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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

純血の赤ずきん

作者:加藤 會田
赤ずきんは、布の被せたバスケットの中に、美味しいケーキとワインを入れて、森奥のおばあさんの家へ、お見舞いに行きました。

その道中に出会ったオオカミ、オオカミは赤ずきんへ、隣の花畑を指差しニコリと笑い、甘い言葉を並べ始めた。赤ずきんはその言葉にまんまとかかり、花畑へ寄り道をしてしまいました。

その間にオオカミは先回り。赤ずきんのおばあさんを殺し、その肉を戸棚へ入れ、血は瓶に注ぎました。そして、ノコノコとやって来た赤ずきん。

おばあさんに変装をしたオオカミは、赤ずきんにその血肉を食べさせ、挙句の果てにはベッドを指差し。

「ああ、愛しの赤ずきん。服を脱いで此方に来なさい。暖炉の火をくべたばかりだ、少しばかり寒いだろう」

そう言ったのです。しかし、赤ずきんはその言葉をまんまと信じ、服を脱ぎ、ベッドでオオカミと対面します。

そして、おばあさんの姿を不思議に思った赤ずきん。

「どうしてそんなに口が大きいの?」
「それはね……お前を食べる為だよ!」

その言葉を最後に、赤ずきんは食べられた。胃液で半身は火傷跡の様に爛れ、頭皮は溶かされ髪の毛一本すら生えてこない。そして、胃の中には愛しのおばあさんの姿も無し。

その時に、幼いながらも赤ずきんは悟りました。先程食べた肉とワインの正体に。

……待つのは確実な死、のみである。

赤ずきんは、隠し持っていたペーパーナイフで、自らオオカミの腹を掻っ切った。
女を捨て、醜い身体を噛み締めながら。

「憎いっ……憎い、何も出来ない私が憎いっっ!!お前を殺して、殺して、ぶっ殺して!!私も死ぬっ!」

そんな、純血に血濡れたとある少女の物語。

白色の終焉の森に囲まれて、雪降る大地に産まれ堕ちたは大罪人。何人たりとも、彼らの鎖は阻めない。
何方共々死を望む。……そんなあの出来事が起きてから、もう何年経っただろうか。
これは、そんな彼らの物語。
童話殺しの、はじまりはじまり♪

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この物語は『フィクション』です。作品や登場人物達は、実在する宗教や現実の出来事には一切関係ありません。
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Episode0_最後の晩餐
001_林檎は爛れて塵となる。
2024/12/30 06:00
002_穴の空いた砂糖と心。
2024/12/31 06:00
Episode1_知恵の実の最後
004_知恵の蛇の誘惑。
2025/01/02 06:00
Episode2_人生と禁断の果実
008_堕天使、蛇に化ける。
2025/01/09 06:00
Episode3_ダンテによる『神曲』
Episode4_実によって木を知る
Episode5_三日で復活した男、誕生の彗星
024_聖徒、死体からの蘇り。
2025/02/27 06:00
Episode6_信用してはならない
027_ハバネラ「恋は野の鳥」
2025/03/02 06:00
028_「アルカラの竜騎兵」
2025/03/03 06:00
Episode7_鶏の囀りと翼
Episode8_白痴の英雄と死
Episode9_握る者と握らざるを得ない者
Episode10_荒唐無稽な夢を終わらせん
052_夢が終わる。
2025/05/19 06:00
Episode11_全ては愛する者の為
Episode12_目を逸らす事しか出来ない
Episode13_全てが擦れ違う
Episode14_甘い甘い、理想の様な夢を見た
Episode15_私は醜い蛹から蝶になる。
071_地獄。
2025/08/28 06:00
074_後悔。
2025/08/31 06:00
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