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第二十七話 運が悪かったとしか言えない時ってあるよな。

ここはイートス王国東側。日はすでに暮れている。宵闇の中、松明のみが道標だ。革命派の拠点に俺はいた。まぁ、勝手に入ったのだが。人はそれなりにいた。ここにはいるのは幹部だろうか。倉庫襲撃の段取りを話し合っていた。


「すみません。その…フォーゼっていう人に会いたいのですが…」


全員の視線が集まる。まるで不届き者を見るような目をしていた。この視線、前で何処かで…。


「フォーゼさんなら、ここにはいないよ。外の空気を吸うって外に出ている。邪魔だ。出ていけ。」


椅子から立った大男が俺を投げ飛ばした。投げ飛ばした方向にちょうど扉があり、俺はそのまま外に出た。


「イッテ…」


俺は土埃を祓い、立ち上がった。


『サント、あそこの茂みから人の気配がするぞ。』


『フォーゼがそこにいるのか、銀時。』


念話でいきなり話すなよ。


『わからん。』


そうか。まぁ、行って損することはないだろう。俺は茂みに向かった。


「ーーーーくだい…深淵主様。」


深淵主ってなんだ…?この声はフォーゼだな。俺は銀時に隠れるように促した。俺の懐のなかに銀時を入れた。


「困ったな。今のボクにはフィオラという名前があるのに…」


幼女は手を顔の前にスライドさせ、顔を変えた。その顔は見覚えのある美しいエフルの顔だった。


「フィ、フィオラさん、何をして…」


俺は衝撃のあまり足が勝手に動いた。茂みをかき分け、フォーゼとフィオラさんのもとに行く。


「サント?どうしたの?」


フィオラさんはキョトンとした顔をした。


「いや、だってガグ…、じゃなくてギメイと一緒にいるはずじゃ…」


「夜だからね。ギメイは寝てるよ。」


いや、ここにいることがおかしい。どうやって…?

少なくとも遊びに行こうと思って行ける距離ではないよな。


「フィオラ様。取り繕うとするのには無理が…。」


「そうだね。も〜う、めんどくさいな。死んじゃぇ〜。」


無造作に手をかかげ、漆黒の魔球を作り上げた。その魔球は俺に向かってとんできた。反射的に俺は避けた。なぜか、避けれたのだ。俺がいた所はえぐれ、大穴があいていた。


「フォーゼくんさ、ボクがこいつを始末するからキミは計画を進めて。任せたよ。」


「お任せを。」


フォーゼはお辞儀をして、その場から去る。


『サント、逃げろ。魔族だ。』


『フィオラさんはエルフでしょ?どうして…』


『わからん。ただ、やつが魔族と言うことはわかる。』


そうかよ。フィオラさん…。


「さてと。広く使おうか。」


彼女は何もしていない。ただ俺は金竹の森まで飛ばされた。耳鳴りがする。意識が。頭を打ったのか。


「もう、いいかな。」


彼女は顔を変えた。紫色の長い髪の毛をツインテールにまとめた幼女の姿になった。


「深淵主ってわけか。」


「チッ。やっぱり聞かれてたか。始末するしか…」


深淵主は俺の体を見た。目を大きく開いた。


「その、その傷は…。『魔王の導』。ま、魔王様、ごめんなさい。ゆ、許してくだい…」


深淵主は泣きじゃくった。年相応かなと思ってしまった。深淵主は涙を拭い、切り替えた。


「でも、計画のためには…。仕方ないよね。バァ〜イバァ〜イ。」


俺はそこで意識が途切れた。何をされたのかは分からない。


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