第十四話 旅行から帰ってきた時は家に特別感がある。
俺はバルム王国を後にした。遠くから瓦礫を撤去する音が聞こえる。子供の笑い声も聞こえた。きっと、俺が運んだのは荷物だけじゃなかったのだろう。
帰路は道が分かっている分、早く進んだ。銀時もいるし、旅がはかどる。一ヶ月かけて、ユグドラ大森林を抜けた。すると、グルマが見えてきた。まだ、死体と瓦礫の撤去作業をしている。たが、作業をしているのは兵士ではなく一般人だった。
グルマも抜け、俺の視界に遂に三重の壁が見えてきた。帰ってきたのだ。仕事を終えて。
ルー王国周辺はすっかり綺麗になってた。荒地は見えるが、所々に草があった。行きよりも歩きやすい。悪臭もない。
「あ!サントじゃねぇ~か!」
ガグルだ。パーティーメンバーを連れて、任務にでも行くのだろうか。
「ほぼ四ヶ月ぴったりだな。お疲れ。」
ガグルも旅に身を置く者だ。いつどこで死ぬか分からない。だから、この再会もあっさりしている。
「俺の家、使っていいからな。」
そういい残し、ガグルは旅にでていった。
俺は壁の前に立ち、開けてもらうのを待つ。
『あれが、勇者ガグルか。戦神もまめよな。』
『お、銀時。門が開くぞ。お前はガグルの家で待ってるか?』
『そうだな。少し寝てくる。匂いをたどれば分かるゆえ、サントは勝手に行っていろ。』
『分かった。』
門が開いた。ルー王国に帰ってきたのだ。俺は拠点に向かう。次の仕事を求めて。
どうもです。猫治です。
第一章はこの話で終わりです。旅を終え、ルー王国に帰ってくるまでを描きました。道中、銀時と言う仲間を得て、今後の展開の構想が捗ってます。 第二章は現在、執筆中です。第二章でも旅に出ますが、バルム王国のようにはいかない状況の国を予定しております。その中でのサントの心情の変化をお楽しみいただければと思っております。
最後に、この話が年内での最後の投稿になると思います。読者の皆様、よいお年をお迎えください。来年もこの作品をよろしくお願いします。




