第四話 静電気がバッチってなったら運命とかいうけど実際は痛いだけだよな!?
マクロサーから荷物を受け取った後、俺は拠点を出た。外にはガグルが待っていてくれた。
「サント、終わったか。それが荷物だな。」
ガグルは俺の荷物を見て、そう言った。
「今日はもう遅い。俺の家に泊めてやる。」
あれ…?俺はまだ病院暮らしじゃないのか…?
ガグルの家に着いた。人類を救った英雄とは思えないほどの質素な家だった。
「サント、お前、死にに行くわけじゃぁ〜ねぇよな。」
もちろんだ。これからの異世界ライフを楽しむ使命があるからな。
「どうしてそんなことを聞く?」
「だって、お前さ、運ぶ荷物しか持ってないじゃないか。自分の食料とか衣服、戦闘装備が一つもないぞ…」
そういうことか。それなら大丈夫だ。
人魔大戦の最中に転移させる不親切な世界だが、それなりのギフトはあった。まず、当たり前すぎて気がつかなかった「自動翻訳」。転移した時から使えていたから、気づいたのは最近だ。次に「収納空間」。簡単に言うとアイテムボックスだ。ガグルの疑問はここで晴らせる。俺は何もない場所から保存食の干し肉を取り出した。
「お、お前!?まさか…アイテムボックスか!?」
「いや、『収納空間』ってスキルだよ。イメージとしてはアイテムボックスかな。なんて…アハハッ…」
俺が話すと、ガグルの顔が青ざめた。そんなに恐ろしいものなのか。
「お前、アイテムボックスを超えた『収納空間』だと?それは千人に一人しか持っていないスキルだぞ。」
なんですとぉ〜!?
「このことは俺以外に絶対に言うなよ。狙われるぞ。味方でもマクロサーにバレたら、収納空間ギリギリまで荷物を積まされ、蜜魔蜂の働き蜂が魔晶石を集めるように使われるぞ。」
よく分からん例えだが、俺が危険になるということは分かった。
「お前以外には絶対に言わないよ。」
ガグルは安心した顔をした。
「それで、収納空間があるなら、日用品とか持っていけるもんは持っていっとけよ。服は俺のやるし、食料は戦時の保存食があったな…」
ガグルは修学旅行前に行く子供よりも荷物を準備して、中身を覚えている母親のようにあれもこれもと俺の収納空間に入れた。俺はただ入るものを拒まず、ただ開けていただけだ。
そして、翌朝。俺はガグルの見送りで初仕事に向かう。
「なんかあったら俺を呼べよ。韋駄天の加護ですぐ行くから。」
頼もしいと言うか、便利というか。まぁ、ガグルなりの心配なのだろう。
「ありがとう。じゃ、行ってくる。」
俺はドアを開けようとした。
イッテ…。
ドアノブと手の間に静電気が起こり、まるでハチに刺されたような痛みだった。




