし。


「虹色の翼?違う、これオーロラの色だ」


先程の母鳥と同じ翼の形。


でも、ドラきちの背にあるのは、オーロラ色の翼だ。


『どうやってさっきの場所に戻るつもりだった?』


ドラきちに問われ。


「走って?」


答えるユウ。


『時間がかかるわ。

それまでに、丸焼きを何頭食えると思っておる』


ユウが首を傾げる。


『光栄に思うが良い。

あの小さなミミズしか食えん鳥よりもっと早く飛んでみせよう』


ユウの身体がフワリと浮き上がる。


「うちの子達が巣立つ迄には遊びに来てねー」


という声は、後の方から届けられた。


~草原の街~

「いやあ、あの時はびっくりしましたよ」


と言うのは、王都から一緒に同行した、商人の人だ。


この街は、王都とも、村とも違い、ゴザと呼ばれるものの上に、敷物を敷き座って売るのが主流のようだ。


その奥からは、牛一頭の丸焼きやら、その香ばしい香りやらが街の中を漂っている。


「それだけじゃないよね。この香り」


お店で、粉を売っているおじさんを見かけ、声をかける。


村では薬草。


王都では香味料。


ここでは、スパイスと呼ばれるそれは、ユウに新しい刺激をもたらす。


「わかるか?これは—」


次々にスパイスを並べて解説してくれるおじさん。


横にはいつの間にか、商人のおじさんも一緒になって、これは?と談義を交わしている。


「これのスープもお勧めだよ」


と差し出されたのは、近くの屋台のおばさんだ。


「ピリッとする」


初めての味にユウが顔を顰める。


「でも、この薬草と合わせると」


と、ユウが取り出したのは、光る草を乾燥したもの。


スパイス屋のおじさんから、すり鉢とすりこぎを借りて、ちょっとずつ考えながら混ぜていく。


「え?こんなに沢山の種類混ぜたら」


商人のおじさんが、驚く横で鍋を出し、買った果物なども入れていく。


「うん。この味」


ほんの少し、別に買った丸焼きの肉を削ぎ落とし、平べったいパンに乗せたら、ジューシーな味がする。


隣でドラきちももっきゅもっきゅしている。


「へえ。子供が喜びそうだねえ」


と言いながら、鍋の味見をした屋台のおばさん。


「そのスパイス全部くれ」


とは、商人のおじさん。


「あ、ああ。まいどあり」


スパイス屋のおじさんがあたふたしている横で、ユウは。


「お土産、ニールさんにも居るかなあ」


とのんびり考えていた。

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