王都の赤マント
ユウ視点
ニールさんが、鍋?と首を傾げる。
「もしかして…今流行ってる鍋スープじゃない?」
ニールの彼女の言葉に、ニールが納得したような顔をする。
「それだ!」
の言葉を合図に。
「なんか、ダイエットにもなるって」
とちょっと小太りの野菜売りのおばさん。
「あー、有名店だとなかなか食べられないやつか」
と、団員の一人。
その間、ユウは黙々と鍋の準備をしている。
「なあ、それ味付けのコツとかあるのか?
…適当な気がするんだが」
とユウに聞いているのは、昼ご飯を食べた食堂のおじさんだ。
「味?美味しくする?」
ユウも、いつもの手順をやっているだけなので、うまく説明できない。
とりあえず、手伝えることはないかと食堂のおじさんが手伝い始めると。
あとはなし崩し的に皆で作業する流れが出来る。
そして、しばらくして。
「ほう」
良い香りに釣られるように、誰かのおなかが鳴る。
「よし、出来たよ」
待ちきれないとばかりに群がる人たち。
最終的に自身も食べ始めたものの。
「なんか違うんだよなあ」
という呟きが漏れた。
やがて、鍋の中身もあらかた片付き。
雑談を始める人の方が多くなったころ。
「そういえば団長」
団員の一人が団長に声をかける。
「最近、赤マントの目撃情報減ったんですよ」
その言葉に、そう言えばと街の人たちも情報をすり合わせ始める。
「多分、私たちの時が最後になるんじゃない?」
ニールの彼女の言葉に、そうか?とニールさん。
「赤マントって?」
ユウの問いに。
「縁結びの神様」
と、ニールの彼女。
「赤マントが出たと聞いたら、街の娘がこぞって着飾って出るんだよ。
で、それ目当ての若いもんも出る」
懐かしいなねえ。と誰かが呟けば。
「そうそう、一時期、それのトラブルが多くて。
まあ、彼女持ち多かったんで冷静には対応出来ましたけど」
とニール。
「でも、捕まえたいんだよ。
でも、騎士団総出で追っても捕まらないんだよなあ」
と、別の団員が言えば。
「それは、女神様のお使いかも知れないよ。
人外の動きらしいじゃないか」
と街の人。
「確かに、普通の人じゃあ、三階まで飛ぶなんて芸当出来ませんよね。
団長ならともかく。ってあれ?団長は?」
そういえば、とキョロキョロと皆が探していると。
家の中から酒瓶を持った団長が現れる。
「やったあ!お酒だ!宴会だ!」
と喜ぶ人たち。
そこに、
「赤マント、現れました」
と、外から知らせが飛び込んできた。
赤マントについては、番外編①の月夜の出会い参照




