全員集合っ
エリー視点
暖かな毛布の居心地が、微睡みを誘う。
体の下からは、ゴトゴトという車輪の音。
やがて、馬車をノックする音がする。
「着いたのだが、出られるか?」
ラオス様が必要だというから、ここまで来たけれど。
ほんの少し硬いラオス様の手を借りて、私は降り立つ。
サクッ。
どんな高級な絨毯にも負けない柔らかい草の感覚。
そして、ふわふわ舞う蝶々。
サワサワと揺れる色とりどりの花。
全ての世界の青を集めたような、湖の色。
ほんの少しの森の香りがする。
「こ、ここはだな。この辺りで、一番重要な昼の食事処だと聞いている。
妻目線での感想を聞かせてもらいたい。
…報告書に書く必要がある」
渡されたバケットを一口齧る。
この食感は、ラオス様の好みだけど、味は少ししょっぱいわね。
このサラダは、チーズをかけた方がラオス様の好みだわ。
「当たり前だ。エリーほど美味い飯を俺は知らん」
その時、カラカラという音と、小さな足音に、ガタゴトという車輪の音が重なる。
「うぉーい。今日の弁当は、お肉だヒャッホイ」
陽気なお爺さんの声に、
「あ、ラオスおじちゃん。こんにちはー」
頭にお鍋を被り、お玉を持った子。
「ほんとだー。ラオスおじちゃん」
頭に奇妙な羽の生えた生き物を乗せ、菜箸?を持った子。
「ねえねえ、この綺麗なお姉さんだあれ?もしかして、この前言ってた奥さん?」
そういえば、お弁当って言ってたわよね。子供たちはスープでも作るのかしら?
「で、スープの具はどこですの?」
その言葉に、ぴしりと固まるラオス様に、ラオス様とよく似た人。
「そこの魚美味いでなあ。んで、あっちの森にはきのこ、木の実はさっきナナが採ったのがあるじゃろ?作ってくれるんか?」
やたらキラキラした目で見つめてくるお爺さん。
「材料があれば、ですけど。でも、火を起こす道具持ってませんの」
「それは、私が手配しよう」
ラオス様は、森へ駆けて行った。
「じいちゃん、わかったわかった。獲れば良いんだろ?まったくしゃーねーなー」
頭を掻きながら、近くの枝をポキッと折って湖の方へ行く男の人。
私は鍋を被った子に聞く。
「それ、貸してくださる?」
鍋をギュッと握り締める子。私が作るのはダメなのかしら?
しばし考える。
そういえば、あそこにあれがあって、
ここにあれがあって。
で、ここをこうすれば。
「お姉さん、何作っているの?」
女の子が首をかしげるのに合わせ、頭の生き物も揺れる。
「これ?」
お鍋を被った子が、ラオス様の胸元の階級章をじっと見てたから欲しいのかなと思って作ってみたのだけど。
「あなたと、あなたにはこれ、ね」
頭の子には蝶ネクタイ、女の子には、エプロン。
「で、あなたにはこれをあげたいんだけど」
ラオス様から聞いたんだけど、階級章はその人の身分をあらわすんだって。
だから、鍋とおたまを入れてみたのだけど?




