美味しいご飯
ユウ視点
答えはやっぱり美味しいご飯の再編です。
薬草畑は、風もないのにさわり……さわりと葉が揺れている。
足元の土も少し湿ったようなそんな柔らかさで返してくる。
薬草独特の匂いが、鼻をくすぐり、ユウはちょっと顔をしかめる。
「ナナちゃん、手を出して。ほらあ、こんなにべたべたにして」
ナナは、さっきの木の実でべたべたになった手をおばあちゃんに見つかり、布巾で拭いてもらっている。
布巾のくすぐったさに身をよじるナナ。
「ほら、出来たよ。さ、気を付けていっといで」
おばあちゃんに、ぽんっと背中を叩かれるナナ。
「任せといて。とびっきりのお土産持って帰ってくるね」
ナナも、両手を大きく伸ばしてうれしそうだ。
「ペッカ、ちゃんと鍋の材料…そこは心配ないな。おっちゃん、ちゃんと子供が危ないことせんように頼んだ」
ちょっと、向こうの湖まで、お弁当を食べに冒険に行くだけなのに、いつも大げさに言うおじいちゃん。
「じゃあ、行ってきます」
薬草畑で大きく手を振り、出発して。
しばらくすると、赤いんだか、黄色いんだかわからないキノコの森に出た。
そこでは、
「これと、これ、そんで、これもじゃ」
よくわからないキノコをつぎつぎ指さすペッカじいちゃんと、黙って袋にいれるおっちゃん。
その間に、ユウも美味しそうなキノコをいくつか見つける。
家に帰ったら、絶対図鑑で調べなきゃ…。
ユウがペッカじいちゃんと、おっちゃんを見ながら心で誓っていると。
「なーんか、光るのみっけ!?」
木の洞の中を、ナナが光るものを見つけ覗き込む。
「だから、危ないって。こらっ」
猫の子のように、おっちゃんに襟首をつかまれてぷらんぷらんと、ナナの足が浮いている。
「だってー。お土産~」
ぷう。と頬を膨らませるナナ。
「あーもう、分かった。ナナは、湖見つけろ、もうそれでいい」
肩車されたナナを、絶対に羨ましくなんて…ない。
「わあー。キラキラ!」
ナナの歓声に、ユウは駆けだす。
ナナも、おっちゃんの頭をゲシゲシ叩いて、後をついてきた。
ほほを流れる柔らかな風、足元には綺麗な花。
目の前には、全てのキラキラを詰め込んだような湖。
そして…そこは、お弁当を食べるには最高の場所だ。
各々が、広げたお弁当に、ナナが目いっぱいの笑みを浮かべる。
「今日は、オムレツの日!!」
ふるふるの卵が、ユウを手招きしているように見える。
ユウはそっとあたりを見回す。
ペッカじいちゃんに狙われないようにしないと…。
隣のナナも、お弁当箱を手で隠すように持っている。
さりげなく、おっちゃんの後ろで、お弁当を食べる。
「ぷはあ、食った、食った。やっぱり働いた後の飯は美味い」
無事、弁当を食べ終えたおっちゃんが、腹をさすりながら寝転んだ。




