表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真説・公園の魔法使い  作者: 弐逸 玖
うつくしヶ丘高校の校舎裏 = 一〇〇人殺しの魔道書 =
52/66

忙しいお昼ご飯

「確認直後に出入り出来る場所には“出入り検知”を仕掛けたが、その後出入りの兆候は無ぇ」


 つまり、今もその5人は例の場所に居る。と言うことになる。

 いま、落とし穴を仕掛けた人達が、学校の敷地内に、居る。


「しかし“目”の反応はまだ」

「ダミーをわざと位置のずれたところに置いておいたんだ。潰されたのはそっちだが。……但し、お前の目玉からコピーをとったヤツだから。すまん、お前の気配はバレた」

 ついに落とし穴を作った張本人が出てきた。

 しかもルッキングファラウェイを潰した。


「今日中に処理をしてしまうなら、それは気にする必要さえ無いですわ。……確かに緊急事態ですわね」

「必要以上に頼もしいこったな、ウチの部長様は」




 大葉さんの言うところの“目玉”自体はそれほど高度な技では無い。けれど、器用な人でないと作れないし、気がつけない、そう聞いた。

 それに気が付いても結界の一種、技術の無い人には、作れない以上に壊せない。


 ルッキングファラウェイがなんであるか、わかった上で潰すだけの技量がある。

 魔法使いの上に結界師。

 その辺の野良魔法使いと同じ対応では不味い。と言う話なのは、私でもわかる。



「気が付かれないように設置したはずの結界のシンボルも、位置を微妙にずらされてる。間違いなく知識がある。セミプロとはいえ、あれ程の術者がマークされてねぇとはな。各方面、鍛え直しが必要だ……。この件が済んだら、だがな」


 ――どんな人ですか? と聞かずには居られない。

 私達は制服を着ているのに、図書室以外にはここしか居場所が無いくらいだ。

 外部から入り込めるわけは無い。だったら。


「男子生徒が五人。ネクタイの色を偽装してなきゃ全員3年生だ」 

 やっぱりウチの生徒……。


「とにかく早急に対応を致しましょう」

「まて。今、振興会じむしょにはグレード3がいねぇ、その上、学校に居るはずの諜報課も、今既に魔道書輸入の裏を取るため有明と横浜だ。アイリスも動けねぇが、幸い今すぐ動く気配は無い。せめてクロッカスが戻るのを待つ。アイツの結界は絶対必要だ」

「と言うことは」


「あぁ。現有戦力をもって、この場で何とかしよう。神代ちゃんと南光君は午前の内に本部に……」

 ブゥ、ブゥ、ブゥ。バイブの音が変に響き、大葉さんは慌てて作業服の胸ポケットからスマホを引っ張り出す。


「はい、大葉。――あ、はい。お疲れ様です! ――はい。クロッカスを待って午後一番の予定で、――は? しかし状況的にそうなると護衛などほぼ不可能で。――良いんですね? ならば本人達にも伝えます。ところで……、えーと、……あれ?」


 続けて何かを言おうとした大葉さんだが、電話は先方から切られてしまったらしい。

 彼には珍しく、――はぁ、とため息。


「会長、ですか? 今のお電話は」

「あぁ。ミッションの難易度が上がった」

「……と、仰いますと」

「神代ちゃんと南光君。両方執行に帯同させろ、との事だ」




「――そこに居るのでは西からは入れない。正面から突破するより他に道は無い」


 お昼過ぎの東屋。

 ついに全ての補習を受けきった華ちゃんが戻って来て居る。


 その華ちゃんは、話を聞きつつあっという間にお弁当を食べ切って、お弁当箱を袋に仕舞いながら大葉さんに聞き返す。この辺の割り切りと対応はプロの手際。

 たった30分で、お弁当と打ち合わせをほぼ終わらせつつある。



「そういうこった それに今回は二手に分かれる余裕も無ぇ。相手は五人、こちらは俺とお前の他、アヤメちゃん、俺を除けば実質2人。あとで合流するはずのアイリスを入れても三人、専任結界師も無し。……それで全てだ」


「さらに桜と仁史君を連れて行け、……と?」

「俺をそういう目で見んな。会長の命令だっつーの」

 怪訝な顔をした華ちゃんはふぅ。吐息を吐くとあやめさんに向き直る。


「ねぇ大葉さん、すぐに突入するんですか?」

「何か新たに工作されると不味い、できる限り早く手を打ちてぇのが本当ではあるが。……神代ちゃん、どうした?」


 そう、まだ委員長とその先輩が校内にいる可能性がある。そして。

「大葉さんは聞いてないですか? 今日は二時で完全下校の指示が出ています」



「そうなんですの? わたくしは聞いておりませんでしたが」

「そうか、サブグラウンドの照明のメンテが三時からだったな……」


 道路を挟んだ敷地だが、駐車場は足りない。

 だから、作業に直接使わない車は本校舎側の来賓駐車場を使う。

 工事の人達が敷地内で工具や材料を持って移動するから、危ないので生徒は帰れ。


 本校舎側でないから大葉さんの担当ではない。

 だから、予定が頭からごっそり抜けていたらしい。


「その、大葉さん! あと40分、待って貰うわけには行かないですか……!」

 既に生徒の気配はだいぶ少なくなったけれど。


「第三者のリスク軽減が第一。……仕方があるまい、そうだな? 執行部長」

「……情報の提供を感謝しますわ、桜さん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ