第二十五話 黒幕って大体代名詞で表されるよな!?
ガグルとフィオラはイートス王国の西側に入国した。西側は城下町だ。しかし、王城も三分の一ほどが崩壊し、城下町は瓦礫が積まれていた。人の気配はなく、とても静かだった。
「フィオラさん、王城に向かいますよ。」
フィオラはフードは被っていることを確認し、深く被り直した。
「フィオラでいい。敬語もいらない。」
「わかった。」
王城に着いた。門らしき所には兵士が二人立っていた。
「何者だ?」
兵士は槍をこちらに向ける。この対応は当たり前だ。門番がしっかりしていないと国は崩壊するだろう。
「オレはルー王国からの使者だ。」
この言葉を聞いた門番の顔は明るくなった。そこからはほぼ顔パスで城の中に入れた。
城の中に入った。応接室のようなところに連れられた。
「座って待っていてください。」
案内役はそう言って外に出ていった。オレとフィオラさんは隣合って座った。城の外見とは裏腹に内装はとても豪華だった。ドアが開いた。
「どうも、使者殿。私はイートス王国第一王子、エルクです。以後、お見知りおきを。」
恭しく挨拶をし、エルクは着席した。胡散臭い笑みで微笑んでいる。
「使者殿。物資は?」
その声には期待がこもっていた。
「その事ですが…」
「くどい。結論は?」
エルクは少し声を荒げた。机を軽くたたき、圧をかける。
「今の状況ではお渡しすることができません。」
「そうか。いつ来るのだ?」
「わかりません。」
エルクは机に穴が空きそうなほど強く叩いた。
「お前はふざけているのか!!!?なんで、使者は来れるのに荷物は来ない?どういう事だ?」
エルクは怒鳴りつけた。
「お前らにとってはただの小国かもしれないが、その荷物に我々はすべてを委ねたのだ!!!!」
「そのすべてのなかに国の民も入っているのか?」
ギメイは冷酷な目で低い声で聞いた。
「何をいまさら!?我々は民のために救援要請をだしたのだ。」
「ならばなぜ、国は二極化し、革命派が生まれるのですか?」
「それは…。あの平民の豚どもが悪いのだ。私と父上の考えも理解出来ぬ下等生物ごときが。」
「そうか。よく分かったよ。」
「なにがだ?」
「この国には援助する価値もないということがだよ。」
エルクは顔を真っ赤にした。地団駄を踏んだ。
「し、使者ごときが、こんな事をしてあの方が黙っていないぞ!?」
あの方ね…、やはりか…
「それはそれは。あの方とやらの歓迎を楽しみにしております。」
ギメイは席を立ち上がり、エルクを嘲笑した。いつの間にか寝ていたフィオラを起こし、応接室を出た。




