第十七話 エルフは素晴らしい
竹林の中で俺は誰か分からないやつから背後から拘束されていた。銀時の話を聞くために荷物を置いたのは失敗だったな。
「振り向いたら殺すと言うのは俺は言葉を口にしても言いってことだよね?」
男はさらに俺の首元に刃物を近づけた。
「少なくともあなたの命を私が握っている。」
あれ…?女性でしたか…。確かに上半身に起伏があるな。
「貴様…」
ヤバい、バレた。なんで…?
「君の目的を教えてくれる?俺はただの人畜無害な歩荷だけど?」
「ボッカ…?なんだ…、それは?」
「この荷物を見ればわかるでしょ?この先にあるイートス王国に物資を届ける。」
彼女の刃物からギチギチと言う音がなった。強く握り締めたのだろう。
「悪かった。私の勘違いだったようね。」
彼女は刃物をしまい、バッグハグを解除した。バッグハグなって生易しいものではなかったけど。
ノロノロと不貞腐れて戻ってくる銀時を見つけた。こちらに気がつくと猛ダッシュを始めた。
「サァ〜ン〜トォ〜!!!!!!」
俺の身体に飛びついてきた。バッグハグの次は甘噛みか…。モテる男は辛いね。でも…結構痛い…
「ごめん、ごめん!!ギブ!」
銀時は噛み付くのをやめ、俺の肩に乗った。
「あなたは…、貴方様は…、猫神様…?」
信じられないものを見るような顔をして彼女は言った。
「銀時さんや…?」
「いかにも吾輩は猫神である。」
彼女はひれ伏した。
「私は戦士の村の生き残りです。」
「通ってきた所だな。」
「戦士の村は人魔大戦開戦直後にネクロ=リリエに襲撃し、私以外の村人は全滅しました。本来なら負けるはずがないのですが、『戦士への守護』が村の人々から消え、本来の力を出せず、ネクロ=リリエの圧倒的な軍隊の数によって蹂躙されました。」
『戦士への守護』…?戦士…、『戦神の加護』なら、ガグルが授かっていたよな。でも、ここの話と銀時に何か関係があるのか…
「そうか。吾輩としては運が悪かったとしか言えないな。お前を慰めてお前の故郷とお前の仲間が戻るならば、そうするが…。」
銀時は間を空けた。正しい事を言っているが、彼女にとって、この言葉は強いだろう。
「お前はエルフだな。戦士の村はドワーフが住んでいたと思うが。」
エルフ!!?それにドワーフ!?
でも、エルフだとぉ~!!!!?
「貴方様の見たては正しいです。私はドワーフに拾われたエルフです。」
彼女はくすんだフードを外し、顔を顕にした。美しい顔だった。これまで出会った誰よりも、目を逸らしづらい顔だった。




