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第十一話 どこの国行っても母さんの味っうのがあるもんだ。

「宴…だと?この国にそんな余裕があるわけないだろ!?」


バルムの王は憤慨した。アルも王のもとで控えているが、何かを言いたそうにしていた。


「だからこそです。このまま、冬を迎えてしまっては民の生きる希望を完全に絶たれます。宴とあと何か…。あなたの言葉でもいい。何かで希望を抱かせないと。」


「いまさら、私の言葉など誰が聞くというのか!?この国がこうなってしまったのも全て私の責任だ。そんな奴の言葉に誰が耳を貸すというのだ!?」


「では、なぜあなたは王として今も君臨できているのですか?気に食わねば、あなたはそこから引きずり落とされるはずです。でも、民がそれをしないということは彼らにはあなたが必要なのです。」


「そんなこと…」


「王よ、私も使者殿の言うことを肯定します。民は貴方様の声を欲しているのではありませんか?」


思わぬ加勢だ。ふと、銀時を見ると、目が合うなり、宴か!?と喜んでいる。さらには料理なら任せろと脳に言ってきた。猫が料理をできるのだろうか?


王はしばらく黙り込んだ。

拳を握り、ほどき、もう一度握る。


「で、あるか…。では、明日の夜。宴を開こう。アル、任せたぞ。」


王は扉の奥に戻ってしまった。


「使者殿。あなたも宴に参加してくださいね。言い出しっぺなんですから。」


「もちろんですよ。あと、使者殿でなくサントとお呼びください。うちの従魔のやる気あるので。あとは人を集めないとですね。」


「それならば、王が一言言えば集まります。王は誰よりも民から愛されていますか。」


俺は少しはにかんで、アルと計画をねった。




翌日。計画通り、朝から銀時が料理の支度をする。銀時は猫神をなめるなよとだけ言って魔法を使いながら、料理をしていた。俺とアルは会場の準備だ。倉庫の中に机を並べ、食べる所を作る。数百人の生き残りしかいないこの国では倉庫の三分の一の空間で十分だった。


いきなり、倉庫の戸が開いた。


「俺たちにも手伝わせてくれ。」


数十人の男女が倉庫の中に入ってきた。アルは手際よく指示を出し、準備を進める。


「あ!これ。この国伝統のスープだ!猫さんはどこでこのレシピを!?」


女性が銀時に話しかける。それよりも猫が料理している光景を受け入れているのがすごい。誰もツッコまない。銀時は俺に目を合わせてフッと笑ってきた。

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