報告すべき案件
ラオス視点
調査を行う世界の再編です
そしてよく朝。
穏やかな小鳥たちの鳴き声とともに集まる村人。
いつの間にか、村の中央には、演台が作られている。
村の子供達は、最前列でキラキラした目で、ラオスを見ている。
ラオスの動きを真似する子、それを注意する子など様々だ。
こほん、と咳払いをしてラオスは、報告の態勢に入る。
「皆の者、今回、急な調査にもかかわらず、ご協力感謝する。その中で、この村に足りないものを確認した。それは、医者だ。幸い、私には1人心あたりがある。この村に合うと合理的な判断の元、この村に派遣してもらうものとする」
顔を見合わせ、ざわつく村人たち。
「この村には、御老体の方々も多い。医者が必要だと判断したまでだ」
視界の端に、リアカーと、腕を組みソッポを向いた姿を確認する。
あえて、その姿を目に入れないよう、注意しながら、
「小さな未来を担う者たちが、風邪など引いても薬草のみが頼りなのが、この村の現状だ。何かあれば、相談出来る医者が必要ではないか?」
はっとした、村の若い人たちがしきりに頷いている。
母親に至っては、小さな赤ちゃんをぎゅっと抱きしめている。
同意を得られたと確信したラオスは、さらに続ける。
「そのほかの点においては、滞在時間が短かったこともあり、引き続き調査が必要であると判断する。また来るので、皆の者、そのつもりでいるように」
唖然とする顔を、再び視界の端に納め、自身の顔が綻んでいることにも気が付かないまま、ラオスは、馬上の人となる。
馬も、早く帰りたそうに、しきりに頭を振っている。
ヒヒーン。
パカラッパカラッという馬の軽快な足音と共に、ラオスは振り返る事なく、皆と合流する為に馬を走らせる。
スープが冷める前に帰る為に。
明日から、2章。1日1回になります。




