01 出会い
「大丈夫ですか? こんなところにいては死んでしまいますよ」
そう書かれた小さな紙が僕の目の前に置かれた。
誰が俺にこんなことを、、僕は思わず立ち上がって辺りを見回した。
ただ1人だけ傍の小道を歩く少女がいた。この子に話しかけるのはなんだかナンパみたいで気が引けたけど僕のことを気にかけてくれたのが嬉しくて話しかけてしまった。
「この紙を書いたのは君?」
少女はコクリと頷いた。
「僕なんか気にかけなくていいのに。僕が死んだって誰も悲しまないさ」
「そんなこと! 言わないでください、、」
一見おとなしそうな少女が突然声を荒げるからびっくりした。
「たとえ何をしても、死んでいい人なんていません。誰も悲しまないなんて決めつけないでください。」
「でも僕には、もう何も残ってないんだ。帰る家も、彼女も、 お金も少ししか。」
(あぁこんなことになるなら、昨日キャバクラでシャンパンなんて下ろすんじゃなかった、)
「アノー、」
(てか、俺キャバクラからそのままか?てことは、俺今めっちゃ酒くさいじゃん。そんなの言い訳もクソもねぇーだろ。あーくそ。やっぱ俺なんて、、)
「アノー、」
気づけば俺にハンカチが差し出されていた。
「泣いてますよ。」
(え、俺泣いてる?? そんなことあるわけ、、)
俺は自分の頬に手を置いた。泣いてる、、少女からハンカチを受け取って涙を拭いていると突然、嵐が襲ってきた。
「こっち!」
俺は少女に手を引かれながら屋根のある場所へ連れて行かれた。