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第三十三話 すべてはここから…

倉庫周辺では東側は革命派約百五十人の兵が配置された。国王派の騎士は六百人それぞれの場所に配置された。


戦力差は明らかだ。

しかし、騎士と放棄した平民の覚悟の差はある。死を覚悟している平民を相手に騎士はどこまで戦えるか。

手足をちぎれても、彼らは立ち上がるだろう。

だが、国王派倉庫以外にも西側の入り口や倉庫までの道を騎士で先導することになる。もしも、倉庫で開戦したら、荷物が届いた時、革命派の負けが決まる。圧倒的な数の力で。


ーフォーゼは革命派の拠点で腕を組んで座っていた。深淵主からの情報で騎士団の配置は何となくわかった。数の差を埋めるには奇襲し、少数で多数を少しずつ減らなければならない。倉庫に着くまでにどれだけ減らせるからが勝負だ。


「フォーゼ様。荷物をのせた馬車が到着しました。」


フォーゼは頷いた。

倉庫への配置はすでに済んでいる。ここに残るのはフォーゼの親衛隊だけだ。


ー彼らとなら…


フォーゼは命をかけた作戦の決起を決意した。




騎士団は東側から見える革命派の平民たちの数の差、人数の差に勝ちを確信していた。そして、倉庫の騎士たちも道を囲う騎士たちも欠伸をこきながら、余裕を持っていた。


「荷物が届いたぞ。」


騎士たちは一斉に鞘から剣を抜いた。



ーエルは銀時からの思わぬ情報を得て、難しい顔をしていた。


「エル様…」


モズは沈黙に耐えきれず、言葉を発した。


「モズ。心配は要りません。死に急ぐような事はしませんよ。」


モズは胸を撫で下ろした。


「私はどうしたらいいのでしょうか…」


エルの本音が漏れた。

深淵主。敵である。だが、深淵主を倒した所で内乱は収まらない。かと言って放置はできない。


「安心しろ。深淵主はガグルが何とかする。」


「ガグルと言うと、『勇者』ガグル様でしょうか…?」


「そのもの以外に誰がいる?」


何を当然のことをと言う顔で銀時はエルを見た。猫ながら表情が豊かだ。


「その…、大精霊様は一体…?」


「何、愚か者の成れの果てだ。」


銀時はその場から去った。エルたちは無言で小さくも偉大な猫を見送る。


「天使様の御力をお借りしますか…」


「それは…」


エルは覚悟したような顔をした。彼女は本気で内乱を収めようとする。


「外が騒がしいですね。」


モズが言った。


「確かに。始まったのでしょうか…」


エルは感嘆混じりで言った。


「行きますよ、モズ。」


「ハッ!」


暗い地下室に扉を空けたことで光が差した。



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