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境界  作者: はらぺこ姫
第4章
40/50

初仕事

ユウ視点

次の日。


地図を片手に、ユウは街の中を歩く。


「あ、昨日の」


と、昨日のユウを知っている人だったり。


「ああ、赤マントね」


と、うんちくを教えてくれたり。


昨日とは違い、声をかけると行く先々で、人が好意的に話をしてくれる。


「お、ユウじゃないか。どうした。地図を持って。迷子になったか?」


ニールさんの声に振り向く。


「この辺で、赤マントが消えたらしいんで、見てたんです」


ユウの言葉に、ニールさんも頷く。


「そうなんだよなあ。何故か途中で消えるんだよ」


2人で悩んでいるところに、ギルドの職員が手を振っている。


「あ、丁度良かった。ユウさん、仕事です」


一旦、赤マントの話は忘れて、ギルド職員に付いていくユウ。


ギルドに入ると、受け付けの人が、他の冒険者にも声をかけていた。


「ユウさんの場合は、今回見習いなので、

タグはありませんが、こちらをご使用ください」


手渡されたのは、手首に巻くバングル。


「これには、一緒に行く冒険者の名前があります。

緊急時には、このように、バングルを引きちぎっていただきますと、

冒険者ギルドに通知が行くようになっています」


説明に、ユウは頷く。


「今回の行き先は、港町になります」


指し示された場所に、ユウの顔が輝いた。


~港町にて~

道中は、大きな事件もなく。


無事に港町へ辿り着く。


他の冒険者の人たちも経験豊富で、色々なことをユウに教えてくれた。


「ユウ、とにかく、食べ物に釣られてついていくな。

それに、匂いに釣られてふらふら歩いて行くな」


…そこだけは納得出来ない。


「まあ、とにかく無事に着いた。ここは、皆で網焼きするんだよ。

ユウの村とちがって。だから、浜辺の方に歩いていくといい」


と、冒険者の人たちが教えてくれる。


商人の人ともずいぶん打ち解けて。


「ユウ、帰りもお願いね。あの鍋よかったわ」


と、次の指名まで頂き。


ユウは教えられたとおりに浜辺へ向かって走っていく。


「わーい。海だ!!」


今まで見てきた湖とは違う、波の音。潮風、そして…。


「クラーケンだ!!」


誰かの叫び声がする。


ユウの目に映ったのは、何人かの人を喰らおうとする、巨大な生き物の姿だった。


「ねえ、あれ、本気で危ないよね」


つい、いつものように話をするも、誰も答えてくれない。


返ってきたのは、波の音と、逃げ惑う人々の姿だけだった。

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