第六話 自分の体臭って他人も気にするけど自分が一番気にするよな!?
グルマについた。ちょうど二週間だ。ユグドラ大森林は迷いやすくモンスターが多くいるそうだ。だから、余裕を持っておきたい。地図にある国境の目印だ。ルー王国とは違い、壁のような明確な仕切りがない。ゆえに出入りが自由だ。その代わり人魔大戦の時は大きな被害を被った。歩いていれば分かる。俺はちょうど集落らしきところにいるが、廃墟だ。死体も放置され、蛆が湧いていた。悪臭もする。死体の中には女子供もいて、無差別な戦闘だったことが分かる。それに比べて兵士の死体がないということは見捨てられたのだろう。俺はまた両手を合わせた。
グルマの中心部に近づいてきた。死体はなく整った街並みだった。グルマは三日で越える予定だ。これだけ整っていれば宿くらいあるだろうと思い、探す。さすがにもう俺の体臭も疲労も限界だ。中心部で人通りもあり、すれ違うたび、鼻をつままれるのは傷つく。
「今夜、部屋を借りたい。」
俺は宿屋を見つけ、入った。俺の見てくれはとてもみすぼらしいものだろう。
「銀貨1枚になります。」
ガグルがくれたお金を使う。俺はまだこの世界のお金の価値が分かっていない。だから、容易に使わないようにしているし、そもそも使える所がない。復興中であるから。
部屋につく。ベッドのみの質素な部屋だ。荷物を置き、俺は浴室に向かう。この宿は大衆浴場がついており、宿泊者は自由に使えるとのことだ。久しぶりに体をしっかり洗える。俺がお湯をかぶると、お湯が真っ茶色になった……




