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『魔力の扱い』

ようやく広場に着いた。ライアと遭遇したのは予想外だったが特になんの問題もなく来れた。


「さて、アラタよ。本題に移ろうか」


「ああ、よろしく頼む」


「いや、その前に.........アラタ、お前の魔力量を知りたい」


「魔力保有量? 」


「ああ、そうだ。魔法がどのようにして生み出されるかは知っているだろう?」


それはもちろん知っている。魔法は待機中にある『マナ』を体へ一時的に取り込み、それを術式を通して発動する。それが魔法の原理だ。そして『マナ』を取り込む量が多ければ多いほど効果が高い魔法、威力の高い魔法となる。


そしてその『マナ』を取り込む量は個人の魔力量によって変わる。魔力保有量が多ければ多いほど『マナ』を取り込める。


「もちろん知ってる。実力はないが知識だけはしっかりあるからな」


「ほう、それはいい事だな。少しじっとしていろ」


そういうとエルは俺に向かって魔法陣を展開する。


「これはお前の体に吸い込まれた『マナ』を数値として見ることが出来る魔法だ。ほれ、思いっきり魔法を打ってみよ」


なるほど、まずは現時点の実力を見るということか。


「見て驚くなよエルドラド! これが俺の本気の魔法だ! 『火球ファイアボール』!!」


そう唱えると俺の手から小さな火の玉が放たれる。しかし火の玉はすぐさま空気にかき消された。


「.........」


「.........」


呆れた顔でエルが見てくる。やめろ.....それ以上おれの精神をえぐらないでくれ。


「はぁ。封印が解けてからため息ばかりしてるぞ。アラタ、お前の実力は分かった。ひとつ言おう、お前は『マナ』を全く取り込めていない」


「やっぱりそうか.........。それで? 数値はどれぐらいなんだ?」


俺はエルの魔法陣をのぞき込む。そこには3000という数字が描かれていた。


「アラタ、この数字を見てどう思う?」


「どうって......基準が分からないからなんとも言えないなぁ。でも低そうだな......」


「.........異常だ」


「え?」


「.........少し見ていて欲しい」


エルは数値化の魔法陣を自分のもう片方の腕に向けた。そして掌を上に向ける。


「『火球ファイアボール』」


エルがそう唱える。.........しかし何も起きない。


「.........何も出ないぞ?」


「たわけ、上を見てみよ」


「上.........!?」


俺はその光景を見て全身に鳥肌が立った。


「雲に........穴が..........」


なんと頭上の雲が、大きな円を描いたように穴がポッカリ空いていた。エルはただ『火球ファイアボール』を放っただけだ。それだけで..................


「これは我の最大出力の『火球ファイアボール』を限界まで凝縮して放ったものだ。威力はあの雲の穴が語っている。しかし、俺の魔力保有量は5000。この意味が分かるか?」


「5000!? あんまり変わらないじゃないか! .........じゃあなんでこんなにも威力が違う? そこが全くわからない」


「簡単な話だ。お前は魔法を発動する際、何らかのブレーキがかかっている。魔力保有量は正直言ってかなりある。しかしそれを生かしきれていないのはお前自身の問題だ。大概こういうケースは何かがきっかけでなるのだが.........過去に何かあったか?」


そう問われ、俺は目の前が真っ白になる。


そう、俺は昔 自分自身の失敗で



妹を殺した



「ああ、ああああ.........」


「どうしたアラタ?」


「..................っはぁ、はぁ......大丈夫だ。なんでもない」


そうだ、過去のことばかり見ていても何も変わらない.........。今は自分が出来ることをするだけだ。それが.........最善だ.........。


「.........まあいいだろう。とりあえずこの1ヶ間、お前にはその魔力保有量に見あった実力の3パーセントを身につけてもらう」


「.........わかった。やろう。指導は頼むぞエル」


「.........使い魔が主人に指導か。なかなか面白い。弱音を吐かず、この1ヶ月やり遂げられたならばお前は見違えて強くなっているはずだ。我が保証しよう」


「.........望むところだよ」

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