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境界  作者: はらぺこ姫
一章
4/6

美味しいご飯

ユウ視点

答えはやっぱり美味しいご飯の再編です。

薬草畑は、風もないのにさわり……さわりと葉が揺れている。


足元の土も少し湿ったようなそんな柔らかさで返してくる。


薬草独特の匂いが、鼻をくすぐり、ユウはちょっと顔をしかめる。


「ナナちゃん、手を出して。ほらあ、こんなにべたべたにして」


ナナは、さっきの木の実でべたべたになった手をおばあちゃんに見つかり、布巾で拭いてもらっている。


布巾のくすぐったさに身をよじるナナ。


「ほら、出来たよ。さ、気を付けていっといで」


おばあちゃんに、ぽんっと背中を叩かれるナナ。


「任せといて。とびっきりのお土産持って帰ってくるね」


ナナも、両手を大きく伸ばしてうれしそうだ。


「ペッカ、ちゃんと鍋の材料…そこは心配ないな。おっちゃん、ちゃんと子供が危ないことせんように頼んだ」


ちょっと、向こうの湖まで、お弁当を食べに冒険に行くだけなのに、いつも大げさに言うおじいちゃん。


「じゃあ、行ってきます」


薬草畑で大きく手を振り、出発して。


しばらくすると、赤いんだか、黄色いんだかわからないキノコの森に出た。


そこでは、


「これと、これ、そんで、これもじゃ」


よくわからないキノコをつぎつぎ指さすペッカじいちゃんと、黙って袋にいれるおっちゃん。


その間に、ユウも美味しそうなキノコをいくつか見つける。


家に帰ったら、絶対図鑑で調べなきゃ…。


ユウがペッカじいちゃんと、おっちゃんを見ながら心で誓っていると。


「なーんか、光るのみっけ!?」


木の洞の中を、ナナが光るものを見つけ覗き込む。


「だから、危ないって。こらっ」


猫の子のように、おっちゃんに襟首をつかまれてぷらんぷらんと、ナナの足が浮いている。


「だってー。お土産~」


ぷう。と頬を膨らませるナナ。


「あーもう、分かった。ナナは、湖見つけろ、もうそれでいい」


肩車されたナナを、絶対に羨ましくなんて…ない。


「わあー。キラキラ!」


ナナの歓声に、ユウは駆けだす。


ナナも、おっちゃんの頭をゲシゲシ叩いて、後をついてきた。


ほほを流れる柔らかな風、足元には綺麗な花。


目の前には、全てのキラキラを詰め込んだような湖。


そして…そこは、お弁当を食べるには最高の場所だ。


各々が、広げたお弁当に、ナナが目いっぱいの笑みを浮かべる。


「今日は、オムレツの日!!」


ふるふるの卵が、ユウを手招きしているように見える。


ユウはそっとあたりを見回す。


ペッカじいちゃんに狙われないようにしないと…。


隣のナナも、お弁当箱を手で隠すように持っている。


さりげなく、おっちゃんの後ろで、お弁当を食べる。


「ぷはあ、食った、食った。やっぱり働いた後の飯は美味い」


無事、弁当を食べ終えたおっちゃんが、腹をさすりながら寝転んだ。


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